月別アーカイブ: 2019年2月

ヒーローになるとき

2019/2/23
東京女子プロレス「Be updated to the future, the future, the future」

イッテンヨン~イッテンゴにかけて自分の身にいろいろなことがおきて、
東女自体はイッテンヨン以来。
その間はユニバースで確認していたんだけど、
選手みんなが一気に成長をして、変化をして、
一瞬たりとも見逃せないな、としみじみ。
謎に焦る気持ち。
そして久しぶりに現地観戦。
席は何故か南側最前!ありがとうございます!

○ぴぴぴぴぴなの&上福ゆき vs らく&愛野ユキ
以前だったらちょっと心配になる4人の試合ですが、
みんな動きがよくなってる!
かみーゆはわりと試合の中心になっていて、
その試合自体の雰囲気というかストーリーというか、
そういうものを作っているムードメーカーになっていて非常にいいと思いました。
本人はやりたいことを自由にやっているはずなので、それがいい方向に。
ひとつひとつの技の見栄えが半端ないのでいつか大化けしそう。
らく&ユキのチームのスピード感もよくてよかったです。
このふたりの現在の関係性はツイッターを追いかけてないとわからないものだけど、
おやすみエクスプレスをタッグパートナーにおねだりしてやってもらう、というのは新しいパターン。
推しメンにおねだりされてデレデレするユキちゃーんもよかったです。
ぴぴぴぴは相手を頭から落とす危険な投げ技は今日はなかったけど、
お水を飲んで酔拳的な動きをするのはパートナーを選ぶなぁ。
かみーゆは適任すぎた。かみーゆすごいな。

○まなせゆうな&乃蒼ヒカリ vs 原宿ぽむ&猫はるな&YUMI
世代的にいままでの所属の新人選手…ってなると未来少女とかになるのか。
あとアプガプロレスは所属なのかな。ちょっと違う?
黒音まほ及び愛野ユキあたりになる感じ?
そのあたりの世代はデビューしてすぐに馴染んだというかなんというか。
でも、いまの世代には一線というか壁…ではないか、
なんか別のひとつ分割された世代に感じているんだけれども…
どうだ。伝わるか、この感覚。
それはたぶん同期の人数がそこそこ多いことが原因で、
この3人の他にうなぎ氏と桐生さんも含めて5人?
未来少女は3人だったけど、小橋選手だけはなんかまた別だったし。
なんかこう、5人組のチーム感があるのはなんとなくいいと思いました。
試合はもう簡単にまなせゆうな先生による教育マッチ。
赤コーナーことまなせゆうなさん大活躍の巻。
まあ、このメンツだとそりゃね…
まなせさんの安心感凄い。
あと乃蒼さんのスタイリッシュさが目立つようになってきた今日この頃。
アプガプの中でもぶっちぎってきたなぁ。
ぽむ氏の負けがこんできた印象がちょっとあるんだけど、
負けブックを書いてもらえるのは信頼度が高い証拠だと思っているので、
この流れはちょっと今後が期待できるぜ、という気持ちです。

○中島翔子&白川未奈 vs 桐生真弥&うなぎひまわり
桐生真弥選手のデビュー戦。
ショートカットでロングタイツといういでたちはなんか逆に新鮮。
特にロングタイツはいままでなかったので(KANNAさんとか?)、
全体的にしゅっとしててかっこいい!お綺麗!
プロレス自体もまだオーソドックスではあったけれども、
身体能力もそこそこありそうなので今後に期待しちゃう!
…というか、翔子さん以外はキャリアが1年に満たないのか。
白川さんもうな氏も謎に貫録あるな…芸能関係の人はすごいな。
白川さんの「チャンス~↑」は定着してきたのが非常によい。
これもかみーゆの功績だよねぇ。かみーゆ、すごいな。
うな氏の「はいっ!」っていう見得の部分を、
白川さんがグラビアポーズで便乗した場面があって、
東女の個性ばらばらのレスラーたちの間で、
どこかつながる属性(この話だったらグラビア属性)があって、
それを試合でリンクさせていくのはいいと思いました。
試合は翔子さんが流石の試合構築だった。
この4人で試合が魅せられる内容になるのはやっぱり翔子さんのチカラ。
やっぱり翔子がナンバーワン。

○辰巳リカ vs ハイパーミサヲ
不死身の辰巳リカ復活!やったぜ!
推しメンだらけの東女にあって、
試合の興奮度というか気持ちのシンクロ率の高さで言ったらリカさま!
怪我からの復帰は本当に嬉しい。
辰巳リカの魅力は言葉じゃ表現できない部分ってあって、
言葉じゃないから伝わってくるものがあるのだな、と、
その試合をする姿から改めて実感した次第。
御身体お大事に…もう怪我せんようにな…
で、復帰戦の相手が文豪ハイパーミサヲっていうのもエモい。
試合当日まで謎に #好きです辰巳リカ の時報ツイートを行ってて、
9時27分=9月27日=辰巳リカ生誕日っていうストーキングまがいだった。
ちょっとサイコがかった行動が、
この試合…というか後々の行動につながるのとか最高すぎる。
試合内容はかなりシリアスなものになっていて、
お互いの怪我をした部分(リカさま=腕、パミさん=膝)と削りあう展開。
この一点集中というのはプロレスとして凄い好きなのでぞくぞくしました。
この日の個人的ベストバウト。
というかハイパーミサヲは強いよ!

○伊藤麻希 vs 万喜なつみ
入団早々に伊藤ちゃんさんに噛みついたはいいけど、
なんかその発言が宙ぶらりんになっていた印象があって、
ここでやっと回収された、という試合。
因縁のつけ方が可愛い可愛くないという言いがかりもいいところなのが東女的。
そして可愛い可愛くないは見る側の個人差があると思うの。
自分的には伊藤ちゃんさんは可愛いで
万喜さんは可愛いは作れる=ぶさいくは隠せる寄りのぶさいくだと思ってみています。
「可愛いは作れる」ってほんと弊害しかない。ぷんすこ。超個人的意見。
プロレス的には当然、万喜さんの実力が数段上
(万喜さんのプロレスは好きです)。
それでも伊藤ちゃんさんの世界観に勝敗含めて持って行ったのは流石。
〆のマイクも完璧だった。

○沙希様 vs 渡辺未詩
本編は試合後にやってくる…!な大河試合。
その前に試合の話。
渡辺さんは「かっとばしていくぞー!」を開発して以来、非常にいい感じ。
さらにレーザービームを開発してまた加速した印象。
身体が棒立ちになってしまう印象はまだ残っているけど、
やられっぷりがよくなってきたというか、倒れ方がいいというか。
その倒れ方が棒立ちから来ているのも応報でよく出来てる印象。
プロレスは表情でやる部分もある好例。いいとおもいます!
沙希様は沙希様で問題ないと思うので、それはそれで。
細かい部分だと、
沙希様がいつものように一輪の薔薇で殴打する際に、
反対コーナーにレフリーの注意をひきつけて…のシーンで、
指さした先に新人ちゃんたちしかいなくて、
咄嗟にリカさまがレフリーの注意をひきつける、という流れがあって。
そこが「咄嗟に」に見えたので流石リカさま、わかってる!って感心していたんだけど、
もしかして伏線のヒトツだったのでは…?
で、試合後の本編だけども…
沙希様がリカさまのことを「初対面」というくだりは、
いつぞやの敗戦のショックでその試合の前後の記憶がない、
っていう話が生きていたのがすごいな、と思いました。
そしてハイパーミサヲの闇堕ちはここ最近の東女の中でも悲劇的でショッキング。
滝川女史の誘拐→改造はまあなんかほのぼのというか、
ショッキングではあったけど「わかるよー」という展開だったけど
(その後の美威死鬼軍のヒール展開とストーリー後の滝川女史への嫌悪はまあ置いといて)、
パミさんが自ら望んでマスクのみならず、ヒーローという立場とすべてを捨てて、
好意をよせる辰巳リカを椅子で殴打し、堕ちたのは凄い空気感だった。
ハイパミさんの言動にはヒーローとしてのみならず、
世を忍ぶ仮のミサヲ(仮)としての人間性すべてがのしかかっている気がして、
天才としての苦悩のような、なんかこう…なんだ。そのー、うん。
これは真剣に彼女の決断を見守らなければならぬ…!と本気でなっている次第です。
が、美威死鬼軍入りした人はみんな卒業して行っているのが心配…
(清水愛、KANNA、滝川あずさ)
しかし東女にはこういうストーリーが必要だったのでいい流れ。楽しみ。

○瑞希&坂崎ユカ vs 小橋マリカ&才木玲佳
結局のところ、JKマッスルのストーリーを回収して完結するための試合だったのかな、と。
ちょっと小橋選手と他の3人の差がありすぎた印象。
怪我から復帰した後に急ぎすぎたのかな。
小橋選手のピークは沙希様戦で、
その先に…というかあれ以上の試合がなかったのが致命的。
なんか「JK」というワードに縛られているのをなんとなーく感じています。
JC来ちゃったし。しかもJCを売りにしてないのが皮肉なもんです。
そしてマジラビとれいたんの華たるや。
今回のマジラビは主戦がみずぴょんすだったのがぐっと来ています。
スピードと跳躍力のイメージだったところに、一気にパワー系というワードが来た。
フロントネックをかけられている状態からのキューティースペシャルが凄い。
そしてほぼほぼ試合に出ていて相手の技を受けまくっていた。
いいプロレスラーは技の受ける技術が高いと思っているので、
ユカっちが世界進出となって、もったいぶらなければならない中で、
その「やられ役」をみずぴょんすに任せている状況で改めて技術の高さがみえた。
やー、すごいな。
しかしマジラビが負けるイメージがまったく沸かない。
これ、よっぽどの相手を連れてくるか、
よっぽどのストーリーがないと納得できないところまで行ってる。
ハードル高いな…

○山下実優 vs 天満のどか
王者、8度目の防衛に成功…という結果。
とにかく天満さまが蹴らて、立ち上がって、突進。
蹴られて、耐えて、蹴られて、倒れて、立ち上がって、突進。
わりと早いタイミングでコードブレーカーが返されたのが残念。
強さよりもエモさが全面に出てくる内容でした。
プロレス技の攻防もプロレスだけど、
こういうどっちが頑丈か?みたいなやりとりもプロレス。
このタイトルマッチはこの二人…というか天満さまにしかできなかった試合。
ただ今大会が序盤からいい試合が多かったのと、
動きの大きいストーリーがあったので、
ちょっとだけ試合の存在感が薄れてしまったのは残念。
これで才木、ベーダ、まなせ、黒音、辰巳、優宇、プリシラ、伊藤、天満…だっけ?
残る手札は坂崎、瑞希、中島、沙希様(パミ)、万喜…微粒子レベルで里歩。
そこで次のタイトルマッチがチャンピオンから指名。
場所は福岡での凱旋試合。
相手がタッグ王者の坂崎ユカ。
現在考えうるカードの中でベストのカードを切ってきた。
ストーリーとしての流れで組まれるわけでもないし、
福岡スターレーンのラストマッチとしての記念碑的意味合いも強そう。
だもんで、ドロー予想ではある。
いまのいろんな状況(ユカっちのAEW出場が特に。負けさせられない)を考えて。
あるならユカっちの二冠。

父と子の「やる」を選ぶ物語

2019/2/16
マッスル「マッスルマニア 2019 in 両国~俺たちのセカンドキャリア~」

正直なところ、プロレスを観はじめたときにはマッスルは終了していて、
後追いもいいところだし、
いつぞやの#大家帝国でしかみたトキがなかったもので。
ただ開催直前までサムライTVで過去のマッスルハウスを観ることが出来たのはよかった。

開会の御発声がライムスターの宇田丸氏で、
映画ロッキーシリーズ(主にクリードの話)をやさしく包みこんだご挨拶がかなりのエモさで名調子すぎた。
「するかしないかの分かれ道でするを選んだ男たちの物語」というのは、
今後も胸に刻んで生きていきたい所存です。やるしかない。

そもそもマッスルはプロレスと演劇の融合というか、
どちらかという演劇に近いものがあって、
(いま思えば今回は)いくつかのオムニバスストーリーが、
ヒトツの裏テーマ、言い換えるのであれば伏線に結びついていて、
エンディングに向けてそれが一気にほどける快感。

東京プロレスリンピック2020選考会及びペドロ高石引退試合
○グレート小鹿&ペドロ高石&趙雲子龍 vs 大石真翔&ヤス・ウラノ&大家健
○青木真也 vs ペドロ高石
マッスルメイツのうち、もっともプロレスラーから遠い存在のペドロさん。
逆にそれがマッスルのアイコンのような存在にまでなっていた印象。
そのペドロさんの引退試合だったけれどももちろんマッスル流というか。
うまいことゲストレスラーであるグレート小鹿選手の顔を立てつつ、
主役であるペドロさんの見せ場をことごとくつぶしていくスタイルの一試合目
(ただし、レフリーが見ていないというテイでしっかり一連の見せ場は披露できていたけども)。
第二引退試合での青木真也選手登場はまさかの人選でびっくり。
正直、DDTに上がりだした頃の青木真也選手の印象しか残ってなく、
格闘技的な強さにこだわりすぎていて、
所謂「プロレス的な強さ」のようなものが物足りない気がしていました。
ので、格闘技的な部分から一番遠く離れたプロレス。
つまりは「マッスルのプロレス」からはDDTでも一番遠いところにいる印象を持っていました。
だもんで一番遠いところから来た。まさかの人選でびっくり。
と同時に青木真也選手に対する気持ちが晴れたというか、
こういうこともやるんだ!?という驚きと嬉しさがあった、という試合。
そしてペドロさんの家族に対する気持ちが、
自分が父親になった今、この先の自分に重ねる部分というか、
父子のストーリーに弱い自分に気がついてだいぶぐっときました。
この「父子のストーリー」はこのマッスル内でかなりの比重があったことが後々判明…
かっこいいおとうさんになりたいぜ、わたくしも!

プロレスラー格付けチェックデスマッチ
・第1格付けチェック「プロレス味覚」
・第2格付けチェック「プロレス音感」
・第3格付けチェック「プロレス感性」
テレビでみたやつだ!
でも、プロレスでどうやって?という3つのことを、
味覚→プロテイン
音感→チョップの打撃音
感性→ブッカー
の「ああ!そういうことか!」という納得できるチョイスでおもしろかった。
あと伊藤ちゃんが出てきたのは嬉しかった。
チョップを撃つ前に思わず声が出ちゃうの可愛い。
ひとつ前のペドロさん引退試合が伏線だったこと、
そしてこのコーナー自体は後々の試合に向けたブリッジ的な役割をしていたのがマッスル的。

純烈新メンバーオーディション2019 時間差バトルロイヤル
○アンドレザ・ジャイアントパンダ vs 酒井一圭 vs 趙雲子龍 vs 渡辺哲 vs 彰人 vs アントーニオ本多 vs 樋口和貞 vs 赤井沙希 vs 大石真翔 vs 竹下幸之介 vs 坂口征夫 vs 大家健 vs 上野勇希 vs ゴージャス松野
純烈は初めてみた!
芸能ニュース的なものはわからないけど、なんとなく背景はわかりました。
イケメン枠での上野くん、彰人さん登場は個人的に嬉しかったし、
征夫さんの純烈がスーパー銭湯アイドルということで刺青はNGというくだりで出てきたのはおもしろかった。
赤井選手は明日のために開発したはずの新技をあっさり披露してた。いいのか。
松野さんがムード歌謡枠にがっちりハマったのもよかった。
なんといってもアントンのお父さんである渡辺哲氏が登場してごんぎつねをしたのはいいもん見た感。
ちんこがちゃんこ鍋にはいって「あちっ!」ってなるのとかすごい。
敗退してリングから帰るときに転んでしまっていたのが心配。
アンドレザさんは登場するだけで獅子舞的なめでたさあるのでなんかおめでとうございますという感じ。
そして新メンバーの見栄えがよくて最高でしたね!
営業先でも人気が出そう!
(そしてエンディングでのつっかさんの話につながるのもおもしろすぎた)

敗者キャプテン肛門爆破ネットニュース時間差掲載タッグデスマッチ
○男色ディーノ&山里亮太 vs マッスル坂井&クロちゃん
いつぞやのDDT両国での山ちゃん肛門爆破のブラッシュアップ。
山場はクロちゃんのお部屋でプロレスをして部屋がめちゃくちゃになるやつ。
花火の使用ぐらい行って欲しかったなぁ。
ネットニュース云々のくだりは各方面に気を使った感じがしました。
CA傘下になった以降のよくあるやつ。

アントーニオ本多 vs DJニラ
そしてメインが名作すぎた…
マッスルの歴史、アントーニオ本多という人間の歴史、
そのふたつの歴史の中でのアントンとマッスル坂井の関係性。
なによりもアントーニオ本多という選手の芸術性が駄々漏れをし、
アントン大好きおじさんのわたくしのツボをぐいぐいと押してきた。
結果、試合終了後のマイクで大号泣ですわ…
かっこよすぎるでしょ、アントーニオ本多。
アントンの相手は…となった時にリング上になにかある(人とは思わなかった)と思ったけど、
それがニラさんだとは気がつかず。
もうアントンの相手はニラさんしかいないし、ここでニラさんが見られるのは本当に嬉しい気持ち。
ロッキー川村が何の前触れもなく登場した時には、
過去のマッスルと鈴木みのるの関係性を思い出して、
「これは鈴木みのる登場フラグ…」と謎に期待をしましたが大外れ。
そして試合はいつのまにかロッキー/クリードの世界に…
ああ、オープニングの宇田丸氏の挨拶につながった!そういうことか!という快感。
スローモーションのエモ味の高さや、
父と子のストーリーといういまの自分の状況に重ね合わさった上で、
心の弱いところをずんずく突いてくる感じ。
すげぇ…すげぇもんみたぜ…
プロレスを見て試合前の選手入場で泣きそうになったのは初めてだし、
試合後のマイクで涙がこぼれたのも初めて。
全てがミラクルだった。
プロレスっていいもんですね、としみじみ感じ帰路についたわたくしでありました。