2019/3/30
東京女子プロレス「スプリングツアー’19~READY SET, GO!~」
○上福ゆき&白川未奈&らく vs 桐生真弥&YUMI&うなぎひまわり
かみーゆのいいところのヒトツは、
個々の選手のパーソナリティをさらっと引き出せることだと思ってて。
どういうことかというと、
新人である桐生選手はデビューしたてなのでどういう人となりなのかはまだわからなくて、
でも、それを謎に話しかけることによって情報を引き出す…という感じ。
ふたりが東洋大の同期って情報だけでもすごい破壊力だし、
東洋大の人は変わり者が多いイメージなので、
桐生さんへの(変わり者としての)期待値がぐーんとあがりました。
そして残念美女呼ばわりされて自らダメージを受けるかみーゆさん。いいと思います。
なかなかのキャリアの浅いメンツではあるけども、
この試合を引っ張っていったのがかみーゆってのがまたすごい。
一気に成長が来てる。
白川さんはちょっとミスが目立ち始めて、
相手が出来る相手だと光るけど、自分では光れないのがまだなのかなー、と。
YUMI選手は正統派にゆっくり育っていって強くなって欲しいです。
○辰巳リカ vs 猫はるな&原宿ぽむ
やー、リカさまのロックな部分が垣間見れる試合で最高でした。
ふたりまとめて相手をすると思いきや、タッグマッチだと主張してレフリーにキレ、
ぽむ氏のすね蹴りに「痛くない!」と受け続けつつも、
「痛いんだよ!」とキレる暴れん坊ドラゴン。
エアプレンスピンがここ最近のブームなのかしら。
ふたりまとめてのドラゴンスリーパーは痺れた…すき…ってなった。
猫ぽむのふたりは、完全にリカさまに振り回されていたので、
なんかひとつでも個性というか、無茶というか、
そういう爪痕を残せたらよかったな、と思いました。
ぽむ氏はフィニッシュ…というか、
ラフォーレ原宿とぽむどじゃすてぃすがどっちも決まらなくなって来てる。
そこのたどり着くまでの道筋を構築できるようになればいいのか。
もうひとつつなぎ技、ってことかしら。すね蹴りじゃなくて。
○中島翔子 vs ぴぴぴぴぴなの
ぴぴぴぴさんが引退を発表してのこの試合。
引退については…
普通は「さみしい」とか「残念」とかそういう気持ちになってあげるべきなんでしょうけど、
どうしても納得というか、
誰かに怪我をさせる前に辞めてくれてよかったという気持ちが強い。残念だけど。
アプガプ自体が「アイドルとプロレスの両立って無理なんじゃ?」っていう論争が常にあって、
いつぞやのタッグタイトルに主戦ふたりが挑んだあとにユカっちが言った
「アイドルとプロレスを両立していて尊敬する!(意訳)」
っていうのはあくまでもそのふたりに言ったのであって、
らくさんはここ最近の動きからプロレスラーとしてよくなって来ているけど、
ぴぴぴぴさんについてはその「尊敬する」とは別枠だとずーっとひっかかっていました。
コーナーに登ってのキックもロープをつかんでただ降りるだけのものだったし、
派手なことをやりたいんだろうけど、気持ちと実力がついてきていないという印象だし、
柔道やサンボがベースということだけども、そういうイメージもなかったし
(あったとしても背負い投げで相手を中途半端に頭から落としてて怖かった)。
結局この試合中の「プロレスは痛い」からの翔子さんの「やめちまえ!」っていうのが、
引退の理由が端的に表れていた部分だと思いました。
ああそうか。痛いの怖いからロープをつかんでのキックだったのね。と腑に落ちたりしました。
プロレスって痛いし、好きじゃないとできないし、プロレス脳が必要だし、で。
入場曲が演歌調ってのは画期的ではあったけどプロレス的にはどうなの?だし、
ジャッキー推しだったらやり切ればいいし、その酔拳だって中途半端だし、
結局、散々なりたかってであろうアイドルだって、
アイドルになれるのであればプロレスなんてどうにでもなる、っていう甘い考えがあって、
一度アイドル出来たからもう満足しちゃったんだろうな。思い出づくりが出来てよかったね、と。
なんか東女らしいレスラーというか、画期的ではありました。
ごめんやで、ぴぴぴぴさん。
いろいろ苦言を呈したくなるのがオタクの悪いクセやで、ほんま。
○万喜なつみ&乃蒼ヒカリ vs 伊藤麻希&瑞希
タッグ屋さんの瑞希さんの伊藤リスペクト軍団でのお仕事。
マジラビとは違った賑々しさがあってみていて楽しい。
ここ最近の伊藤ちゃんさんはキャリアが下の選手と組むことが多かったりで、
指示を出したりするのが目立ったけど、
リスペクト軍団は並列で、自分から動けるみずぴょんすなので、
どうものびのびとしていた印象でした。いいと思います!
ただ元々実力のある万喜さんと、
ここ最近、雰囲気が出てきた乃蒼さんのタッグもチームとして成熟してきて、
動きとしては非常にスタイリッシュになって来てるのが脅威…
と思っていたらタッグタイトルに挑戦表明。
足し算で言ったらマジラビのほうが大きいけど、
万喜さんになんらかの旨味を与えるタイミングっぽいのと、
同じくアプガプになんらかの成果を与えたいタイミングが一致しているのが怖い。
ちょっと嫌な相手が来ちゃったな…
○沙希様&操 vs 渡辺未詩&まなせゆうな
沙希様とまなせさんの高身長レスラー同士の蹴り合いに見応えがありました。
あれはすごい。
東女は何故か高身長レスラーが多いのが面白い。
美威死鬼軍のストーリーって今までどんなだったっけ?って思って、
初期はKANNAさんを教育するゆるふわ加減。
マーサちゃんとユキオサンを率いていた時はリカさま(どらぼん)と抗争。
あとはマリカ教育、アズクリ改造…と、
誰かしらの成長、変化を経ての成長ストーリーみたいなものがあったけど、
渡辺さんが続けて戦っているけど、
「雑草」呼ばわりから特にまだ進展はなし…
なにしろ渡辺さんが意思表示やらしてくれないと動かないだろうし。
操さんの目的というかゴールが見えないのがちょっと消化不良。
冒頭のまなせさんがクイーンオブUSAを持ち出して、
操さんが記憶を取り戻しそうになるところがぐっときました。
まなせさん!よくやった!という雰囲気に。
というか、記憶を失ってるんだっけ?自ら自制してギミックチェンジしたんじゃなくて?
とにかくどうなっちゃうんだろう、これ。
ちょっとセミにしてはテーマがなかったのが残念。
○坂崎ユカ&天満のどか&愛野ユキ vs 小橋マリカ&山下実優&才木玲佳
序盤の坂崎山下のマッチアップがいきなりの見応え。
超絶正統派なロックアップからはじまるグラウンドの闘いで、
東女でもこういうことがしっかりできるんだ!という技術の高さと、
逆にそういう驚きがあるってことはこのふたりにしかできない闘いでもある、という。
ユカっちは初期メンではないけど、ほぼ立ち上げからに近い選手だし、
山下さんはまぎれもないエースだし、
こういうところでキャリアって出てくるのね、と感心しきり。美しい物語だな。
だからこそ博多じゃなくて後楽園で観たかった試合だなぁ、という気持ちも再び強く。
才木のれいたんはなんだか久しぶり。
W-1に正式所属になってなかなか参戦が難しいのかもだけど、
プロレスに一本筋が通るというか、背筋が伸びるというか、
東女に不可欠な選手だよなぁ、と改めて思いました。
しかし今後のストーリーどうするんだろう。
わざわざ東女側が用意してあげなくても、
例えば前回の里村戦のような舞台はW-1が用意してくれているし…
シングルのタイトルマッチに挑んで、そして卒業ってことはないわよね、れいたん。