月別アーカイブ: 2020年2月

ファッション中指を折る気持ち

2020/2/24
東京女子プロレス「TOKYO JOSHI 2020 WINTER~wonderful harmony~」

○中島翔子 vs 鈴芽
プロレスラーには超絶大雑把に分けるとふたつに分類される気がして。
スピードタイプとパワータイプ。もちろん他の分類は出来るけど。
で、東女の中ではスピードタイプのこのふたりの一戦。
当然、キャリアや実力の差はあるけれども、
目まぐるしく動き回る試合展開は見ていてわかりやすく楽しい。
実力差はちょっとはっきりとわかるぐらいだったけれども、
それに食らいついていく鈴芽さんの姿が印象的でした。
負けず嫌いで、思いっきりのよさがあるのは絶対に強くなるよなぁ。
翔子さんは相手と手が合うと嬉しそうに試合をするのでいいと思います!

○天満のどか vs 猫はるな vs まなせゆうな
3WAY大好きおじさん歓喜な試合。
U150のふたりが結託してまなせさんを倒しにかかる展開なんだけど、
倒すというか、背比べを挑むという場面もありつつ、
あとはどんどーんなタックル合戦みたいな流れで。
まなせさんの乳による母性をびしばしに発揮されて寝かしつけられるちびっこたち。
協力してまなせさんを排除した後に、
喜び合う流れのなかで自然とキルスイッチに持って行った天満さまは流石でした。
伊達にぱつんぱつんに仕上がってないなぁ!

○上福ゆき&白川未奈 vs 汐凛セナ&瑞希
いま、ノリにノッているふたり。それがPINK READY。
ビジュアルに実力が伴ってきたというか、
実力にビジュアルが乗っかってきたというか。
とにかく見栄えが凄いかみーゆと白川さんの躍動、な試合。
モデルやタレントがプロレスをやる優位性っていうのは、
とにかく見た目がいい、っていう部分は絶対にあって、
それにちゃんと実力が伴ったらそりゃ強い。
でもまあ、プロレスに大切なのは受ける側の技術なわけで、
東女の中でも最上位に受けのいいみずぴょんすがこの試合にいたのがデカい。
汐凛さんを助けていたのではなくて、PINK READYを助けていたんだなぁ。
その汐凛さんは、
「あー。この人、プロレスに向いてないな」っていうのでは決してなくて、
単純にまた経験が足りないので負けてしまうという印象なので、
ちゃんと経験値が増えてきて動きもよくなってくるから強くなる予感。
すごいな、この世代。

○山下実優 vs 原宿ぽむ
先日の万喜さん戦に続くぽ氏のチャレンジマッチ。
でも、万喜戦以上になんにも出来なかったねぇ。
スネ蹴りを必要以上に警戒してくれた山下さんのおかげで見せ場はあったけど、
それもあくまでも山下さんのリアクション芸な気もするし…
ちょっとぽ氏のターニングポイントが近づいてきている気しかしない。
うーん、、

○伊藤麻希&らく vs 桐生真弥&辰巳リカ
いやー、前哨戦ヤバかった。
伊藤ちゃんさんとリカさまの抗争が非常にわかりやすくて、
それが頭vs尻という持ち技のわかりやすい対比で目に見えておもしろかったです。
そしてリカさまが精神的に持ち合わせているロック魂みたいなのが表に出ているのが最高。
この日の大会前にあった調印式でのやりとりもそうだけど、
伊藤ちゃんさんの中指を立てる=ロックがただのファッションでは?という疑問符があって、
真の魂からのロックには中指を立てる必要が一つもない、っていう点では超同意なわけで。
そういう意味でもこのタッグのタイトルマッチが最高におしゃれな気がしてきた。
伝わるかな、、伝わらないかな、、おしゃれ。
で、キーになるのがらくさんで。
らくさんの試合後半になると一気に畳みかけてくる雰囲気が怖すぎる。
かがやき(スリングブレイド)が一発逆転の可能性を秘めてるのがなー。

○万喜なつみ vs ハイパーミサヲ
スーパーウルトラクイズマッチ、とのこと。なにそれすごい。
ツーカウントはいったらクイズの解答権を得られ、それに正解したら勝ち。
、、という3本勝負。
パミさんのらしさ全開な試合形式。流石の文豪。や、すげーな、パミさん。
解答権の妙(前者が間違えたら次は同じ問題が出題)で万喜さんが勝つという伏線。
万喜さんがいつもより楽しそうだったのでなんとなくよかったです。
なつみ脳がカラカラフル回転する音が聞こえてくるような感じで。
とはいえ、万喜なつみvsハイパーミサヲのシングルってなかなかないので、
通常の試合形式でも見たかったなぁ。
操さんを経由したパミさんなので、そこそこちゃんとした試合が出来る気がするし、
ちゃんと、強いと思うの。パミさん。
気になったのは、勝利した万喜さんがコーナーに登って歓喜のガッツポーズをしたあとに、
そろーっと降りたのがちょっとまだ足の状態が万全じゃないんだろうか、どうなんだろうか。

○愛野ユキ&乃蒼ヒカリ vs 舞海魅星&渡辺未詩
期待の若手たちでのプロスペクト戦ということでこの試合がメイン(!)。
アプガプとユキチャーンはほぼ同世代。
それに、はいすぺちゃん世代を飛ばして舞海さんの世代。
東女ってわりと年功序列というか、
よほどじゃないと世代を越えて勝ちブックになるのがないイメージ。
手堅いというかなんというか
(それがこの試合の舞海さんが負けるという結果が読めてしまったのはなくもない)。
そうなると上のメンツがガチガチに固まっちゃって新鮮味が薄れるのは事実あって。
こういう期待を込めたメインを組んでくるのは斬新というか、非常にいい試み。
で、
アプガプ内でのプロスペクトな戦いも含まれていたり、
その準同期の戦いもありつつ、
チーム分けも興味深い感じでよかったです。
意外というのも徐々に失礼な感じにはなってきたけど、
ユキちゃーんが勝利する結果もここ最近だとなんとなく納得の実力に。
ただサイドスープレックスが低すぎて頭を変な風に落としそうなのが怖すぎる。
ユキちゃーんの最大のドラマはおねえちゃんを越えることだと思うので、
そういうストーリーになったらおもしろいんだけどなー。個人的な趣味として。

ダイヤモンドのお尻は砕けない

2020/2/11
東京女子プロレス「TOKYO JOSHI 2020 WINTER~wonderful harmony~」

○ハイパーミサヲ&天満のどか vs 桐生真弥&まなせゆうな
パミさんと天満さまは初タッグとのこと。
そうだったっけか。
「こんにちは」の使用料を巡る激しい抗争は強い印象があるので、
マイクの強さを持つふたりがタッグを組むのは実は個人的には待望でした。
二人ともお芝居の強さもあるし。
パミさんの過去のバレンタインのトラウマを払拭するための一戦。
相変わらず心の傷をエグってくる桐生さんの無慈悲なマイクよ。
その桐生さんは動きがよくなってきてる。
ドロップキックも出し始めてるし、
スパインバスターが決まれば勝利が決まる!という謎の説得力も。
天満さまはパミさんと組むとツッコミ側になるのか、、
「チョコにしてやる!」の魔人ブウはよかった。見た目ブウだし。
結局バレンタインはハッピーなのか?

○愛野ユキ&猫はるな vs 上福ゆき&中島翔子
ここ最近のかみーゆの試合にはずれがない気がしてる。
勝敗は別として(大切だけど)、パミさんとはまた違った文化系の雰囲気がある。
今回は翔子さんとの身長差タッグの中で、ビッグブーツの足の長さが全然違うところや、
口寄せの術(元ネタはNARUTOだって。漫画よね?)で翔子さんを召喚するくだりやらなにやら。
真剣におもしろいことをやろう!って考えて、工夫しているのはぐっときます。
その中で翔子さんが楽しそうなのがうれしい。
ユキちゃーんが地味にじわじわよくなってるのも発見。
サイドスラムを勢いじゃなくて、しっかり抱えた状態から持ち上げるのはパワーある証拠だし、
ベイダーボム的なやつも使用し始めてバリエーションが広がった印象。
調子のいいかみーゆから勝利をあげたのもデカい。
おねえちゃんがいないと自己主張をあまりしないのが難点な気はしているけど、
ちょっと独り立ち出来たら面白い存在になるような気がします。
楽しみが増えた。

○山下実優 vs 白川未奈
白川さんのスペイン遠征壮行試合とのこと。
しかしなんでまたスペイン遠征が組まれているのかは謎。
白川さんってベストボディジャパン所属、、ではないのよね?
単独で遠征なんだろうか。
まあ、とにかくしばらく離脱ってことかしら。
で、この試合がおもしろかった。
柔術を嗜んでいる白川さんがじっくりとチェーンレスリング、グラウンドの技術を出し、
それを受けて立つ山下さんの図式、、でいいんだと思う。
山下さんは元々は立っての蹴り主体だからグラウンドは自分のフィールドじゃないよね?
自分のフィールドでは決してないのに、白川さんを上回る技術は本当に凄い。
よっぽど普段から練習してるんだなー、って伝わってきて尊敬の念があります。
白川さんの「チャンスー!」と逆に言える場面になったけど言わなかったやつは、
「ほんとは言いたいくせに、、」となりました。
しかしフィニッシュひとつ前の蹴りでフォールに入ったけど、
レフリーがカウントをやめてツーで返した風になっていたやつ、
白川さんは返してなかったよねぇ。
なんとなくふわっとした雰囲気で終わってしまったのが残念。

○らく&伊藤麻希&原宿ぽむ vs 渡辺未詩&辰巳リカ&鈴芽
やー、らくさん初勝利おめでとうございます!という気持ち。
ここ数か月の間、いつ勝ってもおかしくない状態で負け続けていて。
前回の伊藤ちゃんさんとのシングル後に意を決して臨んだこの試合
(まあ、間に遠征あったけど)。
丸め込み連発で奇跡的に勝つのではなくて、
説得力十分の新技で勝ったのは素晴らしかったです。
しかも所謂RKO的な飛びつき式ネックブリーカーだし(RKO大好き)。
技名もドクターイエローだし。
直前にスリングブレイド出してたし。凄いな。一気に来たな。
会場の爆発もすごかったです。いいもん見た。
…とは単純に言えなくて。
その勢いのままタッグに挑戦のストーリーに。
予想通りではあるけれども、だよ。
伊藤ちゃんさんとリカさまはいつぞやの赤坂での一戦において、
お互いが奇声を発し続け合うという謎のスイングをした試合があって。
そこから因縁があるわけで、今回このストーリー。
硬い頭とダイアモンドの尻。
気狂い同士の激突でちょっとわくわくする。
でも、白昼夢は負けへんでー!
あとぽ氏のもらい事故が最高におもしろかったです。
世界で三番目に可愛いよ、ぽ氏。
ちゃんと試合後に鈴芽さんに向かってあかんべーしてたのよかった。

○万喜なつみ&乃蒼ヒカリ vs 舞海魅星&瑞希
ぱんでぶ久々の出陣、らしいです。
そういえばそうか。
ぱんでぶの連携が乃蒼さんの成長に伴ってめちゃくちゃよくなってる印象。
以前は万喜さんについていこうと必死だったものが、
乃蒼さんに余裕が出てきたため、うまく楽しんでるな?という感じに。
なにごとも楽しそうにやるのはいいことですなぁ、という恒例。
正式なタッグチームが東女にあるようなないような状態なので、
純粋なタッグチームとして機能しているのは後々有利な気がする。
そして万喜さんとみずぴょんすのマッチアップは、
流石の純女子プロレス経験者同士ということで、うまくスイングしてて面白い。
ロープワークからのクロスボディの同士討ちはよかった。痛そうで。
あとこのふたりが実はかなり腹黒で悪いことをしているもの同士なのが非常によい。
レフリーの目をついて反則をするのはテクニックのひとつなので、
プロレス的な巧さの裏返しだと思ってはいるのだが。
しかしここ最近、みずぴょんすの負けが込んでいるのが気になります。
キューティースペシャルもアクアマリンもみてないなぁ。うーん。

○坂崎ユカ vs ラナ・オースチン
ちょっと期待外れだったかなぁ。
ラナのスタミナが切れたのが相当早かった気が。
ユカっちのスピードに全くと言っていいほどついていけずに、
ちょっとどたばたしてた印象です。
後半のパワーを武器にぶつかっていって追い込む流れはよかったけど…
圧勝といえるんじゃないでしょうか。
POP戦でここまで差があったのは初めてかも。

子鬼がおる

2020/2/1
東京女子プロレス「TOKYO JOSHI 2020 WINTER~wonderful harmony~」

○桐生真弥&猫はるな vs 汐凛セナ&乃蒼ヒカリ
桐生さんがピン取ったのって初めて?よね?
このメンバーでキャリアが自分よりも若い相手とは言え、
がっちり試合を決めたのってデカい。そしてうれしい。
ひとつの勝利がきっかけでどーん!とアガるパターンあるし。
東女はいい意味でも悪い意味でもキャリア順の手堅い流れがあるので、
一歩進めたらいいなぁ。
似たようなことは猫さんにもセナさんにも言えたりするので、
なんか勝てたらイイナ!という気持ちでいっぱい。

○辰巳リカ vs 鈴芽 vs 上福ゆき
3WAY大好きおじさん歓喜の試合。
気狂いのリカさまとパリピのかみーゆに囲まれて孤軍奮闘する鈴芽さんな図式。
前者二人が自由すぎて最高。
かみーゆの謎のレフリーの真似やらよっしゃいくぞー!の真似が面白すぎたけど、
ここ最近のかみーゆはバンプのよさが非常に目立っていて、
それだけでもプロレスの見栄えがぐんぐん上昇しててぐっときます。
リカさまは「こんなかわいい子(鈴芽)を殴れるか?」からの、
躊躇なくぶん殴るのがぞくぞく来ましたね。

○万喜なつみ vs 原宿ぽむ
ぽ氏奮闘の巻!なんかうれしい!
ハイスペちゃんたちは個性でプロレスをやっている世代なので、
ひとつひとつのムーブが大事になってきてしまう、
いいんだか悪いんだかわからない中で、きっちりプロレスを魅せてきた。
スネ蹴りマシーンとして徹底してスネを蹴るムーブが結実してきたというか
(これは万喜さんの受け方もよかった部分も多々あるけど)。
コーナートップで「P!!!」と意味なくやって、
万喜さんに「馬鹿か!」と落とされる下りとかめちゃくちゃでよかった。
そしてセカンドロープからのドロップキックは超いきれました。
ぽ氏のドロップキックは正面蹴りなのがぐっときます。正面蹴り式好き。
あとはぽむどじゃすてぃすが決まればなー!
最後に当たったのいつだろうか。
そして万喜さんはちょっと巻き込まれ体質のほうがおもしろいかも。
いい感じにスネにダメージを受けていてくれたのが素晴らしい気持ち。

○伊藤麻希 vs らく
伊藤ちゃんさんが凄かった。
何が凄いって試合前にらくさんへの声援が”比較的”多かった状況にケチをつけ、
“圧倒的に”らくさんへの声援が多い状態を作り上げたこと。
これでもう試合の主役はらくさんになった。
見ている人がらくさんを応援する!っていう演出が一発で完成したのは流石としか言えない。
その中で、事前にらくさんの伊藤ちゃんさんへの憧れ(リスペクト)があった中で、
掟破りのおやすみエクスプレスを蹴りで排除し、小こけしムーブの模倣。
謎の気の強さが伝わってくるいい場面でした。
そしてらくさんの目的は「伊藤ちゃんさんみたいになること」と、
ちょっと拍子抜けではあるけれども、リスペクト軍団入りのストーリーが出来た!
らくさん初勝利に向けて、伊藤ちゃんさんと歩みを共にするのかしないのか…
さてさて。

○山下実優&まなせゆうな vs 舞海魅星&渡辺未詩
パワー系3人+ハードヒットな山下さんの試合。
これでもやっぱり重量のあるまなせさんをどう持ち上げて、
どうぶんなげるか?っていうのが見せ場だったような。
タックルタックル、ラリアートラリアート。
あとは若手チームの持ち上げ技(バックドロップやらボディスラムやら)。
で、最後に山下さんがばちこーんと蹴りこんで終戦。
教育マッチかなー。うーん。
山下さんのフィニッシャーであるクラッシュラビットヒートやらAAやらは封印。
こういう蹴り一発で決まるのが最近多い気がするんだけど、
なんか意味あるのかしら。ふむ。

○中島翔子 vs ダレダソレ明美
「さよならダレダソレ明美~節分デスマスク・オブ・ONIマッチ」とのこと。
鬼のお面をかぶった状態でないとフォール・ギブアップが奪えない。
公認凶器に豆。節分の。
すげーな…よく思いつくな、そんなの。
板橋の構造を活かした、一度外に追い出して扉の鍵を閉めてしまうムーブが、
よくみたことある!ってやつなんだけど、
「鬼は外」っていうネタを活かしていて妙な説得力あるし、
お面をかぶらなければいけない→ダレダソレさんのマスクが取れる→
マスクのかわりにお面を装着してしまう→負け
っていうピタゴラ装置的な流れも超よかった。
翔子さんのスピーディーなムーブとダレダソレさんの書く試合内容が妙にスイングして、
さらに翔子さんがそういう(ちょっと面白い)試合展開が好きだし、
ダレダソレさんにリスペクトがあるのが伝わってきて本当にいいもん見た感がありました。
操さんだった頃の強さが薄れているのが気にはなるけど、
文豪としての天才ぶりを存分に発揮しているのが素晴らしい。
そしてさようならダレダソレ明美。
わたしたちはあなたを決して忘れることはないでしょう!

○ラナ・オースチン&天満のどか&愛野ユキ vs 白川未奈&坂崎ユカ&瑞希
ちょっと他の試合が良すぎてメインとしてはかすれてしまった印象なー。
白川さんが奮闘していたの印象的。
いいか悪いかは別として、どんどこ自己主張していくタイプな気がするので、
正規のチームであるマジラビに加わって、
白川さんが前線で戦っていくのはいいバランスだった気がします。
マジラビは流石のタッグワークでした。
重量級のチームを相手にスピードで翻弄するのは痛快。
前哨戦ということですし、
ラナさんがどんな選手なのかを紹介するにはいい試合でした!
パワーはありそうだけど、スピードとスタミナがなさそうなので、
ユカっちがスピードで体力を削ったら勝機ありかしら。
あまり捕まる展開は避けたいようなそんな選手。