月別アーカイブ: 2019年7月

コンプライアンス糞くらえ

2019/7/31
DDT「闘うビアガーデン2019~男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシンDAY~」

○甲田哲也 vs 今林久弥
毎年恒例のおじさんたちのプロレスリング。
一体何を見せられているんだ…という気分にさせられるこの試合ですが、
今年は自分も父親になったということで、
今林さんに異常に感情移入してしまう結果に。
おとうさん、かっこよくありたいよね…息子に必要とされたいよね…ワカル。
何年かやっているので動きがよくなっててもおかしくないのに、
たぶん流れだけ決めて、練習を全くしてなさそうなのが逆にいいと思います。
絶対に上手にならないで。
試合展開は流石の作りで何故か見ごたえがありました。

○男色ディーノ vs 中村圭吾
練習生の通過儀礼のような試合。
というか、上野くんが中村練習生の困っているところが見たかっただけの試合。
ちんちんを触られている中村練習生をみて喜ぶ上野くんをみて喜ぶわたくしたちです。
中村練習生はドロップキックは綺麗でしたー。
ルックスがちょっとなー。うーん。

○まなせゆうな&大石真翔&アントーニオ本多 vs 石井慧介&松永智充&納谷幸男
ラリプロだ!
我々としてはやっぱりまなせさんがこういうDDT本体の興行に出るのはうれしいし、
この一見して遊びのようなラリプロを、
実際の試合に活かしてラリアットを使うようになった、ってのは応援したくなる流れ。
いつも通りイントロドンだったので、やっぱり入場曲って大事だよな…とふと。
そして今回はライガーさんが隠し玉というかなんというか。
みんなで掌底をするんだけど、
ちゃんと見たことある?っていう動きで逆にダサくてよかったです。
試合後におフェイスのみなさまが登場して、
珍輔をここで使う!?とちょっともったいない気持ちに。
あと眼鏡の店員さんがトラウマレベルでツボだったので今度探してみます。
眼鏡を直すしぐさがヤバかった…

○スーパー・ササダンゴ・マシンによる何かしらの闇パワポ
まさかの地元の話でグッときました。
思いっきり高校に行くときの通学路だわ。
今度行ってみます。
オチが闇すぎてササダンゴすげーな!と思いました。

○DJニラ vs 樋口和貞
ニラさんの試合は突発的にやってくるので得した気分。
いつもだったら酒呑童子デーなんだろうけど、もうないから。酒呑童子。
ここで。
世界観が独特すぎて、相撲の仕切りから十数年が経過するとか意味わかんない。
さいこう。
結果とかそんなのどうでもよくてニラさんワールドを体感できたので満足。
そうか、この試合から十数年が経過してたのか。
メインもその年月が経過した後ってことだよね。しらんけど。

○大家健 vs 男色ディーノ vs DJニラ vs 高梨将弘 vs マッスル坂井 vs アントーニオ本多 vs マイク・ベイリー vs 大石真翔
いつも通りのサンドマンごっこ。
だけど、今年から飲み放題のルールも増えて、
心配していた通り、まき散らすビールが不足して盛り上がりが本当にいまいちだった。
例年だとお客さんが飲んでいる飲みかけのビールやらなにやらの缶を奪い取って、
まき散らし、ぶん投げ、さらに別の缶を奪う、という流れが、
奪われたはいいものの、次の缶が売り子が売りに来るわけでもなし、
飲み放題の交換はラウンジに出てもらってこなければ駄目だし。
だもんで流れが最高に悪かった。
サンドマンごっこになってなかった。残念。
大家さんが勝って、もっともらしいことを言うのも、
大家さんのカリスマ性が薄れてしまっている今、なにも響かないし。
それでもよかったところといえば、
各選手の入場で一本の竹刀を共有して、セコンドの上野くんが行ったり来たりしていたくだり。
ベイリーの無茶なケブラーダ。
まなせさんと今成さんのいちゃいちゃ。
などなどです。
大会終了のマイクでディーノが言った「ここにいるのは僕と坂井の友達です」という一言に、
まなせさんも「わたしも?」と超うれしそうだったので救われました。
とにかくいろんなルールとか規制とかあるんだろうけど、
ちいさくまとまんなよ、と言いたい気持ち。楽しかったけれども、だよ。

四者四様の世界への手がかり

2019/7/20
東京女子プロレス「TOKYO JOSHI 2019 SUMMER~Sunshine Carnival~」

〇乃蒼ヒカリ vs 舞海魅星
技の少ないのに試合が面白いレスラーって非常にぐっとくる存在で、
乃蒼さんはドロップキックで試合を構築するちょっと面白いタイプのような気がしてきてます。
山下さんのように普通のキックで構築するのは多くいるけども。
それに加えてグラウンドの技があるのがいいよなぁ。
いまはとにかくドロップキックを連発していって、
相手を立たせないようにして体力を削っているように見えるけど、
これがなんらかのバリエーションが増えたら一気に跳ねる気がする。跳ねたらいいなぁ。
で、舞海さんはパワー系なんだけど、
タックルとラリアットがアタックとしてあって、
投げとして(成功率は低いけど)バックドロップがあって、
あとは寝技まわりがあったらいいのかなぁ。パワーを活かすためにも。
アイドルレスラー志望が多い印象の東女だけれども、
舞海さんにはちゃんとしたレスラーとして大成してほしい気持ちでいっぱい。

〇坂崎ユカ vs 桐生真弥
ユカっちが余裕ありすぎて凄い。
余裕ある→油断につながらないのがまた凄い。
そして客席になだれ込んで場内の雰囲気を全部持っていって、
ずーっと楽しそうなんだよなー。大人だよなー。
桐生さんの印象は申し訳ないくらいに薄れちゃってたけど、
これはもうしかたない…別世界だわ。
桐生さんの得意なことってなんだろう。
いまなにができるんだろう。
逆エビ固め?

〇天満のどか&白川未奈&うなぎひまわり vs 原宿ぽむ&山下実優&YUMI
うなぎさんのお祭りは今回は試合前の挨拶時に開催されて奇襲。
天満さまの太鼓の達人ぶりとその後のうな氏の「どーん!」があほっぽくて最高だった。
おやすみエクスプレスと並んで大喜利化しているけど、
ただ単に技をかけるわけじゃなくてお祭りするだけなのがシュールでいい。
シュールさって大切。
そしてYUMIさん相手におっぱいおしつけなかったのもよかったです。
中学生だもんね。おっぱいで挟むのにはまだ早いよね。
試合自体には特にこれぞ!ってパートはなくて、いつも通りに展開。
この「いつも通り」ってちょっと怖いよなぁ。
はいすぺちゃんたち(ぽ、うな、YUMI、まひろ、猫)がプロレスラーとして力をつけて、
上位戦線にそろそろ食い込まないといけない時期ではあって。
プロレスをやっている限り。応援していると期待しちゃうじゃん。
そんで上位が詰まって来てて、東女内で実力に差が出てきてしまってる印象。
その差をなんとかするための新ベルト…の話はまたあとで。
とにかく推しメンのひとりであるところのぽむ氏には強くなってもらいたい…!

〇沙希様&操 vs らく&渡辺未詩
タッグチャンピオンの美威獅鬼軍の次の挑戦者は…ってなったところでこの試合。
正直なところ、渡辺さんとらくさんが美軍に挑むのは結構な頻度であって、
渡辺さんが「雑草」と呼ばれていたけれども、そこから話が発展しなかったよねぇ。
言われるだけ言われて、一矢報いたわけじゃなくて。
あれから爆れつシスターズとのタイトルマッチを挟んで、再び渡辺さんが登場。
美軍のストーリーって結構、同じことがループしたりするのでまたか…って思いました。
らくさんもしかり。
で、試合のほうはというと、
美威獅鬼軍はわりと連携がしっかりしているので強い。
そのあたり見逃しがちだけど、沙希様の蹴りと操さんの膝がいい融合。
特に膝を手術したことを逆手に取ってその膝を武器にした操さんがいいアクセント。
というか、まだ負けてないんじゃないかな、操さん。どうだったっけ。
ラッシュが激しいので渡辺さんの「かっとばしていくぞー!」が発生させられなかった。
あれ好きなのに。
そんな中でおやすみエクスプレスをプレーンな形で早々に繰り出したり、
地味に技が増えていて「おっ!」っと思わせる瞬間が多かったりで、
この美軍との戦いの中で成長がみられるのがまさかのらくさんで面白い。
らくさんも微妙に頭がおかしかったりするよね…
そしてこの戦い後に山下さんが満を持して登場。
山下未詩爆誕。
山下さんと沙希様ってからんだことあったっけ?
タッグタイトルに関しては、
正式にタッグチームである、っていうのがほぼほぼないので
(美威獅鬼軍、爆れつシスターズ、マジラビ…でもみずぴょんすはPOP挑戦)、
毎回、急造チームが挑戦する流れになるのよね。
それだと納得のいく勝敗のつきかたになる気がしないので、
もうちょっとタッグのストーリーを考えてほしいなぁ。
ベルトが増えちゃって余計にタッグチームが組みづらい状況ではあるのに。

〇瑞希&伊藤麻希 vs 愛野ユキ&中島翔子
POPの前哨戦…というよりも、
伊藤リスペクト軍団久々の結成、及びその解散をテーマにした試合。
そもそも伊藤リスペクト軍団ができたのは、
ほぼほぼ新人状態だった伊藤ちゃんさんが先に東女に参戦し始めて、
その後、時を置かずにみずぴょんすが東女に参戦。
その初戦が伊藤ちゃんさん対みずぴょんすで。
プロレスにおいては大先輩だけれども東女では先にリングにあがっていた伊藤ちゃんさんが、
みずぴょんすをうまくふわっと巻き込み、そして逆にいいように利用されてきた?のが経緯。
個人的な感想だけど、それ。
で、件のタッグトーナメントでマジラビが産まれて伊藤リスペクト軍団は開店休業に。
そして伊藤ちゃんさんもそれなりにプロレスができるようになってきたので、
今回発展的に解散。
そしてみずぴょんすは結果として人気実力ともに上昇し、
それに対して伊藤ちゃんさんが嫉妬心を燃やす…という非常に伊藤リスペクト軍団っぽい流れに。
イッテンヨンのタイトルマッチをピークに伊藤ちゃんさんが足踏みをしている印象はあって、
山下さんとのタッグチーム結成の目もなくなり、
このユニット解散の先になにがあるの?というのが注目点。
伊藤ちゃんひとりだとなんにもできない気はしています。どうなんだろう。
で、この試合のPOP前哨戦としての立ち位置は、
翔子さんとみずぴょんすはトーナメントで既に対戦済みで、
それぞれがお互いの手の内をわかりきっているので今回はそれをこなした印象。
本気でのシングルがこんだけ近い期間に続いちゃうと、
新しいことを見せないといけないから大変だよね…

〇万喜なつみ vs 上福ゆき vs 辰巳リカ vs まなせゆうな
インターナショナル・プリンセス初代王座争奪日本代表決定戦。
東女二本目のシングルのベルトだけれども、
これって上位グループとそれ以外の差が大きくなりすぎてしまって、
なんとなーく中間位のタイトルが必要となった…って流れなんだろうか。
海外戦略といえども、基本的に鎖国体制の東女。
海外は単発で遠征はあったものの、海の向こうからの参戦ってのはないわけで、
看板にいつわりあり…みたいなことにならなければいいけど…
選ばれた4人は今年になってPOPに挑戦していない人で最近調子のいい人…ですか。
まあ、ワカル。
実績トーナメント準優勝、ベスト4の人気者、謎の勢いあるドラゴン、成長株で日本一の美女レスラー。の4人。
納得のメンツ。最後一人残りの4WAYははじめてだっけか。
ベルトに色的には辰巳リカ!自分の気持ち的にも辰巳リカ!
最近の試合の気狂い加減から考えてもここは辰巳リカしか!
と気合を入れて観戦に臨んだ一戦。
かみーゆは事前のtwitterでもインターナショナルには自分がふさわしいと宣言していたし、
試合序盤で英語でまくし立てて獲ります宣言をしたものの、
まなせさんにぼこられていたのは二人の関係性を考えてもぐっときました。
正直、実力的には劣るかもしれないけど、
リング下で体力を温存しつつ戦況をみつめ、
いきなりまなせさんを脱落させ、
その後は四の字固めをひっくり返して翻弄したりして、
結果的には二人を脱落させた功績はでかい。
万喜さんと一騎打ちになったときは場内がほぼかみーゆの応援で素晴らしい雰囲気だった。
複数人のときに場外で待機はできても、
一対一だとちょっと分が悪かった…
でもいいところまでいって間違いなく試合の主役はかみーゆだった。
まなせさんは準優勝者の実力者ということで3人に同時にマークされてしまったのが痛い。
リカさまはこれはもう本当に悔しい敗戦。
いま現在の東女の中でも古株のひとりだけども、まだタイトルには無縁で、
そろそろ目に見える結果が欲しかったよなぁ。
技の精度もあがってたし、
なにより試合の内容が唯一無二化しててかなりの充実度だったと思ってたんだけど…
万喜さんはちょっとまだ応援している気持ちではないので複雑な気持ちです。
これ、正直なところ、海外のレスラー相手に初代決定戦をやったとしても、
その歴史にその誰だかわからない海外選手の名前を刻むわけにはいかないよね?
だもんで万喜さんが初代になっちゃうんじゃないか?って。
東女移籍の経緯もなんかもやっとしていたので、万喜さん自体にももやっと感があるのは正直なところ。
政治的ななにかが働くのはなぁ。うーん。

長い旅の経由地

2019/7/14
我闘雲舞「Gatoh-Move Japan Tour 441」

〇さくらえみ vs 沙也加
練習生のエキシビジョン。
ダレジョと違って打撃ありなので、
さくらさんの逆水平が妙に生々しかったです。
楽しいプロレスから痛みのあるプロレスへの移行って大変よね。
プロレスをどれだけ楽しめるか?っていうのが、
素人のダレジョでもプロのガトムでも共通なんだと思います。
ずーっと楽しいといいですねぇ。

〇紺乃美鶴 vs 杏ちゃむ
ガトムのエースとしてはまだまだだけど、
ガトムのリーダーとして地位を確立しつつある模様な美鶴さん。
杏ちゃむさんってダレジョ出身でいいんだっけか。
最初はグラビアあがりらしくポーズを決めるだけのプロレスだったけども、
ここ最近はスピード感も安定感も出てきて、きちんとしたいいレスラーになっている。
すばらしさある。
プロレスって結局は人に魅せるものなので、
自分の魅せ方を理解しているのは大きいのかも。
美鶴さんはそれの真逆にいく相変わらずの泥臭さで非常にグッときます。
大技も決まるようになってきているので応援のしがいもあります。

〇SAKI&チェリー vs 駿河メイ&アントーニオ本多
ちゃんこ用に高価すぎるサーモンを購入してしまったメイちゃん。
その理由が「お肉を食べられないアントンさんのため」…泣ける。
一般的な切り身の鮭じゃ駄目だったんだよね。
レシピを調べたら出てきたサーモンの形が違ったんだよね。わかる。
で、急遽結成されたくまとサーモン aka りんごとはちみつ。
アントンのごんぎつねはここ一番の出来でした(バスバイト嫌)。
そしてアントンのプロレスが一番生き生きしているのはガトムな気がしている。
この前のマッスルは別として。
メイちゃんを担ぎ上げての風車攻撃が、
壁を蹴り上げてのバックドロップの誤爆に変化するの名作すぎた。
くまとサーモンの解散が非常に残念でなりません。
そして新生りんごとはちみつが結成!やったぜ!なんだそりゃ!

〇高梨将弘 vs バリヤンアッキ
この試合が市ヶ谷のマットで開催されたというスペシャル感。
プロレスの技術の高さはもちろんのこと、
イマジネーションの高さやバリエーションの多さにため息ばかり。
高梨さんは本当に過小評価されているレスラーだと思うし、
本当に真剣にプロレスに向かい合っているんだなぁと感心しきり。
そしてそのプロレスについてこれたバリアンアッキの成長に目を見張る気持ちです。
ガンプロで突然現れた謎のインド人が日本で頑張って、
これだけまとまった期間、日本にいたのに表立って名をあげたわけではなく、
こういう地道に練習して、実力をつけたのはいい方向に向かうとイイナ!って。
とにかくこの試合は生で見られてよかった!という試合。
たまにこういう試合にあたると得した気分。
そして高梨さんは今回はアッキを見送る立場。
いろんな選手が高梨さんの世話になり、それを見送っていく…
さみしい思いを何度もしてるのすごいな。

夏の女王様

2019/7/7
東京女子プロレス「東京プリンセスカップ決勝戦」

○白川未奈 vs 原宿ぽむ
ぽ氏は坂崎ユカ戦でデビューして、その後、猫戦で勝利。
シングル二連勝からのスタートでデビューとしては華々しいと言っていいもの。
が、そこまで「強くなったな!」って感じではなく。
今回のカップ戦も人気投票でうな氏に負けて出られなかった。
負けがこんでる=受けに対して信頼されている、と思っているので、
決して負けることは悪いことではないはずなので、
それなりに期待値は高いんだろうけど、な印象。
かたや白川さんはBBJという謎団体の選手でまあ、芸能人。
単純にプロレスが好き、という重要なポイントで強みがあるので、
それなりに強くはなってきているし、東女的にはどうかわからないけど、
なんらかの芸能的な力でプッシュされている印象はある。
「プロレス楽しい?強くなりたい?」っていうのを聞きたい。
強くなるってなんだろうなー、って思いました。
ぽむ氏、負けちゃった…

○まなせゆうな vs 坂崎ユカ
AEW帰りの坂崎ユカっちはほぼほぼ無敵状態になっているのがここ最近。
タッグのベルトは獲られてしまったとはいえ、
東女最強陣の一翼を担っているのは確実で優勝候補。
まなせさんにはストーリーがあった。
スターダム~アクトレスと期待はされつつも華と咲かなかった境遇を背負って、
ぽちゃじょをきっかけとして…かどうかはわからないけど、
ターニングポイントのヒトツとして、
過去の自分を払拭するために大きな決意と覚悟を持ってこのトーナメントに挑んでいる印象。
東女の持つ、プロレスの持つドラマ性がまなせさんを勝利に導いた気がします。
この大会中にSNSやブログを通じてずーっと気持ちを露呈し続けていたのはまなせさんだし、
なによりも確実に試合で観ている人の気持ちをつかんだ気がします。
マジカルメリーゴーランドをつかまえての鈴木スペシャルは素晴らしかった。
たぶん観ている多くの人が臨んだマジラビ対決の決勝戦だったけど、
そんな気持ちをふっとばしてくれたまなせさんの劇的勝利でした。すばらしい。

○瑞希 vs 万喜なつみ
ふたりともに所属外の選手。
応援する気持ちに所属とか所属外とか関係ないとは思うんだけど、
それでもプロレスの土台が違うのでそのあたりの違いは明らかにあって。
この試合は女子プロレスだった。ある種のテンプレートの。悪い意味じゃなくて。
女子プロレスにはあるものはハードヒットな闘いで、
殴ったり蹴ったりのエグさもあるし、なによりヘアホイップがある。
個人的にはあまりいい印象を持っていないんだけど、たまにはいいかな?ってなる。
万喜さんはその辺をわかりやすく出してくれるけど、
みずぴょんすは東女に来て封印?していたのか、押さえていたのか。
もし押さえていたとしたらそれが沙希様の言う「セーブしている」につながるのか。
お互いのプロレスの実力としては拮抗しているとは思うんだけど、
一瞬の隙をついての勝利、という結果は納得。
試合後に和解したのはいいと思いました。
万喜さん、そういう和解の姿勢をみせないかと思っていたので。

○天満のどか&らく&YUMI vs 桐生真弥&上福ゆき&うなぎひまわり
かみーゆが男前すぎて最高だった。
うな氏に「いまじゃないか?」といい声で祭の発動を指示したやつとか惚れる。
あとらくさんのチョップを受けて後ろに倒れる時に、
手をつかないで背中だけで受け身を取っていてすげー!ってなりました。
うな氏は試合序盤にYUMIさんを呼び出すときもそうだし、
今回の祭がなに祭なのかが聞き取れなかったのが残念。
あとは結局天満さまが受けに受け、順当にキルスイッチで真弥さんから勝利。
真弥さんはふとした言動がおもしろそうなんだけど、
ちょっと率先して発言する感じじゃないのが残念。
もっと大きな声で自己主張しはじめたらおもしろいとおもうんだけど。
しかしプロレスの良し悪しが「なにを言うか?」ってポイントなのはどうかと思うけど。

○沙希様&操 vs 舞海魅星&愛野ユキ
タッグの前哨戦ではあるんだけど、
正直なところユキちゃんはどうもニントモカントモな気がする。
毎度毎度だけど「おねえちゃんおねえちゃん」っていうのは、
おねえちゃんが好きなのはそりゃいいことだし、絆云々ってのはわかるけど、
それでプロレスで勝てるの?って話。
美威死鬼軍のみなさまの言っていることはわりとズレてないと思ってて、
みずぴょんすの時の「力をセーブしている」も間違ってないと思うし、
今回のこともなんとなーく間違ってない気がする。
結局、話をまわしているのは、
薔薇を食べたり沙希様にかじりついてみたりの天満さまだし。
(大会前の調印式と)試合後のやりとりが見せ場といえば見せ場。
大丈夫なのか、タイトルマッチ。

○中島翔子&辰巳リカ&乃蒼ヒカリ vs 渡辺未詩&山下実優&伊藤麻希
流石のメンツなこの試合。
目立ったのはリカさま、伊藤ちゃんさんと渡辺さん。
リカさまの暴れん坊ぶりは健在で、
伊藤ちゃんさんがうるさいからといって口を押えて黙らせるのとか最高。
インディアンデスロックの状態からもうひとりをブレーンバスターで投げるのも最高。
伊藤ちゃんさんとこれといってはっきり抗争を繰り広げているわけではないけど、
いつぞやの赤坂での絶叫合戦から続いている因縁(?)ではあるので、
どこかで一騎打ちをして欲しい気持ち。
渡辺さんは翔子さんの619をキャッチして、
そこから一気にジャイアントスイングに移行したのは最高だった。
そしてレーザービームの威力が増しているのもぐっときます。
アプガプは渡辺さんだけが感情移入できるというか、
人としての心を保っている気がするので、
そのまっすぐさを押し通して欲しいです。
そして高まる山下伊藤の福岡タッグの機運!
爆れつシスターズの次はこのふたりかな。

○瑞希 vs まなせゆうな
突然まなせさんに出てきたラスボス感。
ただ、まなせさんを応援するひとたちだけじゃなくて、
みずぴょんすやマジラビを支持するひとたちすらも、
まなせさんへ敵意を全く抱いていなかったと思います。わかんないけど。
それはまなせさんが試合序盤にみずぴょんすのシューズの紐がほどけていたのを指摘して、
きっちり結ぶのを待ったあとに自然発生したフェアプレーを称える拍手があわらしていた気が。
あんな拍手はプロレスで聞いたときない。すばらしい。
準決勝と同じく、まなせさんが攻めに攻めてみずぴょんすが耐える展開。
フェイスロックとフットスタンプで絞めて踏みつけるみずぴょんす。
まなせさんが途中に繰り出したおっパイルドライバーやドラゴンスリーぱいで、
それってのの子さんの代表的な技の数々。
そういう東女に来て、関係してきた人の技、
特に東女の象徴でもあったのの子さんの技を繰り出したのは胸熱だし、
その後にラリアットを二発撃ったのも、
ここ最近のぽちゃじょに絡んだことからの技だし、
プロレスラーになってから、いまのいままでの積み重ねを全部出したのかかっこよかったです。
人間って誰しもいまのいままでに至るまでに過程があるわけだし、
その過程を積み重ねた結果がいまの自分だし、
それを全部出さないと、意味がない。ってのを感じた気がします。
自分のステージは自分で作らないと。それをまなせさんは作ったわけで。
かっこよかった、まなせさん。本当に。
みずぴょんすはその技たちに耐え、
キューティースペシャルで大きなまなせさんをぶん投げての勝利って説得力ある。
ただ単純に瑞希という人気レスラーをプッシュするだけじゃなく、
プッシュするだけの強さがあるってのを見せてくれた気がしました。
たぶん「力をセーブしている」っていう言葉に見ている側が呪いみたいなのがかかって、
どんなに全力を出したとしても「セーブしている」って見えちゃうんだと思う。
そこはひとつ結果を出すしかないわけで、
その結果っていうのが今回の優勝なんだろうな。

これで中島翔子vs瑞希のタイトルマッチが決定。
でも何故か後楽園ホールではなく、大阪。
みずぴょんすの出身地である神戸にほど近いので、
もう大阪でやる時点でみずぴょんすに決まっていたのでは?と勘繰る勢いです。
やー、大阪まではいけないよー。
そしてその直前の後楽園ホールではなにをやるの?
タイトルマッチ以上に大事なものってあるんだろうか。
タッグベルトは美威死鬼軍が持っている限り、
あれは東女のファンじゃないと話についていけないやつだから微妙なんだよね。
よっぽどすごい人がタッグタイトルに挑戦するのか、な。

君に歌を聴かせてあげよう

2019/7/2
我闘雲舞「Last song for you」

○趙雲子龍&高梨将弘&サワディー仮面 vs バリヤンアッキ&E.K.バギー&エイダン・レックス
勝ったチームのメンバーを冷静に見てみると、
実力者ぞろいすぎてそりゃ、勝つわ…と納得すぎる感じ。
海外からの参戦者三人に対してしっかりと試合を作って、
相手の技を受け、自分のムーブを出し、掌で完全に転がす余裕の展開。
わけあってプロレスの見方が変わっている自分なのですが、
めちゃくちゃ参考になりました。
その中でもアッキはきっちりと自分の動きをしていてよかった。
アッキはいつまで日本にいてくれるんだろうか。
ちゃんともっと見ておかないとだなぁ。

○SAKI&帯広さやか&アントーニオ本多 vs 杏ちゃむ&真琴&新納刃
帯ちゃんはこういう6人タッグのイメージが何故か強い。
怪我での欠場が多いのが原因ではあるのだけれども。
その中で謎の存在感を残すところが唯一無二感あって最高。ある種の天才。
ちょっと目立ったのが自分の中では杏ちゃむさんで、
観るたびによくなっていくのが凄い。
あんな動きよかったっけ?ってなる。
ただ試合を作ったのはSAKIさんと真琴さんで、
やっぱり相手を光らせて、自分も見せ場を作る腕のよさがあるのが素晴らしさ。
ガトムらしい6人タッグでした。
なんでガトムらしくなるんだろう。流石。

○駿河メイ vs 梅咲遥
ダレジョからの因縁を知って観ていたのでエモみが凄かった。
ほぼほぼ年齢もキャリアも同じで、なによりスタート地点が同じっていう、
運命、っていう言葉に頼らざるを得ない関係性になるふたりなんだろうな、と。
そしてお互いに負けず嫌いでステージ度胸もある。
二卵性双生児のようなふたり。凄い。
遥さんはディアナに入団して、
さくらさんの教えに加えて自団体のカラーを身につけていて、
パワーアップなような、幅が広がったように感じました。
メイちゃんはずーっと観ていたのでメイちゃんのままで、、、
でも進化していないわけじゃないけど、見続けている違和感のなさと、
久しぶりに観た新鮮さが違和感、変化を観てとれたのが面白かったです。
あとは団体での立場なのかしら。
メイちゃんはガトムの中で新人ではあるけど勝ってもいい。
遥さんはディアナの中で新人であるが故にまだ下積みの段階。
その辺のホームコートアドバンテージがあってメイちゃんの勝利、かな。
でも遥さんのラ・マヒストラルには超いきれました。
好きです、ラ・マヒストラル。
このふたりの闘いはプロレスを続けていく以上、永遠に続くし、
末永く見守っていきたいと思いました。
ディアナも観に行かないと…

○水波綾 vs 水森由菜
水波綾選手が圧巻でした。
独特の世界観というか、ふところの深さというか、
ゆなもんの出すトロピカルムーブを困惑しながらも全部受け止めてる包容力よ。
さすがのアニキ。余裕すらあった印象。
ゆなもんも決して悪かったわけではなく、
いつも通り全力全開で無茶してぶつかっていってたけど、
相手が全部受け止めるので逆に凄味が分散してしまったのかしら。
それでもまっすぐすぎるほどまっすぐでいいとおもいます!
プロレスラーは頑丈であれ、みたいな観ていて爽快感がありました。
いい試合。

○志田光 vs 紺乃美鶴
この試合がセミで組まれたことの意味を考えていて。
入団順…って言ってしまえばそれまでなんだけど、
里歩さまが卒業してしまったあとのガトムでの美鶴さんの立ち位置が重要視されている気が。
重要視というかさくらさんが一番心配しているのが美鶴さんなのでは。
正直なところ、メイちゃんやゆなもんは市ヶ谷の外に出しても、
なんらかの爪痕を残せるキャラの持ち主ではあるんだけど、
美鶴さんはその泥臭さ故にカルトな人気を得るイメージがあって。
そこで次期エース宣言ですよ。
美鶴さん、ガトムの中でもかなり特別だと思うの。
不器用なりに気持ちを大きく前面に出して、
気迫と殺意のようなものを軽く感じさせつつ、破壊的なプロレスをする。
…の、ようなものをこの試合(のその先)に感じました。
ぶちギレて場外乱闘している姿が神々しかった。もちろん贔屓目込みで。
里歩さまは可憐なるエースだったけど、美鶴さんは泥臭いエースでいいと思います。
誰も里歩さまにはなれないので。
あとは気持ちに身体がついて来ればいいですよね。
まだ頭で考えてる気がする。
そして志田さんのガトムにおける巻き込まれ体質みたいなのも観られてよかった。
セコンドが誰もつかずに全員美鶴さんについてしまったの最高。

○さくらえみ vs 里歩
さくらさんの選手育成の歴史って、りほさまがスタート…でいいのかしら。
第一号ではないけど、本当の初期ってことでOKなのかな。
つまりはさくらさんの育成の歴史は里歩さまとのふたりの歴史ってことで。
じゃー今回のこの卒業はなんなんだろうか。
親離れ、っていう単純な言葉では表せないんだろうな。
里歩さまの卒業を聴いて思ったことは、
「プロレスを辞めるわけではないので活躍の場も広がるだろうし、
今後の観る機会も増えると思うのでなんら悲しいことではない。
発展的な出来事で寧ろいいことでは?めでたい!」でした。
でも卒業が近づくにつれ、
残されるガトムメンのさみしさや、それに伴うエモい感情たちに気がついて。
さくらさんの身体から心臓が取り出されるぐらいの出来事で、
その喪失感を思うと心が震える気持ちでいっぱいになったわけで。
すごいことだぞ。その喪失感って。
人の歴史が変わる瞬間を目撃した気分です。
試合がもう我闘雲舞そのもので、
ふたりの歴史がつまった最高傑作でした。すごいわ、さくらさん。
ひとつだけ言うならさくらさんの体調が万全の状態でこの試合がみたかったです。
そこだけもったいなかった。しかたのないことだけど。

里歩さまは市ヶ谷から飛び出してそれこそ世界中で活躍すると思っています。
期待しかない。
ついていけるだけついていきたい気持ちです。
ガトム自体は、さくらさんの策略は伊達じゃなかった。
ダレジョメンバーから4人が正式に練習生化。
すげーな!その計画!それも楽しみでしかたがないです。
特にペンシルさん。
美鶴さんにつきましてはちょっといま一番好きなプロレスラーかも。
もっと観たい。

やー、今年一番だったかも。いいもん観た。