月別アーカイブ: 2019年3月

新元号代理戦争

2019/3/31
誰でも女子プロレス「EXTRA5」

稲田堤でのダレジョ。リングの大会。
大会前にさくらさんが
「リングで試合をするとどうなるか?よりプロレスっぽくみえる」
と言っていて、
普段はリングではない市ヶ谷で練習しているのだけれど、
週一で稲田堤でのクラスもあるので、
本当に遜色なくリングでの試合が行われていて凄い。
さくらさんの言っていた通りだ!ってなるけど、
選手のみなさまの技量がちゃんとしているので冷静に凄い。
試合はノーツイートだった元号決定戦が最高だった。
「鈴木」vs「HARASHIMA」の代理戦争。
次の元号は「鈴木」か…忙しくなるな、、
選手のみなさなはプロのレスラーではないとはいえ、
何度も試合を観ているともうダレジョはヒトツの団体だし、
愛着というか、個々に興味も沸いてくるので、
既に普通の団体を観に行く感覚になっているのが面白いです。
またいきたい。

「やめちまえ」っていう本音

2019/3/30
東京女子プロレス「スプリングツアー’19~READY SET, GO!~」

○上福ゆき&白川未奈&らく vs 桐生真弥&YUMI&うなぎひまわり
かみーゆのいいところのヒトツは、
個々の選手のパーソナリティをさらっと引き出せることだと思ってて。
どういうことかというと、
新人である桐生選手はデビューしたてなのでどういう人となりなのかはまだわからなくて、
でも、それを謎に話しかけることによって情報を引き出す…という感じ。
ふたりが東洋大の同期って情報だけでもすごい破壊力だし、
東洋大の人は変わり者が多いイメージなので、
桐生さんへの(変わり者としての)期待値がぐーんとあがりました。
そして残念美女呼ばわりされて自らダメージを受けるかみーゆさん。いいと思います。
なかなかのキャリアの浅いメンツではあるけども、
この試合を引っ張っていったのがかみーゆってのがまたすごい。
一気に成長が来てる。
白川さんはちょっとミスが目立ち始めて、
相手が出来る相手だと光るけど、自分では光れないのがまだなのかなー、と。
YUMI選手は正統派にゆっくり育っていって強くなって欲しいです。

○辰巳リカ vs 猫はるな&原宿ぽむ
やー、リカさまのロックな部分が垣間見れる試合で最高でした。
ふたりまとめて相手をすると思いきや、タッグマッチだと主張してレフリーにキレ、
ぽむ氏のすね蹴りに「痛くない!」と受け続けつつも、
「痛いんだよ!」とキレる暴れん坊ドラゴン。
エアプレンスピンがここ最近のブームなのかしら。
ふたりまとめてのドラゴンスリーパーは痺れた…すき…ってなった。
猫ぽむのふたりは、完全にリカさまに振り回されていたので、
なんかひとつでも個性というか、無茶というか、
そういう爪痕を残せたらよかったな、と思いました。
ぽむ氏はフィニッシュ…というか、
ラフォーレ原宿とぽむどじゃすてぃすがどっちも決まらなくなって来てる。
そこのたどり着くまでの道筋を構築できるようになればいいのか。
もうひとつつなぎ技、ってことかしら。すね蹴りじゃなくて。

○中島翔子 vs ぴぴぴぴぴなの
ぴぴぴぴさんが引退を発表してのこの試合。
引退については…
普通は「さみしい」とか「残念」とかそういう気持ちになってあげるべきなんでしょうけど、
どうしても納得というか、
誰かに怪我をさせる前に辞めてくれてよかったという気持ちが強い。残念だけど。
アプガプ自体が「アイドルとプロレスの両立って無理なんじゃ?」っていう論争が常にあって、
いつぞやのタッグタイトルに主戦ふたりが挑んだあとにユカっちが言った
「アイドルとプロレスを両立していて尊敬する!(意訳)」
っていうのはあくまでもそのふたりに言ったのであって、
らくさんはここ最近の動きからプロレスラーとしてよくなって来ているけど、
ぴぴぴぴさんについてはその「尊敬する」とは別枠だとずーっとひっかかっていました。
コーナーに登ってのキックもロープをつかんでただ降りるだけのものだったし、
派手なことをやりたいんだろうけど、気持ちと実力がついてきていないという印象だし、
柔道やサンボがベースということだけども、そういうイメージもなかったし
(あったとしても背負い投げで相手を中途半端に頭から落としてて怖かった)。
結局この試合中の「プロレスは痛い」からの翔子さんの「やめちまえ!」っていうのが、
引退の理由が端的に表れていた部分だと思いました。
ああそうか。痛いの怖いからロープをつかんでのキックだったのね。と腑に落ちたりしました。
プロレスって痛いし、好きじゃないとできないし、プロレス脳が必要だし、で。
入場曲が演歌調ってのは画期的ではあったけどプロレス的にはどうなの?だし、
ジャッキー推しだったらやり切ればいいし、その酔拳だって中途半端だし、
結局、散々なりたかってであろうアイドルだって、
アイドルになれるのであればプロレスなんてどうにでもなる、っていう甘い考えがあって、
一度アイドル出来たからもう満足しちゃったんだろうな。思い出づくりが出来てよかったね、と。
なんか東女らしいレスラーというか、画期的ではありました。
ごめんやで、ぴぴぴぴさん。
いろいろ苦言を呈したくなるのがオタクの悪いクセやで、ほんま。

○万喜なつみ&乃蒼ヒカリ vs 伊藤麻希&瑞希
タッグ屋さんの瑞希さんの伊藤リスペクト軍団でのお仕事。
マジラビとは違った賑々しさがあってみていて楽しい。
ここ最近の伊藤ちゃんさんはキャリアが下の選手と組むことが多かったりで、
指示を出したりするのが目立ったけど、
リスペクト軍団は並列で、自分から動けるみずぴょんすなので、
どうものびのびとしていた印象でした。いいと思います!
ただ元々実力のある万喜さんと、
ここ最近、雰囲気が出てきた乃蒼さんのタッグもチームとして成熟してきて、
動きとしては非常にスタイリッシュになって来てるのが脅威…
と思っていたらタッグタイトルに挑戦表明。
足し算で言ったらマジラビのほうが大きいけど、
万喜さんになんらかの旨味を与えるタイミングっぽいのと、
同じくアプガプになんらかの成果を与えたいタイミングが一致しているのが怖い。
ちょっと嫌な相手が来ちゃったな…

○沙希様&操 vs 渡辺未詩&まなせゆうな
沙希様とまなせさんの高身長レスラー同士の蹴り合いに見応えがありました。
あれはすごい。
東女は何故か高身長レスラーが多いのが面白い。
美威死鬼軍のストーリーって今までどんなだったっけ?って思って、
初期はKANNAさんを教育するゆるふわ加減。
マーサちゃんとユキオサンを率いていた時はリカさま(どらぼん)と抗争。
あとはマリカ教育、アズクリ改造…と、
誰かしらの成長、変化を経ての成長ストーリーみたいなものがあったけど、
渡辺さんが続けて戦っているけど、
「雑草」呼ばわりから特にまだ進展はなし…
なにしろ渡辺さんが意思表示やらしてくれないと動かないだろうし。
操さんの目的というかゴールが見えないのがちょっと消化不良。
冒頭のまなせさんがクイーンオブUSAを持ち出して、
操さんが記憶を取り戻しそうになるところがぐっときました。
まなせさん!よくやった!という雰囲気に。
というか、記憶を失ってるんだっけ?自ら自制してギミックチェンジしたんじゃなくて?
とにかくどうなっちゃうんだろう、これ。
ちょっとセミにしてはテーマがなかったのが残念。

○坂崎ユカ&天満のどか&愛野ユキ vs 小橋マリカ&山下実優&才木玲佳
序盤の坂崎山下のマッチアップがいきなりの見応え。
超絶正統派なロックアップからはじまるグラウンドの闘いで、
東女でもこういうことがしっかりできるんだ!という技術の高さと、
逆にそういう驚きがあるってことはこのふたりにしかできない闘いでもある、という。
ユカっちは初期メンではないけど、ほぼ立ち上げからに近い選手だし、
山下さんはまぎれもないエースだし、
こういうところでキャリアって出てくるのね、と感心しきり。美しい物語だな。
だからこそ博多じゃなくて後楽園で観たかった試合だなぁ、という気持ちも再び強く。
才木のれいたんはなんだか久しぶり。
W-1に正式所属になってなかなか参戦が難しいのかもだけど、
プロレスに一本筋が通るというか、背筋が伸びるというか、
東女に不可欠な選手だよなぁ、と改めて思いました。
しかし今後のストーリーどうするんだろう。
わざわざ東女側が用意してあげなくても、
例えば前回の里村戦のような舞台はW-1が用意してくれているし…
シングルのタイトルマッチに挑んで、そして卒業ってことはないわよね、れいたん。

魂の16連射

2019/3/27
ギャラリープロレス「レスラーズグラフィカ2019 DAY3」

○アルティメットスパイダーJr. vs タコヤキーダー
まわり四方向を囲む形に設置されたマット。コーナーかわりに丸椅子。
これは狭い(嬉)。
気張って予約を入れたら整理番号1番とかでちょっと申し訳なさ…
くいしんぼう仮面選手が負傷欠場のため、
前説はタコスパのおふたり。
音響の関係で手拍子なしのシュールなタコスパダンス。
そしていつものお客さんエスケープの伏線を張りつつ、
最後の声出しにからんで、喧嘩。
仲裁に現れる政宗さん。
何故か豊島屋の箱を土俵にしての指相撲開始。
当然のように決着がつかず。そして試合。いい流れ。
タッグパートナーのおふたりなので、当然のように手が合う。
狭いリング内を時にははみ出し、客席に突入し、
お客さんエスケープを撮影優先のために拒否され、
マットといえども、薄すぎてほぼコンクリートへのボディスラム。
ドロップキックも打ったほうの着地で激痛。
これぞマットプロレス!
ど平日のあんな時間に観戦をするお客さんもそりゃプロなので、
場内の雰囲気も最高でした。
あれ?ギャラプロなのにまともにプロレスしているよ…?

○政宗 vs CHANGO vs がばいじーちゃん
去年のギャラプロで「喋らせたらおもしろい」と見つかってしまったCHANGOさん。
もうすっかりそういうキャラになってしまった感。いいと思います。
じいちゃんが相変わらずの御老体に鞭打つ動きに加えて、
多少のキラーモードで面白かったです。
じいちゃんはハイビスカスみぃ選手と真琴さんがお好みの御様子。
まだまだお盛ん。
そしてこの3人の巧者ぶりが随所に目立った試合。
政宗さんのレアなマットプロレスの試合が目撃できてうれしい限り。

○がばいじーちゃん vs 政宗 vs CHANGO vs アルティメットスパイダーJr. vs タコヤキーダー vs 政しんぼう仮面 vs スパしんぼう仮面 vs タコしんぼう仮面 vs CHANしんぼう仮面
元々この日はくいしんぼう仮面選手の出場予定日だったんだけど、
直近の新木場での試合で無念の骨折。
そのため、くいさんは欠場でした。
で、このバトルロイヤルも出場選手は未定。
誰が来るかな…という状態での試合開始。
ただでさえめちゃ狭なマットに3人以上集まったらもうぐちゃぐちゃで、
試合にならないんじゃないか…と心配していたら、
開始早々にスパイダー選手が敗退。
え?早すぎない?なんにもしてなくない?もったいない使い方…
と思っていたら同様に政宗選手も敗退。
え?早すぎない?なんにもしてなくない?もったいない使い方…
と順次結構なハイペースで敗退していってなんとも淡泊な試合だなぁ。
そう思っていたらくいしんぼう仮面が3人入ってきた。
さんにんて!さんにんって!?
ということでくいしんぼう仮面の魂が降臨。
もう祝祭感が凄い。これは凄い。神事かな?
さらに早々に敗退した政宗選手がまさかの宴会用マスクを装着して登場。
いいもんみた感が凄い。これは凄い。
もちろんお約束のバービックムーブも堪能できたし、
決着もくいさんが怪我をしたシチュエーション(コーナーから場外に向けての無駄ダイブ)を再現して、
何故今日に限ってマットにコーナーが用意されていたのか?の伏線がずばっと回収された美しさ。
くいさんの魂がちゃんと会場まで届いていたのは嬉しい気持ちに。
怪我は残念ではあるけど、
文字通り、怪我の功名と言えるこの一戦でした。

レスグラ/ギャラプロはなんでか知らないけど、
雰囲気含めすごい好きな空間で、
学祭みたいな儚さのようなものがある。
今年のギャラプロは日程的に一日しかこれなかったけど、
マジラビと爆れつシスターズのサイン会や、
メイリッシュでの東女コラボも含めてすごい楽しめました。
また来年なのがさみしい…でも、また来年を楽しみにしてさようなら。

Who is NEXT?

2019/3/23
誰でも女子プロレス「EXTRA4」

ダレジョ4回目の開催。
ついに6試合も組まれる展開に。すごいな。
ガトムからメイちゃんと美鶴さん、信州から杏ちゃむさんのプロが3名。
美鶴さんのスイッチが入る感じもガトムのときよりも落差が大きいので顕著だし、
メイちゃんに至っては2試合。どヒールだった。いいぞいいぞ。
見るたびに自分の中で各生徒さんの情報がリセットされるので、
試合が全部新鮮で面白くみえました。
プロレスってこういう作り方になっているんだ、っていう種明かし部分もあり、
その種明かしを知ることによって「プロレスってすげーな!」って感心が増す感じです。
試合一つ一つもばらばらで実力差もあるんだけれども、
その差があることによって見飽きないおもしろさがありました。
ちゃんとそれなりに出来る人たちによる見応えのある試合もあるし。
プロではない試合に対して、
見る側の気持ちも持ちようと試合に参加する気持ちがすーっと出るのが快感。
そして多少ですが、顔見知りの生徒さんも出来てファンミーティングに参加するのも楽しい。
結論としてはさくらえみすげーな、っていう着地点。
ここから本当にメイちゃんに続く選手デビューが待たれる感じだなぁ。
誰かずばーん!と決断しないかな。

Good Looking Sisters

2019/3/23
東京女子プロレス「スプリングツアー’19~READY SET, GO!~」

○乃蒼ヒカリ vs ぴぴぴぴぴなの
プロレスラーのフィジカル的な強い弱いに関係なく、
雰囲気としてのいいわるいがあって、
それを表現する単語に「色気」って言葉だと思っていて。
乃蒼さんにそのプロレスラーとしての色気を感じつつある今日この頃。
たぶん立ち振る舞いがそうさせるんだろうけど、
アプガプの中でも自分がトップを目指しているっていう自覚が芽生えてて、
そういうものを感じさせるレスラーになって来てるんだろうな、という印象。
その人のテンプレにハマらない幅の広さを感じつつあります。
いいレスラーになるぞ、乃蒼さん。
ぴぴぴぴさんはどうしたらいいかな。うーん。
なにごとも中途半端なんだよなぁ。
今日もペットボトルをどうしたかったの。

○中島翔子 vs 白川未奈 vs 原宿ぽむ
DDTグループ伝統芸能的3WAYマッチ。
ふたりが試合して、ひとりが割りこめないやつ。
ちょっとぽむ氏は蚊帳の外だったかなー。
白川さんはキャリアは浅いけど、プロレス愛があって、
自分のやってみたい理想のプロレス像が恐らく頭の中にあり、
それを目指すことで動きがプロレスになっている。
多少のミスのようなものはあったけど、
そこへの熟成度はもちろんこれから積み重なっていくんだろうけど、
好きが伝わって来ていいと思います。
ぽむ氏はプロレスが、というか東女が楽しいと感じてるとは思うんだけど、
好きとはまた違う感情なんじゃなかろうか。
プロレス自体に熱がないから理想の動きのイメージが薄くて、
それが今回の中島~白川の間に切り込めなかった要因かも…?わかんないけど。
それでもなんでもぽむ氏には魅力を感じていて、
世界観を煮詰めて強さにつながったらイイナ!と思います。
翔子さんは流石の巧さ。
3WAYを通じて若手をひっぱって試合を構築していたのは素晴らしさ。
決着の切りかえしは相手の足をがっちりつかんでフォールしていたので、
見た目ほど薄氷ではなかったと思います。余裕の勝利。

○山下実優&YUMI vs うなぎひまわり&桐生真弥
チャンプが新人たちを軽くいなした試合。
3人がわりとオーソドックスな試合をするレスラーなので、
なんとなーく難しさはあったのではなかろうか。
うな氏はテンプレがしっかり出来てきたのはいいけれど、
逆にテンプレがしっかり出来てしまったのでそれをどう崩すのか?に注目かしら。
基礎的な身体能力(運動神経)とレッグドロップの重みはあるので、
フィニッシャーまでに昇華できるのか?を観察したい気持ち。
まひろさんはちょっと気になっていて、
東女には珍しいタイプの真面目なオーソドックスさ。
まだ属性が見つかってないんだと思うので、
それが定まって方向性が決定するのを待つ感じ。
YUMIさんは若さ故にどんなものにもなりうるので、
なんかもっとぶっ壊れてもいい気がします。
性格も負けず嫌いで豪快そうだし。辞めないでくれ、と願うばかり。楽しみ。
正直なところ、東女の選手はわりとサイクルが早く辞めてしまう気がしてて、
YUMIさんは10年やっても24でしょ。それぐらいまで居続けて欲しい。

○万喜なつみ&天満のどか&猫はるな vs らく&辰巳リカ&小橋マリカ
これはもうリカさまご乱心によるおやすみエクスプレス大喜利に尽きる。
技が個人のものじゃなくて(まあもちろんらくさんの技だけど)、
団体内で共有されて、誰きっかけでどう発射されるか?が注目点ってなんか凄い。
そして辰巳リカさますきすきおじさんなので、
もうご乱心の流れが最高すぎて震えました。
なんかこう、山下選手やユカっち、才木玲佳選手等々の存在でなんとなーく薄れていた、
東京女子のアイドル性みたいなのが存分に抽出されていて、
こういうわちゃわちゃした華やかな試合こそが東女よね…という滋味深い試合でした。
よっしゃーいくぞー!からのばかちんがー!はその最たる美しい流れ。
でもさー、そういうアイドル性って本来はアプガプが醸し出していかないと駄目なんじゃないかね。
アプガプのアイドル性って陰と陽でいうとちょっと陰なんだよね。
難しいね、アイドル。
しかし万喜さんのフィニッシャーがちょっと崩れて、
わりと頭や首に来る技なのでひょえーってなるの怖い。

○操&沙希様 vs 渡辺未詩&愛野ユキ
操さんの東京初登場。
世を忍ぶ仮の姿であるミサヲ(仮)嬢の元々持っていた文豪属性があって、
それがハイパーミサヲというヒーローギミック、そしてコンテンツであったわけで、
それを捨てて、新たに美威死鬼軍に組み込まれ、操というストーリーへ転身。
いままでの喜劇を執筆していた文豪が悲劇を書いていくのか否か。
さらに「強さを求める」という目的は本当に美威死鬼軍という手段でいいのか?っていう。
じゃあ、目的を達成するための過程と成果物はなんなのか?が注目点でした。
が、特にストーリーが動くわけではなく顔見世程度。ふむ。
正直、初期美威死鬼軍には可愛げがあって、
かなりのゆるふわヒールだったんだけど、
いまの美威死鬼軍の流れはなんとなーく乗れないのよねぇ。
前章は滝川嬢のヒステリーさと性悪な部分が全面に伝わってきてイラっとしたけど、
今回は自ら望んで美威死鬼軍に取り込まれたわけなので、
ミサヲ(仮)嬢の本来の陰湿な部分が滲み出てくるんじゃないかと不安。
それってミサヲ(仮)嬢自身が苦しくなりやしませんかね。どうなんすかね。
でも、ヒールってそういうもんだよね。今後がたのしみ。期待しちゃう。

○坂崎ユカ&瑞希 vs 上福ゆき&まなせゆうな
問題作すぎた。
可能姉妹っていうタッグ名はまあ、置いといてw、
まなせさんは元々の実力者だけれども、
かみーゆのここ最近の成長というか、
自由になんでもやったるで!というチャレンジ精神が活きて来ていて、
マジラビも信頼度が高いけど、可能姉妹も親密度は高い。
加えて世界観の独特さよ。
グッドルッキングガイは試合までのやりとりで単語として挙がって来ていたけど、
まさか実際に登場するとは思ってもいなかった。
思ってもいなかったので、一瞬なにがあったのかわからなすぎて、
マジで謎の第三者が乱入してきて大事件だ!ってなって寒気がしました。
すげぇ…来ちゃったよ、グッドルッキングガイ。
かみーゆはデビューしてから本当に頑張っているのを人づてに聞いていたので、
タイトルマッチでわりとびしばしキックが決まり、
フェイマサーも入り、
技がどんどこ効果的に決まっていくのは嬉しい気持ちにはなりました。
本当にいい動きだった。
まなせさんの謎の覚醒もあって、完璧に可能姉妹の試合だった。
マジラビはマジ受難だったね。勝ってよかった。
序盤から中盤にかけてみずぴょんすが相手の技を受けて試合を構築していって、
スピードと連携を徐々にギアチェンジしていって、
最後はどちらかが決めるという流石の試合展開でした。
みずぴょんすのプロレスの実力の高さと、ユカっちの天才的なセンスのバランス。
本当に負けるイメージが沸かない。
どちらかの脚を削って制空権を奪って分断させる、とかかな。
となると誰、次。
伊藤&才木との決定戦からの、
爆れつシスターズ、アプガプ、ツインカムモンスター、マッスルJK、可能姉妹か。
リカさまが誰かと手を組んで…かな。みずぴょんす奪回作戦。

Quo vadis, domina?

2019/3/22
我闘雲舞「平成最後のガトム新木場 ~Gatoh-Move Japan Tour 416~」

○サワディー仮面&新納刃&チェリー vs 帯広さやか&アントーニオ本多&杏ちゃむ
杏ちゃむさんがよくなってた。
前にみたときはとにかくグラビアポーズで威嚇してるだけの印象で、
プロレス的にはこれからなんだろうな、って思ってましたが、
そのこれからが始まってちゃんとプロレスラーになっていた感じ。
帯ちゃんの多動的な動きは相変わらずで、
サワディーさんとのバックの取り合いは面白かったです。
刃さんはどこかお怪我をしているのかしら…出番が少なかったような。
アントンは相変わらずで、帯ちゃんとのタッグが嬉しいんだな、って微笑ましかったです。

○関根龍一&藤田ミノル vs アンドリュー&E.K.バギー
なんか海外勢の未熟な部分がはっきりと露呈してしまい、
それをミノニーが必死にカバーしてくれたようなお試合。
せっかくの戦闘民族のふたりの参戦だったのにちょっと残念。
関根R氏の「レッツ!」があってよかった。
もっとしつこくやってもよかったのにな、こうなってしまったら。
肉体的には鍛えるのは、簡単ではないけど、まあ簡単で(頑張ればいいやつ)、
プロレス的に鍛えるのは本当に難しいんだな。
持って生まれたセンスみたいなのが必要だろうし、
そういう動きって本当に練習の積みかさねでゴールがないやつだし。
そうおもうと藤田ミノル選手のプロレスレベルって相当高いんだな、と思いました。

○世志琥 vs 駿河メイ
やー、この試合好き。
世志琥先輩はどうしても例の事件の印象もあるんだけど、
DDT参戦時の「実は可愛いところがある」みたいな印象も持っていて。
試合自体もちゃんとした試合は初めて見るレベル。
メイちゃんの天真爛漫さにどれだけ対応できるのか?っていう前テーマ。
結果として、世志琥先輩のプロレス脳の高さというか、
適応能力と優しさと可愛げ、もちろんプロレス的な巧さが見えたという感想です。
ちゃんと自分の世界観を保ちつつ、メイちゃんの世界観にも踏み込んでた。
すごいわ。伊達じゃないわ。
メイちゃんはもうメイちゃんの世界観を持っていてすごいな!っていつも思うんだけど、
こういう選手が相手だと可愛いだけじゃ駄目で、
強さみたいなのが出てこないと駄目なのかしら…と思いつつ、
ガトムだからいいのかな?みたいな気持ちになったりならなかったりしました。
それでも終盤の一騎の畳み掛けは素晴らしかった。
いいよね、メイちゃん。

○高梨将弘&KUDO vs バリヤンアッキ&趙雲子龍
酒呑童子興行には諸般の事情によりいけないので、
休場前のKUDOさんを見ることが出来てうれしい限り。
実はDDTでの推しメンはKUDOさんなので。
高梨KUDO組はこれが最後…かな。
酒呑童子の連携が好きなので存分に目に焼き付けておきました。
四人が四人とも試合巧者なので見応えのあるいい試合。
連携に勝る酒呑童子が勝つ結果。
アッキは結局DDTのセレクションどうなったんだろう。結果待ち?

○さくらえみ vs 紺乃美鶴
美鶴さんのお母様へのカミングアウトマッチ。
レディリンのインタビューで「いつかやる」と言っていたのを心待ちにしてました。
歴史的な試合に立ち会えてよかったです。
ゴング前にお母様に向けて笑顔でVサインを掲げたのを見て、
「嗚呼、尊い…」って思ってしまってなんかヤバかった。
自分の育休期間もあり、美鶴さんの試合を拝見するのは久しぶりで、
その間に里歩さまの休場(&退団決定)もあって、
美鶴さんの「(我闘雲舞の)エース宣言」があったのを知り。
そんなわけで括目しました。
で、やー。かっこいい。
元々気迫を前面に出すタイプの選手でしたが、
それがさらにパワーアップした印象で、
且つ技の確実性があがっているというか、
攻撃力が増したというか。
「チャンピオンはつくれるけど、エースはつくれない」
って常々思っていましたが、
自覚をもってそれを目指していく気持ちさえあれば本当にエースになれるのでは?
と思える姿でした。素敵よ、美鶴さん。
しかしそれでも相手は流石のさくらえみ。
歯が立たないというか、レベルの違いというか、スケールの違いというか。
試合後のお母様へのマイクは美鶴さんの優しさにあふれるいいマイクでした。
カミングアウト的には試合内容で伝えた感じね。
予想よりエンタメ性が少なかったのは自分が期待しすぎだったのか。

○水森由菜&SAKI vs 里歩&真琴
里歩さま欠場明け一発目がタイトルマッチ。
そして我闘雲舞退団が発表されて即のタイトルマッチ。
これが意味するものはなにか?
団体として里歩さまをどうするのか?
っていうどうもひねくれた感情をもって見てしまった部分もあったけど…
もう一つはゆなもんの存在感といまの立ち位置。
若いキャリアで一度タッグのタイトルを獲って、獲られて、
そのまま他団体でシングル王座への挑戦もあり、
勢いは全然落ちずにむしろさらに増している存在。
SAKIさんとのトロピカワイルドタッグの熟成度。そこがポイント。
で、そのトロピカワイルドの熟成度がめちゃくちゃ上がってて、
お互いの信頼度が深まってた。
特にいままではSAKIさんが司令塔として動いていたのに、
ゆなもんが指令を待つまでもなくフォロー、前線として動いてた気が。
前回の敗戦時の印象は、
(悪く言えば)暴走気味のゆなもんをSAKIさんがフォローして軌道修正していたものを、
今回は修正の必要がなくまっすぐに進むゆなもんが存在していて、
ゆなもんの狂気が取れてた(これもいいかわるいかは置いといて、だけども…)。
となればSAKIさんはフォローだけの役回りじゃなくなるのがいい熟成。
が、しかし。
里歩さまも真琴さんも伊達じゃないので、
並び立つマタドーラのように華麗にいなし、豪快に蹴りこみ、叩きつけていて、
例えばタッグマッチが足し算であれば、
それぞれのチームの足し算はまこりほのほうが上。
そして飛び込むスーパーガール。
一瞬の決着に驚きはあったけれども、結果に驚きはなく、
ゆなもんがタッグのベルトを再度奪取。
いやー、凄いわ。勢いって凄い。
黒揃えで登場したまこりほの神々しさは異様だったし、
今回は真琴さんの攻撃力というか、
プロレス的な色気のようなものをびしばしに感じてめちゃくちゃかっこよかったし、
もちろん里歩さんの躍動感は欠場明けとはいえ、
いつも通りの大天使加減だったし、結果としては紙一重。
ただ、これに政治的なものを感じ取ってしまう悪いクセはむくむくとある
(ただトロピカワイルドの戴冠に納得はしている)。
いま持っているベルト(シングルタッグ両方)がガトム退団に伴い、
ひとつひとつ一旦剥がされるのだとしたら、
それを目撃しないといけないのは想像に容易ないことで。
一歩踏み出すのは痛みも伴うのだな、と感じてしまいました。ふむ。