月別アーカイブ: 2018年12月

覚醒はみんなの心の中に

2018/12/28
よしむらプロレス番外編「室田渓人の覚醒ロードウォリアーズ〜第1章〜」

○マイケル・マイヤーズ vs 室田渓人 vs ジェイソン・ボーヒーズ
室田渓人選手とは、GOING-UPの新人選手であり役者も現役で兼任するレスラー。
言うなれば、どインディーの新人レスラーのワンマッチ興行。
よしむらプロレスの成り立ちを考えるに、
演劇関係者とよしむらプロレスのレジデント客が集まる程度の集客かと思っていました。
が、蓋を開けて見たら超満員の入り。すごい。
よしむらプロレスが口コミや噂で広がり、
多少の注目を集め始めているのは事実。これはすごいこと。
そして今回のプロレスというかムロくんの覚醒!という謎のテーマ。
覚醒云々は置いといて(思うこと山ほどあるので)、
よしむらプロレスで、つまりはARENAでハードコアマッチで流血ってすごい。
やられてやられてやられて耐えて、反撃をして、結局やられる。
素晴らしいプロレス展開。
応援する対象がムロくんだけ、という場内の雰囲気の作り方が素晴らしく、
見るものを納得させる60分弱の名勝負でした。
そして観戦に来ていたガッツ石島氏の次回参戦の約束と、
GOING-UPとよしむらプロレス提携宣言というミラクル。
よしむらプロレスがこの形で試合を成立したということで、
いくらでも、どんな試合形式でも行えるという無限の可能性が生まれた気がします。
ガッツさんを動かしたのもデカい。
やー、おもしろいな、よしむらプロレス!

Xはきみだ

2018/12/27
東京女子プロレス「神田明神交流館こけら落とし公演『プロレスの神様のこと「腕落ちたぞ!」なんてぼやいてたこと懺悔ですね』」

○ハイパーミサヲ vs 原宿ぽむ
パミさんの入場時に「ウルトラリラックス/篠原ともえ」が流れてもう絶叫。
パミさんほんと好きだわ…
そうだね、それがあったね。
パミラー(過去の制服物販時に着用してたやつ)。
そういう伏線じゃないけど、今までちら見せしていたものを、
ここに来てどかーん!と風呂敷を広げるセンスが本当に凄い。
東女に必要な人間、それがハイパーミサヲ。
そんなわけで10年代vs90sの原宿決戦。
ぽむ氏のすね蹴りをルーズソックスがガード、って鳥肌立った。
そういうのに気がつく視点が凄い。
ぽむどじゃすてぃすも不発に終わってしまって残念。
今回は相手が悪かった…パミさん、強いよね、実は。

○中島翔子&まなせゆうな vs 猫はるな&YUMI
ある種の教育マッチではあるんだけど、
猫さんとYUMIさんがなかなかのやり手なので、
通常の対戦と遜色はないように思えました。
にしても東女の誇るテクニシャンの翔子さんと、
プロレス巧者のまなせさんのタッグは強い。そして上手い。
翔子さんも特撮ヒーローものが好きだし、
まなせさんのおもしろいこと、楽しいことへのベクトルが強いので、
大怪獣ばくだんとかふたりのセンスが合わさった感じがよかったです。
入場時の被り物チェンジも非常に素晴らしかった。
翔子さん、めっかわ。
新人さんチームはYUMIさんの気迫というか、
体躯を活かした前目の攻めがよかった。
YUMIさんは本当にすごいレスラーになる気がする。たのしみ。
猫さんも爪でひっかくムーブとかコミカルな面もあるけど、
機動力が高い気がするので、テクニシャンタイプで伸びて欲しいなぁ。

○ベーダ・スコット vs 愛野ユキ
なんかこう、重量級の闘いっぽさあった。
ベーダさんの声ばかり聞こえる試合。
ユキちゃーんがかなり追い込んだ印象あったけど、
結局のところはタックルだけだし、
サイドスープレックスもベーダさんが重すぎて持ち上がりそうもなかった。
パワー系の技を使うのであれば、パワー系の選手にならないと駄目だと思うし、
でもユキちゃんのパワーって体重バランスだもんなぁ。うーん。
なんだかんだで試合が成立して、
逆転勝利に見えたのはベーダさんの巧さの部分だったんだろうか。
雪崩式気味フィッシャーマンスープレックスホールドは面白い。

○HARASHIMA&上野勇希 vs アントーニオ本多&樋口和貞
流石のDDT本体の中でも上位の人たち。
そして流石のアントーニオ本多。アントン人気の凄さがさいこうだった。
ごんぎつねのくだりはアクシデントで上野くんがちんちんを強打したのはミラクル。
オチに来がちな「マラ」って結構地味なワードなのかしらね。
メンツ的には手堅いオーソドックスなDDTのプロレスと、
HARASHIMAさんのシメの「鍛えてるからだー!」が見られて得した気分です。
上野くん、一年半の東女のセコンド業ありがとうございました。

○瑞希&坂崎ユカ&ヒナノ vs ラク&天満のどか&上福ゆき
問題児だらけだな、よく考えてみたら。
3人でのおやすみエクスプレスやらそれの返しの3人でのおはようエクスプレス。
ただヒナノさんの残念脳のおかげでグダってしまったのはなんかそろそろおこだよ。
かみーゆが途中に斬新なアイディアでわがままを言って場を混乱させるの好き。
天満さまのスピード感はマジラビと呼応出来るのでよかったし、
かみーゆはドロップキック一発での期待感と多幸感の高さがよい。
ラクさんもプレーンチョップを徹底させてきていていい方向に。
ヒナノさんは空気だった…
マジラビはもうよすぎてなんにもいえない。
ハイライトは入場時のユカっちとみずぴょんすのツインテールだった。
ユカっちのいまの髪色と相まってエルフ感あったし地獄のような可愛さだった。
なんで早々に取っちゃったのさ。もー。

○山下実優&才木玲佳&白川未奈 vs ミウ&ヒカリ&伊藤麻希
ヒカリさんがよかった。贔屓目はあります。
前日にZERO1道場に行って大谷晋二郎に指導を受けて、
そこで言った一言が
「(アプガプの)他の三人もプロレスへの気持ちを大きくしてもらえれば」で。
じゃあ逆にいまはプロレスへ気持ちが小さいってことだよな、と解釈したんだけども。
まあ、それはそれで。
もうひとつ、大谷の教えであったのが「上を向け」だったと思うんだけど、
確かオカダカズチカがTNAで学んできたことのヒトツが「カメラを意識しろ」だった記憶があって。
それはつまり「正面を向け」で単純に上を向け、前を見ろ、だし、
客席を意識しろ、ってことだよなー、と。
で、ヒカリさんの場合は、コブラツイストをかけているときにどこを見る?って部分で、
声を出しながら上を見ていた気がしたのでなんだか頑張ってる!って思いました。
それを意識して試合を観ると、
れいたんは動作のひとつひとつに「見得」が含まれていて、
メリハリがあるというか、ポイントポイントに区切りがあるんだな、と気がついて、
そりゃプロレスが綺麗に見えるよなぁ、と感心しきり。
見得が切れる=余裕がある、ってことにもつながるのか。ふむふむ。
もうひとりのアプガプであるミウさんも、
気持ちも顔も前を向いている気がしてよかった。
このふたりは確実によくなってる。いいとおもいます。
伊藤ちゃんさんと山下さんの最後の前哨戦。
タイトルマッチが決まってからイッテンヨンまでの二か月の間に、
「練習して強くなる」と言っていた伊藤ちゃんさんが強くなってるの凄い。
技ががっちり決まっている度合いが増えている気がしました。
実際に試合中に沸く場面もあったし(それはアプガプのふたりにもあった)。
おそらく格闘技としてのプロレス、試合構築能力としてのプロレスでは山下さんに分が。
人間力のプロレスとしてのプロレスでは伊藤ちゃんさんに分があるこの一戦。
強うほうが確実に、簡単に勝のが東女のプロレスではないと思うので、
伊藤ちゃんさん戴冠の期待度に現実が追いついてきた。

いい人でばかりはいられない

2018/12/22
我闘雲舞「Gatoh-Move Japan Tour 397」

○TAMURA vs 水森由菜
ゆなもんがプライベートもプロレスも優しすぎるので、
プロレスで性格が悪いTAMURA社長がそれを教育する、という意味あいの試合。
すごい理由がついた試合だな…
確かにプロレスにズルさは必要で、
優しいだけでは試合には勝てないよな、と興味深かったです。
反則は4カウントまでは反則じゃない、
というルールを逆手に取った巧さみたいなのを再三。
プロレスの奥の深さというか、悪いことも必要っていうことがゆなもんに伝わって、
より幅が広がったら確かにおもしろいなー、と思いました。
TAMURA社長レベルの巧者と試合をすると、
ゆなもんがまだまだなんだな、っていうのがはっきりした印象。
伸びしろが無限なのは脅威。

○高梨将弘&駿河メイ vs 帯広さやか&沙紀
帯ちゃんの市ヶ谷復帰戦。
緊張感が伝わって来て落ち着きのなさが数倍になっていたのが面白かったです。
いいぞ、帯ちゃん。もっとやれ。
ガトムを観はじめた頃は既に帯ちゃんは怪我で本来の動きではなかったし、
わりとすぐに休場してしまったので、
ほぼほぼ初見に近い新鮮な気持ちで見られました。
メイちゃんとは初対決だったのね…そうだよねぇ。
高梨さんも同じく膝の手術を経験していて、
その過去を思って帯ちゃんは復帰まで頑張れた、と言っていたので、
人は人の頑張りをみて、自分も頑張らないといけないと思うし、
いい前例があればそれを目標として目指すことが出来る、と。
自分も頑張らないとな、とプロレスをみて今日も思ったのでありました。
試合はもう帯ちゃんとメイちゃんがわちゃわちゃして、
沙紀さんと高梨さんが締めるところは締める、といった試合。
冷静と情熱。

○さくらえみ&バリヤンアッキ vs 紺乃美鶴&里歩
ガトムのガトムらしい試合。
さくらさんの試合構築能力の高さよ…
さくらえみ70キロ!と嘘をつい(て失敗し)た後に、
正直にさくらえみ80キロを放っ(て成功し)たのはよかった。
みんな、正直に生きないと駄目だよね。
バリヤンアッキの日本のインディーズでプロレスを頑張ります宣言はよかった。
でも、インディーズじゃなくてメジャー進出も夢じゃないと思うので、
なんかそういう道を拓いてあげてほしいなぁ。
さくらさんの力をもってすれば多少なんとかなりそうなんじゃないのかしら。
美鶴さんが再び負けが込み始めたのは不服であります。
なんとかして、なんとかして打開策を見つけ出したい。
にしても、メイちゃんとゆなもんが凄すぎるってのもあって、
なんとなーく余地がないんだよなぁ。むむーん。

我闘雲舞は美鶴さんの存在もあって、多めに行きたい気持ちが強くなった2018年。
更にさくらさんの体操教室やら映画鑑賞会やら誰でも女子プロレスやら、
わりと親近感のわく事案が多かったので、
さくらさんに対して本気の尊敬の念がある。
だもんでひとつ、ありがとうという感謝の気持ち!
(ひとつ、ありがとうという感謝の気持ち)でいっぱいです。
たのしいよね、我闘雲舞。

奇跡が魔法に変わるトキ

2018/12/22
東京女子プロレス「せ~の、メリークリスマス!2018」

○愛野ユキ vs YUMI
今回のスペシャルシングルマッチの組み合わせ抽選で、
YUMIさんを引いたのが自分なのでこのカードを組んでしまった責任の一端を勝手に感じてて。
そういう意味で注目していたこの一戦。
ユキちゃーんのシングル初勝利をすっぽり見逃していたので(あずにゃん卒業の回。休出日)、
おお!シングルで勝った!とびっくりした次第。
身体能力的にはYUMIさんのほうがありそうだけど、
バリエーション的にはユキちゃーんのほうが上だったもんで、
試合に勝つには勝ったけど、わりとあっさり越えられてしまいそうな予感。
YUMIさんはエルボーぐらいしか攻め手がないもんなぁ。
あとはまあドロップキック。
試合を先輩レスラーに作ってもらわないと成り立たないレベルだし、
さらにその先輩、ってのがユキちゃーんだもんで、まだこんなもんかな…って印象でした。
なんかすまんやで。

○ベーダ・スコット&ラク vs ヒナノ&上福ゆき
このメンツで試合中に日本語がまともに喋れるのがかみーゆだけ、という事態に。
英語が話せるのをみんな知っていて、ベーダとも会話できるじゃん?と思わせつつ、
なぜか使わない、っていうの自由すぎて最高。
そろそろかみーゆもいろいろ出来るようになっているので、
まともな試合があってもいい気がする。覚醒の時だよ、かみーゆ。
ベーダさんはマイクベイリーのバーターだもんで、来日の頻度は高いんだけど、
レア感がなくなってきたのでみんな飽きてきているのがかわいそう。
ラクさんはベーダを踏み台にしてのプレーンチョップはとてもよかったです。
あれは他の人とのタッグでも出来るよね、きっと。
それとベーダさんの被り物に興味津々だったのはよかった。
ヒナノさんは酔拳が酔拳になってないのでちゃんとやってください。
酔拳やっておもしろかったのはかみーゆだもん。
何事にも中途半端なんだよ、ヒナノさん。
自撮りの加工が怖いしさー。もー。
それにしても意外と長い時間の試合だったけど、
途中でだらっとせずにいい展開だったのはよかったと思いました。
この試合からちゃんとギアが入った感じ。

○まなせゆうな vs 白川未奈
まなせゆうなさんが終始圧倒しててすごいな、と思いました。
白川さんはどんな芸能的政治力が働いているのはよくわからないけど、
キャリアの浅さが存分に出た印象。
相手の協力があってのプロレスだもの。自分じゃ何もできないでしょ。
逆にまなせさんの自分と相手を魅せるプロレスに終始しているのと、
基本がしっかりしているので綺麗なプロレスが出来ている感じ。
こんな一瞬で決着がつきそうな試合を制限時間ギリギリまで伸ばせたのは、
まちがいなくまなせさんの腕がいいから、ってことですし。
やー、まなせさんのトップ戦線に食い込んでいって欲しいなぁ。
タッグ路線でもいいので。

○ハイパーミサヲ vs ミウ
クリスマスツリーで登場するハイパミさん、ほんと好き…ってなった。
めちゃくちゃじゃん、クリスマスツリーでプロレスするのとか。
さらにそこにミウさんの純朴さがプラスされて、
ガムテで腕を縛って会場の特色を生かした建物の外への放出も、
練習生を影武者に使ってミウさんをだまし討ちする流れも、
なーんの嫌味のないというか、純粋にストーリーが展開したのとか、
計算だったらすごい天才だな、と思ったり思わなかったりしました。
ミウさんはカナディアンに行く流れがもたついたのが目立った印象。
そういえばパワー系を売りにしていたけど、なんか印象が薄い。
ボディアタックをキャッチしたりしているし、
それこそカナディアンバックブリーカーが見せ場なんだから、
そこを見栄えがよくなるように確実性を上げていって欲しい気持ち。
アプガプの中でちゃんとプロレスが出来るのはヒカリさんとミウさんなわけで、
そこでもうちょっとわかりやすい進化が欲しい。
ヒカリさんに置いていかれつつあるよな…

○才木玲佳 vs 天満のどか
この試合好き。どっかんどっかんしてた。
どちらもパワー系ではあるんだけど、タイプが異なっていて、
キックのれいたんと、突撃と絞め技タイプの天満さま。
ショルダータックルの攻防は見応えがあって非常によかった。
天満さまもボディープレスもキルスイッチも、
相手を弱らせた上で出さないとフィニッシュまで至らないのが難点で、
れいたんのシャイニングウィザード→ジャックハマーっていう合わせは、
シャイニングウィザードの時点で弱らせることが出来るので強い。
天満さまはフィニッシュ前のあと一つ欲しいところなのか、そうなると。
おねえさんを捨てて天満さまにキャラ変をしたときに、
失ったのはエモさな気がしていて。
なんか徹底的に追い込まれて必死の形相で向かって行くのって久しぶりに見た気がします。
爆れつシスターズのときって追い込まれるのはユキちゃーんだし。
姉妹タッグを組む意義のようなものは大きくて大切だけど、
ユキちゃーんの世話をいつまでもしているわけにはいかないんじゃないかな。
一度、ユキちゃーんと別れて、
ユキちゃーんがちゃんとした実力をつけたら再び姉妹で組んだらいいんじゃないかなぁ。
お互いのためにも。
まあ、姉妹タッグでいられるにこしたことはないんだけどね。

○伊藤麻希&瑞希 vs 猫はるな&原宿ぽむ
伊藤ちゃんが他の3人の司令塔として終始声をだして動いていたのが印象的でした。
味方のみずぴょんすを励まして、鼓舞して、
敵である新人二人にも叱咤激励を送って盛り上げていたの、
なんか伊藤ちゃんさんしか出来ないものだな、と思いました。
伊藤ちゃんさんが料理人として素材を料理する立場に回ろうとしている意識のひとつなんだろうな。
まあ、相手が新人二人だった、ってのもあるけど。
新人二人はついていくのがやっと…って感じだったのかな。
みずぴょんすが本気のフルパワーでやれずに抑え気味だったように見えました。
ぽむ氏も伊藤ちゃんさんのDDTを出すムーブに対応できなかったところもあったし。
いい教育マッチだったんじゃないだろうか。
それにしてもぽむ氏のギロチンドロップが「ぽむどじゃすてぃす」って技名で、
wikiで断頭台のギロチンを調べると
「ボワ・ド・ジュスティス(Bois de Justice/「正義の柱」の意)」
が出てきて、なんかすげー名前つけたな!っていう気持ち。
ぽむとボワが近かったのミラクルだよな。持ってるぜ、ぽむ氏。

○山下実優 vs ヒカリ
東女のトップとアプガプのトップのある意味頂上決戦。
今年のイッテンヨンにデビューしてほぼ一年経って、
どれだけ通用するのか?っていうのが体感できたってことは、
ヒカリさんにとっていい経験になったんじゃなかろうか。
ただ、たぶん、まだいい経験をした、程度でしかなくて、
一矢報いたようには決して思えなかったのは現実としてあるよな、と。
足りないところはどこだろうか。
アプガプの他の三人とヒカリさんが違うところは、
プロレスの中でどれだけプロレスラーとしての自分を出しているか、
自分の中の闘う気持ちを出しているか、だと思ってて。
他の三人もプロレスには真剣に向き合っているんだろうけども、
その「真剣」の質が異なっているんだと思ってます。
ヒカリさんはプロレスが好き、という気持ちが元々あるから強い。
もっと狂気みたいなのがみたい。

中島翔子 vs 坂崎ユカ
この試合はイッテンヨンのタッグマッチの前哨戦では決してなくて、
いつか来る後楽園ホールメインでのPOP王座のタイトルマッチの前哨戦だった。
ただ、みていてどこか哀しさを感じた一戦。
旗揚げ前から一緒に練習をして、
闘うコメディアンズとして、みらクりあんずとして一緒に切磋琢磨して、成長をして、
その成長のベクトルが同じ方向だったと思っていたんだけど、
どこか方向性が異なって、いま別々の道を歩き始めているのでは?って。
マジラビが解散したとして、元のみらクりあんずに戻れるのか?っていう不安がよぎりました。
その方向性が異なる要員が坂崎ユカというレスラーの覚醒にあると思ってて、
翔子さんの場合は努力で身につけたものを努力で磨きをかけた結果。
ユカっちの場合はセンスで吸収したものを努力で磨きをかけた結果。
努力はセンスに勝てるのか?凡人は天才に勝てるのか?
なんかそんな気持ちになってしまいました。
先日の新宿でのタッグの前哨戦だった6人タッグの後のユカっちの言葉、
「(里歩さまに羽根が生えているのか?と問うた後の)わたしたちにだって羽根はある」
が現実に羽根が生えていることを証明したような試合で、
それを引き出したのは翔子さんだし、
ふたりの共鳴があって、至極の10分間が展開されたんだと思いました。
奇跡だよな、このふたりがいるのって。
だからみらくるなのか。すとんと腑に落ちた。

さよならがんばっている人

2018/12/16
ガンバレ☆プロレス「BAD COMMUNICATION 2018」

○勝村周一朗&鶴巻伸洋&岡田剛史 vs 鷲田周平&大和ヒロシ&安部行洋
安部ちゃん復帰は嬉しい。
それなりに基礎が出来ていると思っているので、
安部ちゃんのプロレス的な動きは好きなのです。
自己アピールが不器用な印象なのでうまく立ち回って自己主張して欲しいなぁ。
もう一人の復帰選手である鷲田選手は、
先発を買って出て瞬殺をされたり、
他の選手の見せ場を奪ってまでタッチを求めて、結局負けてみたり。
背が高いのでブレーンバスターが映える、キックが重そう。など見せ場的なものはあるど、
なんだかんだで何もできないんだな、って思いました。
勝村先生が圧倒的な強さを見せてかっこよかった。
勝村先生がガンプロの中でこのポジションなのはもったいないし、
勝村軍のストーリーをちゃんとやればいいのに、って思ってます。
ガンプロのそういうところがもったいないな、って。
出来ることいっぱいあるでしょ。

○夏すみれ&フェアリー水道橋 vs HARUKAZE&春日萌花
フェアリー水道橋は気に食わないな…
讀賣のユニフォームを着た時点で拒否反応だわ。
にしても、試合を作ったのはフェアリー選手だった印象もあるわけで。
夏さんの久しぶりの参戦もうれしい限り。
よしむらさんとの「厚化粧!」のやりとりもあって納得の流れです。
しかし、ガン女は必要なのかな。
ガン女のかわりに通常のストーリーを膨らませて欲しい。できなそうだけど。

○佐野直&カーベル伊藤 vs 力&三富政行
古のガンプロにあったインディー感あふれる怪しさみたいなのが薄れていて
(木人ケンとかパンダとかドクターキリコとかそういうの)、
それにあたるのが今回のこの試合だったんだな、と。
わたくしたちはなにをみせられているんだろう…っていうアレ。
カーベル伊藤選手はよくわからないんだけど、
どっかの企業の社長さんが半分道楽でプロレスをやっている、ってことなのかしら。
お金で試合を買ったり大会をスポンサードして、っていう。
まあ本人は本気でやっているんだろうけど、
チャンスをお金で買うのはどうなんだろう。プロレス的な意味で。
なんかそういう匂いがしちゃうと嫌悪感ある。
いずれにせよ細かいことはわからない。どうでもいい。
でも、力さんの知恵遅れなところをうまく試合に取り込めていたのは面白かったです。
「りきどうざんのまごー!」「おまえはばかか!」ってのはひどくてよい。
三富さんはせっかくガンプロに参戦したのに、災難だったね…

○秋山準 vs 石井慧介
四天王プロレスっていうのを通過していないわたくしですが、
秋山準選手の凄さ…というか凄味かな。
そういうものがはっきりわかって観ていて気持ちがよかったです。
あそこまでエグく、完膚なきまでに叩き潰すのはとてもよい。
ほぼ膝蹴りだったなぁ。
石井選手は食らいつくのがやっと、という印象。
それにしたって、通常の石井選手の強さ以上のものはあったし、
いろいろ意気は感じたので、
ベースアップした姿を今後見せて欲しい気持ちでいっぱい。
ガンプロにはいつまでいてくれるんだろうか。
もう目的を果たしてしまった感ない?本人の中で。

○ジェイク・リー vs 岩崎孝樹
ふたりの関係性は煽りVで把握。なるほど。
DDTで練習をしているのと全日本で練習をしているのとでは、
質やレベルがどうしても異なってしまうと思うの。
DDTのレスラーってどこまで本気で練習しているんだろうか。
全日本の練習に参加したらついていけるのかな。
なんとなーくその差が出たのかな、という試合の感想。
バックドロップで試合があっさり終わって、
ジェイクリー選手を両手を広げていた姿に、
「なーんだ、こんなもんか」みたいなメッセージを感じました。
DDTのプロレスってなんなんだろうか。
文化系だから別に徹底的に強くならなくていいのかな。

○今成夢人&翔太 vs 下村大樹&関根龍一
ガンバレ☆プロレスを今回の後楽園に連れてきたのは今成さんの功績がデカい。
今成革命を掲げてどこか吹っ切れたこのプロレスラーは、
プロレスがより非プロレス的になると輝くことが分かった。
その非プロレス的なものが今回のシンガポールケインマッチ(=竹刀使用OK)。
ただめちゃくちゃに暴れるように両手に持った竹刀を振り回している姿が、
不思議と狂気と美しさをまとっていたのがおもしろかったです。
ただ、この試合は、後ろにそれぞれ翔太選手、関根選手が控えているのがポイントで、
そのプロレス脳の高い二人がいるからこそ、
これがプロレスの試合として成立して、説得力のあるものになったんだと思ってます。
戦闘民族は好きだけど、下村くんはまだ一歩足りない気がしていて、
大人しい印象なんだよなー、彼。
あまりしゃべっているのを見たこともないし。感情も感じ取りづらいイメージ。

○藤田ミノル vs 大家健
藤田ミ選手が定期参戦していたガンバレ☆プロレスが好きで
(トモダチ軍(仮)のストーリーの時)、
ふと気がつくと大家健を観たいんじゃなくて、
藤田ミノルがみたいのではないか?
藤田ミノルの存在こそがガンバレ☆プロレスだったのではないか。
そういう自分に気がついて早幾年。
多少、ガンプロの会場からは足が遠のいていました。
そして今回の後楽園大会観戦の目的が完全にこの試合、
つまり藤田ミノルの生き様を観ること、になっていました。
じゃあ、その間の大家さんは?というと、
自分の印象だとただただ迷走している感じだし、
「プロレスをメジャースポーツにする!」も言わなくなってきたし、
逃亡、キャラ変、覚悟が出来てない発言、等々。
この試合自体も覇気がないように見えたし、
ノーロープ有刺鉄線という見た目が派手になる試合形式にしたけれども、
試合が成立したのはミさんのおかげとしか思えないし。
大家さんは闘っていたんだろうか。
だとしたらなにと闘っていたんだろうか。
藤田ミ選手の奮闘は数多くあり、
場外を暴れまわり、椅子で殴られ、有刺鉄線の巻かれたコーナーへ突入し、
有刺鉄線を自らの身体に巻きつけてのラダーからのダイブまで行っていたのはミさん。
大家健は何をした?
藤田ミ選手は大家健を殴るたびに虚しくなったのではなかろうか。
空虚を殴り続けるのは精神的な体力が必要だよね、きっと。
単純にノーロープ有刺鉄線マッチとしてはおもしろかった。藤田ミさん凄い。
ガンプロのメインイベントしてはどうだったのか?と聞かれたら、
なんとなく物足りなさしか感じない一戦。
だってそうだよ。
いまの大家健がいまの藤田ミノルに勝ったら駄目だよ。
負けるしか道はなかったじゃん。

前回の後楽園大会の幻影みたいなのがずーっと残っていて、
あの時、メインが終わった後にリングの周りにユニバースが集結して、
リングを叩き、Bad Communicationに熱狂していた光景。
後楽園ホールを占拠したようなあの熱狂と満足感。
そういうものは皆無でした。
戦闘民族がガンプロを去るのは理解しかない。
こんなところにいてもなにも得ることはない。
「日々を頑張っていると言わないと惨めだからだ」の言葉はぐっさりと突き刺さる。
しかし、そこを救ったのは今成さんの登場で、
この後楽園大会はイッテンロクの今成藤田の一騎打ちの予告編に過ぎないことを提示。
ガンバレ☆プロレスはもはや大家健だけのものではない。
大家健が「自分一代限り」と叫んだとしても、そんなものはなんの意味もない。
大家健が死んでも今成夢人がいる、と宣言出来たのは非常に救われた気持ちに。

大家健に自分を重ね合わせて、
駄目な自分をなんとかしないといけない。
頑張って頑張って夢を叶える。
叶えたい夢がわからなければ、日々を頑張るしかない。
大家健が、ガンバレ☆プロレスが、自分を励ましてくれる。
そういう気持ちは、もうないかな。

君のこわい顔が好きだ

2018/12/11
我闘雲舞「2018年もありガトームーブ新木場大会~Gatoh-Move Japan Tour 396~」

○趙雲子龍&チェリー vs 紺乃美鶴&サワディー仮面
愛しの美鶴さんの(先日の市ヶ谷は行けなかったので自分の中での)復帰戦。
体調不良で休場が続いてそれが思いのほか長期だったので(一か月ちょっと?)不安で。
帰って来てくれて本当によかった。
水鳥英雄’sはサワディー仮面のサポートがあってのことなので、
その中でおもいっきり出来ているのはいいと思いました。
復帰後でプロレスが楽しいんだろうな、っていうのが、
表情の柔らかい印象でそう思いました。
でも、闘志むきだしの怖い顔も好きなんだ。
趙雲チェリー組は、趙雲さんを軸とした老獪な…というか、
上手いこと相手を巻き込んで、自分も巻き込まれて、
コミカルながらも随所に流れを引き込む部分は上手いなー、と思いました。
プロレスで必要なものはもちろん技の応酬という試合的な部分だけど、
言葉を使って作り上げる試合内でのストーリーみたいなのもあってもいい。
水鳥英雄’sの十字キーで勝てると思ったんだけどなー!残念。
美鶴さんは休場直前は勢いがあって、勝ちもついていたんだけど、
復帰後は元の負けが込む立場にならないとイイナ!という気持ち。
大会後のおチェキの時に「おかえり」「ただいま」ってやりとりが出来たので嬉しい。

○さくらえみ vs 杏ちゃむ
[The 3 Count Women’s Championship]の防衛戦。
前回はゆなもんが挑んだこのタイトル…というかさくらさん。
続いては杏ちゃむさん。
正直なところ、ほぼほぼ新人な杏ちゃむ選手がベルト挑戦!
ってどういう意味があるんだろう?って考えてて。
さくらさん的にはベルトの防衛回数を増やす→生きたベルトにするという意図があって、
タイトル戦を行うたびにベルトの元の団体へのアピールになるし、
さらには海外へのアピールになるし、
対戦相手がどんな選手であれ、いい宣伝効果はある、という感じなのかな。
新人選手としては、タイトルマッチの経験値と、
さくらさんのリングでの本気の試合が体験できるっていういい勉強になるんだろうなぁ。
技を繰り出す方が思い切って出せるのは重要。
それは受け手の強さが必要でさくらさんは適任…って言い方もおかしいけど、
さくらさんの指導者としての頼もしさ、レスラーとしての強さのあらわれだよなぁ。
正直、杏ちゃむさんのキックやチョップすら見ているのが不安になるし、
ほぼほぼグラビアポーズでのアピールしかなくて、
試合として成立していたんだろうか?って。
フィニッシュもなんかあっさり終わってしまって消化不良だし。
にしても、そのさくらさんのフィニッシュの入り方がほぼアートで素晴らしすぎた。
結論としてはさくらえみ最高!ってことでお願いします。

○高梨将弘 vs バリヤンアッキ
やー、すごい。凄い試合だった。
大前提として高梨選手の試合構築能力の高さ故の名勝負だったんだろうけども、
それを差し引いても、バリヤンアッキ選手の身体能力の高さが映えた一戦でした。
ほぼほぼ反対コーナー前の相手に向かってのダイブが届くの凄い。
「空飛ぶインド人」のふたつ名は伊達じゃないなぁ。
タカタニックを逆に放とうとしたのは変な声が出た。
突如ガンプロに登場した謎のインド人が、
ファンにここまで愛されるいい選手になったのは凄いこと。
日本にいる間にもっと多くの人に見て欲しなぁ、バリヤンアッキ。
いつまで日本にいてくれるんだろうか。
なんかこういう素晴らしい試合を観た後は、そのずーっと先のこと、
いつかくるお別れのことを考えてさみしくなってしまうな。
気が早すぎるんだろうけども。

○志田光&新納刃 vs 帯広さやか&アントーニオ本多
帯ちゃん復帰戦。
たぶん帯ちゃんの試合を最後に見たのは、
新宿FACEでの帯広さやか&ディック東郷&新崎人生のタッグかなぁ。
帯広さやかという特異性の高いレスラー、
いうなればナチュラルな怪奇派レスラーであることは唯一無二な存在で。
それが一年以上もガトムから欠けていたのは実は大きな損失だったんじゃないか、と。
そういう観ているほうが心配になってくる存在感は改めて凄い。
ぼろぼろになりながらも「しだっ。しだっ」と、
対戦相手の名前をぶつぶつと呼び続けていたのがぐっときました。
おかえり、帯ちゃん。
アントンのごんぎつねは今回はロッキー。雌鶏アン。
志田さんはやっぱりかっこいいなー。
NOAHの丸藤選手から膝蹴りを継承したんでしたっけか。
かなりエグめのやつを帯ちゃんに蹴り込んでいてよかったです。

○駿河メイ vs 瑞希
めっちゃ楽しみにしていたこの試合。
結果として、今大会の超個人的ベストバウト。
メイちゃんの天真爛漫さを隠れ蓑にした強心臓が随所に発揮されていましたね。
みずぴょんすのラビット部分を小馬鹿にしたような「ぴょん!」を繰り返し、
相手をイラつかせるムーブの素晴らしさ。
入場から試合中、試合後の隙あらばぴょん!と、
徹底されているのが非常によかったです。
もちろんそれだけじゃなくて、
休みなく動き続ける機動力を活かして、
純度の高いさくらえみのプロレスをフルに出し続けていたのが非常によかった。
そして基本的に巻き込まれ体質のみずぴょんすが凶暴性を露わにして、
エグめに蹴り込み、締め上げて行ったのがぐっときました。さいこう。
試合終盤でのメイちゃんのプロペラクラッチはめっちゃ危なかった!
そしてアクアマリン的な抑え込みも出してきて、
メイちゃん、こんなことも出来るの?という驚きとともに、
みずぴょんすが負けるかも…という恐怖心もあり、
どうなるドナルドどっきどきな一戦でした。
やっぱり師匠が共通しているので手が合うし、
キューティースペシャルを出さないといけないぐらい追い込まれていた状況から、
いままでみたみずぴょんすのシングルでトップクラスにおもしろかったです。
怒ってる黒みずぴょんす本当に好き…
メイちゃんありがとうございますという感謝の気持ち。
当然、最後にボコられていたけども!

○里歩&真琴 vs 水森由菜&沙紀
水森由菜はベビーフェイスなのかヒールなのか問題。
過去にゆなもんと美鶴さんがタッグを組んで練習をしていたにも関わらず、
突然、正パートナーとして沙紀さんを選択。
「せっかく連携の練習もしたのに!(全然できなかったけど)」
と美鶴さんがめっちゃ憤慨したことがあって。
その結果としてトロピカワイルドが結成されて、
挑戦者決定リーグでその因縁の美鶴さん(りほつるチーム)を破り、
ベルト挑戦で見事に一発で結果を出したわけだけれども、
その美鶴さんをナチュラルに裏切った(本人自覚なし)わけで。
や、、ね?その流れはちょっと面白くて好きだけど、
ナチュラルに裏切ったのがあってなーんかヒールだなー、って思ってます。
しかもおれたちの紺乃美鶴さんを!だ!ふんす!
でもしかしチャンピオンなのは伊達じゃないわけで。
タッグ戦でパートナーのカットが入るとはいえ、
蒼魔刀を何度も避け、食らい、ニアフォールで返し、
里歩さまをかなりのところまで追い込んでいたのは脅威だった。
武者返しが決まっていたらわからなかったのかも?
スーパーガールもめっちゃビビった。
忘れてた!ってなった。
にしても、エース越えはまだ早い!っていうことなんでしょうか。
いつも余裕で試合をしているように見える里歩さまが、
完全にグロッキー状態になるまでになったんだもんなぁ。すごいな。

やー、非常に楽しかった。
全試合が全部好きな試合だった。
いい大会だなー。ガトムのクオリティの高さよ。
これで里歩さまがシングル2本、タッグ1本の三冠。
すげーな。
イッテンヨンで東女のPOPタッグ戦が待ち構えているので、
一気に四冠の可能性がある、ってことか。
ここまで来たら獲れるものは全部獲ってほしい。
というかイッテンヨンは中島里歩組を応援するので、
絶対に獲って欲しい気持ちでいっぱいです。

話を戻して、アジアタッグのベルトだけれども、
次はメイ社長あたりがいくのかなー。
ゆなもんの次はメイちゃんだよね、きっと。
シングルはゆなもんがチャレンジしそうな気がしています。
ゆなもんはタッグ王座を獲ってひとつステップはあがったので、
次はシングルの戴冠…だけど、
いつぞやのさくらさんとの3WC戦はイマイチだったんだよなー。
どうなるんだろうか。
ガトムは行く頻度をあげたいけど、
市ヶ谷の大会が平日がなくなっているので行きづらいです。
何卒、よろしくお願いいたします。

誰だって呼べる

2018/12/9
よしむらプロレス「よしむらプロレス第2戦」

○鶴巻伸洋 vs 室田渓人
鶴巻選手の印象はどうしてもマーズスペクターになってしまうのだけれども、
マーズスペクターの隙がなくて無敵な感じを鶴巻選手にももちろんあって、
あ、この人、本当に強いわ…っていうオーラが好き。
室田くんの武骨で、不器用なスタイルと、
鶴巻選手のストロングな部分が合致して面白い試合だった。
室田くんはまだまだ未熟な故にどんどこ向かって行くのが気持ちがいいです。
器用さは身に着けるにこしたことはないけれども、
それでも不器用に強くなっていって欲しい。

○大谷譲二 vs マスクドミステリー
大谷選手、まさかの下北沢でのミステリー越え!えー!?
ガッツワールドから続く大谷~ミステリーラインは、
意外というかなんというか、あまりふたりが交わることがなかったらしく、
GOING-UPを飛び越えてよしむらプロレスでシングルが実現してしまった奇跡よ。
師弟?対決にふさわしいバチバチしたしばきあいが胸熱でした。
大谷選手は上背はないけど、ヘビー級に遜色ない戦い方だし、
スライディングDを継承しているのでそれをずばっと出してきて、
本当にいい試合だった…
惜しむらくはマットプロレス故にチョークスラムが出しづらかった部分かな。
狭さと、床の硬さと…

○がばいじいちゃん vs くいしんぼう仮面
がばいじいちゃんは初見です!
ずーっと観てみたかったのでうれしい!
うれしい、というか初見がマットプロレスってヤバい!
入場から試合までも想像以上のおもしろさだったし、
まさかARENAのカウンターで拝み渡りをするなんて!という驚きもあり、
杖を奪われた後の電光石火のシャイニングウィザードも観られたし、
もう最高におなかいっぱいでした。
あんだけ徹底されているレスラーも素晴らしさしかない。
やー、いいもんみたな!

○ブランコ vs 田馬場貴裕
ブランコ選手、デビュー2戦目にしてMMAに挑戦!
すごい話題性ある一戦!
急遽告げられた2分のラウンド制、
そしてドントムーブルールは初めて知りました(無知)。
事前の舌戦で叩き割ると宣言していた田馬場選手ですが、
蹴り込んでもタコ殴りにしてもブランコはなんせ硬い!
大いに苦戦していました。
デビュー戦では場内狭しと暴れていたブランコ選手も、
この試合はグラウンドの攻防も多くて苦戦していたように見えましたが、
一瞬の隙をついてのギロチンチョークは見事。
ブランコ選手のポテンシャルを存分に見せつけられる試合。
田馬場選手も見事でしたが、予想よりも一方的だったのでは?

○ブランコ vs くいしんぼう仮面 vs 大谷譲二 vs マスクドミステリー vs 田馬場貴裕 vs 鶴巻伸洋 vs 室田渓人
恒例のボーナストラック的全員参加のバトルロイヤル。
この中で一番強い選手をみんなで協力して倒す!というのがバトルロイヤルの鉄則。
ご多分に漏れずまっさきに狙われる鶴巻選手。
そこで1対5の構図から、
「いじめよくない!」と室田くんが役者であることを活かした流れはよかった。
やっぱりキーはブランコ選手で前の試合での田馬場選手との因縁が収まらず、
場内を暴れまわりつつ、体力の温存を図ったのはいい作戦。
ミステリーさん越えを果たした譲二選手を絞め落とし、
立て続けにくいさんを叩きつけるブランコ無双。
下北沢最強やで、ブランコ…

よしむらプロレスの強みはマッチメイクの自由度と、
マスクドミステリー選手、室田渓人選手の両名が、
代表のよしむらさんと下北沢に縁がある関係で、
GOING-UP勢のサポートが受けやすく(?)軸が一本あること。
客層が純度の高いプロレスファンのみならず、
役者関係の人脈も含まれていることから来るリアクションの新鮮さ。
そして(お客様が)プロレスに観戦、参戦するハードルの低さ。
実際にお子様でも安心して楽しめる空間と試合がある部分。
そういうものが雑多となって存在しているおもしろさなどなどありますが、
単純に、
プロレスファンが「こういう試合をみたいなー」という夢みたいなものを、
叶えられる環境にあった幸運みたいなものを感じています。
もちろんくいしんぼう仮面選手の力が大きいのは間違いないのだけれども。
今回も大成功に終わったよしむらプロレスでした。めでたしめでたし。

大怪獣と大天使

2018/12/1
東京女子プロレス「東京女子プロレス5th anniversary~五歳の東京女子プロレス~」

○原宿ぽむ vs 猫はるな
デビュー間もない新人同士でシングルを組まれるのってここ最近ではなかった記憶。
アプガプはタッグでの試合だったし。
つまりは勝ったほうがシングル初勝利。なんか抜擢度が高い?
で、
パッと見はキャラ先行型の二人の試合なので、
もっとだらだらとかぐだぐだとかしてもおかしくなかったんだけども、
わりと締まったいい試合でした。
原宿さんの原宿感と猫さんの猫感が存分に発揮されていたのがよかった。
原宿感ってなんて言っていいのかわからないけども。
猫さんの爪でひっかくのとてもよい。
猫さんのフィニッシャーはネックブリーカーでいいのかな。
そのうち猫じゃらし的なもので操られるんだろうな。またたびとか。
原宿さんのフィニッシャーの踏み付け式ギロチンドロップは、
シャイニングウィザードやスコーピオライジング並の高級フィニッシュなので、
大事に磨き上げて欲しい気持ち。
あと最高にかっこいい技名をつけてあげて欲しい。センスに期待。
このふたりは同期であると同時にわりと絆も深そうなので、
今後も試合でマッチアップが増えるし、タッグを組むこともあるだろうし、
実力差もそんなにないと思うし、
その関係性も楽しみにして応援していきたい。
とりあえず原宿さんの初勝利はめっちゃ嬉しい。

○ハイパーミサヲ vs ヒナノ vs 愛野ユキ
戦隊ものやライダーものでよくあるのが歴代ヒーロー勢揃い!だもんで、
パミさんが「ヒーロー軍を結成したい!」の流れから、
ヒナノさんとユキちゃーんはヒーローになった過去がある!
っていう伏線を大回収したのが気持ちよすぎた。
ユキちゃーんが卒業する人からセントーンを継承しているのが、
いまのフィニッシャーであるサイドスープレックスがそこまで自然じゃないのでいいと思いました。
奥の手感でるし。
プロレス的にそんなに出来るわけではない二人を相手にここまで試合を作って
(試合の内容はどうあれ)、
ちゃんと最初から最後までおもしろい試合になったハイパーミサヲさんマジ文豪。
そういえば大昔に黄色のヒーローもいたよね?

○まなせゆうな&上福ゆき&ベーダ・スコット vs ラク&ヒカリ&ミウ
ベーダさんのメガネキャラに乗っかって、
三人がメガネ着用で入場してきたのは素晴らしさあった。
そういう個々のキャラを大事にして、乗っかるところには乗っかるの好き。
まなせかみーゆ組って活かし方によってはだいぶ派手にいい方向に行く気がしてる。
加えてベーダさんが謎の被り物持参だったのがなんかすごかった。
あんなかんじなんだろうか、いま…
アプガプはこの三人はキャラが立ってきて、組むと賑々しくてよかった。
トレイン攻撃もラクさんのMAXときがあるしプレーンチョップも打ち放題だし、
ミウさんの「かっとばしていくぞー!」から2安打のマルチヒットだったのもよかった。
ヒカリさんが一つ抜けていると思ったけど、
いい意味でそうでもない印象になったのはよい感じ。
そしてまなせさんがいると安心感がすごい。
教育係だけじゃなくて、もっとかき回して欲しいなぁ。
あと虹をくぐりたい。

○才木玲佳 vs 白川未奈
白川さんが東女に参戦したタイミングと、
新人が次々とデビューしたタイミングが近すぎて、
やっぱり新人を応援したほうがおもしろいよね、ってなってしまっている。
芸能人の接待を観せられてもぐっとはこないの。接待かどうかはわからないけど。
れいたんはちょっと格下相手だと思うとおりに行かないのかなんなのか、
舌打ちするのが気になるんだよなぁ。クセなんだろうか。
ジャックハマーを撃ったのは意外でした。
白川さんはよく受けられたねぇ。
れいたんの強さが突出しすぎていていまのストーリーがもったいない。
かといってマリカさん復帰即タッグ挑戦は難しいよなぁ。

○赤井沙希 vs YUMI
YUMIさんデビュー戦。JC。1.74メートル。
原宿猫がキャラ先行だとしたら(実力もあるけど)、
YUMIさんは正統派の印象。
受け身がしっかりとれていたので、過去に何かやっていたのかしら。
赤井さんは距離を取って蹴りを撃つ、
もしくは長い手足を活かしての絞め技のふたつのタイプなので、
レスリング的な技術が必要な試合だとどうなるんだろう?って期待感。
いまはそういうことより、
がむしゃらに相手に向かって行く気持ちが全面に出ていたのがみていて気持ちがよかったです。
練習生時代には気が強そうには見えなかったんだけど、
試合だと負けん気がみられたので、スイッチが入るタイプなのかな。
デビュー戦が赤井さんってのは期待値高そうだし、
これまた意外といないキャラだと思うのでじっとりと見守りたいです。

○優宇 vs 天満のどか
ゆさんについてはなんかもうアレで言うことは特にないんだけど、
東女じゃなかったんだろうな、って感じなのかしら。
いろいろしかたない。
激突度の高い試合だったけど、
ふたりともスタミナが切れた感じがしなかったのはよかったです。

○伊藤麻希&中島翔子&里歩 vs 山下実優&坂崎ユカ&瑞希
○伊藤麻希 vs 山下実優
○山下実優 vs 伊藤麻希
○中島翔子 vs 坂崎ユカ
里歩さまが東女のリングに存在しているだけで興奮する自分がいます。ヤバい。
しかも翔子さんと組むだなんて夢のよう。
まさか前哨戦に出てくれるとは思ってもなかったし、
しかもPOP戦の前哨戦も含まれるので、山下さんとのマッチアップが見られたのも嬉しい。
いずれこのふたりの対戦もあるんだろうか。もう定期参戦したらいいのにな。
東女はチャレンジャーチームに応援が集まる、っていうのが特徴のひとつな気がして、
今回だってPOPは伊藤ちゃんのストーリーだし、タッグは翔子さんのストーリーだし。
ただタッグはマジラビとみらクりの話でもあるのが上手くできていて、
翔子さんとユカっちのストーリーでもある。
そこでこの試合の主題なんだけど、序盤はシングルの前哨戦の雰囲気。
実際にまず伊藤ちゃんさんが山下さんからみっつ取ったのは驚きがあった。
あのフォールの形って、みずぴょんすのアクアマリンでの最後の足での押さえ込みに見えて、
伊藤リスペクト軍団だ!って胸が熱くなった。
2本目は山下さんが蹴りで圧倒したので印象としてはあっさり。
1本目と2本目が逆の結果だったほうがなかなか熱い展開になったのか…と思ったけど、
先手を獲られて慌てて2本目で圧倒した、って感じだったのか。ふむ。
残りの3分の1がタッグの前哨戦。
里歩~瑞希は合わせ鏡のようなふたりなんだけど、
中島~坂崎っていうのはタイプが異なる二人だと思っています。
静と動。攻と守。盾と矛。
今回はどうしても里歩さまの顔見せというか、まだ微調整が必要な試合ではあったけど、
本番ではみらクりのふたりが中心であって欲しい。
やっぱり意識し合う二人が二組いて、そこが噛みあって進められる試合はおもしろいったらない。
翔子さんの言う、プロレスが楽しいっていうのが伝わってくる一戦だったし、
2対2の試合になって試合の純度があがるとどうなっちゃうの?って期待感。
今回は誤爆でおわったけど、実際のあそこでマジラビが放とうとした技とは?って。
あの連携も精度もあげてくるだろうし、
里歩翔子組のダブルのノーザンライトやトペと619、
里歩さまの死角からの蒼魔刀に心臓が飛び出そうになって、
ユカっちのコーナーからのコンプリートショットも変な声が出たし、
翔子さんのセントーンも久しぶりに見た。
なんか大事件な前哨戦だった。
前哨戦はまだあるのかな。
これ、本番は心臓は止まっちゃうんじゃないかな…

よく考えたらイッテンヨンまであと一か月。
タイトルマッチふたつと才木里村戦以外が全く動きがない。
美威死鬼軍が存在していないので、カードが一枚少ないんだよなー。
選手も増えたので6人タッグや3wayタッグ、バトルロイヤルとかもありそう。
アプガプだけの試合もおもしろくないのでバラけさせてほしいし、
新人組が試合を作れるのか?たぶんまなせさんあたりとタッグ?とか。
マリカさんの復帰の挨拶があったけど、
リカさまはなかったので、がっかりはしましたがこればっかりはしかたがない。
そして原宿さん、推し増し問題よ…