四者四様の世界への手がかり

2019/7/20
東京女子プロレス「TOKYO JOSHI 2019 SUMMER~Sunshine Carnival~」

〇乃蒼ヒカリ vs 舞海魅星
技の少ないのに試合が面白いレスラーって非常にぐっとくる存在で、
乃蒼さんはドロップキックで試合を構築するちょっと面白いタイプのような気がしてきてます。
山下さんのように普通のキックで構築するのは多くいるけども。
それに加えてグラウンドの技があるのがいいよなぁ。
いまはとにかくドロップキックを連発していって、
相手を立たせないようにして体力を削っているように見えるけど、
これがなんらかのバリエーションが増えたら一気に跳ねる気がする。跳ねたらいいなぁ。
で、舞海さんはパワー系なんだけど、
タックルとラリアットがアタックとしてあって、
投げとして(成功率は低いけど)バックドロップがあって、
あとは寝技まわりがあったらいいのかなぁ。パワーを活かすためにも。
アイドルレスラー志望が多い印象の東女だけれども、
舞海さんにはちゃんとしたレスラーとして大成してほしい気持ちでいっぱい。

〇坂崎ユカ vs 桐生真弥
ユカっちが余裕ありすぎて凄い。
余裕ある→油断につながらないのがまた凄い。
そして客席になだれ込んで場内の雰囲気を全部持っていって、
ずーっと楽しそうなんだよなー。大人だよなー。
桐生さんの印象は申し訳ないくらいに薄れちゃってたけど、
これはもうしかたない…別世界だわ。
桐生さんの得意なことってなんだろう。
いまなにができるんだろう。
逆エビ固め?

〇天満のどか&白川未奈&うなぎひまわり vs 原宿ぽむ&山下実優&YUMI
うなぎさんのお祭りは今回は試合前の挨拶時に開催されて奇襲。
天満さまの太鼓の達人ぶりとその後のうな氏の「どーん!」があほっぽくて最高だった。
おやすみエクスプレスと並んで大喜利化しているけど、
ただ単に技をかけるわけじゃなくてお祭りするだけなのがシュールでいい。
シュールさって大切。
そしてYUMIさん相手におっぱいおしつけなかったのもよかったです。
中学生だもんね。おっぱいで挟むのにはまだ早いよね。
試合自体には特にこれぞ!ってパートはなくて、いつも通りに展開。
この「いつも通り」ってちょっと怖いよなぁ。
はいすぺちゃんたち(ぽ、うな、YUMI、まひろ、猫)がプロレスラーとして力をつけて、
上位戦線にそろそろ食い込まないといけない時期ではあって。
プロレスをやっている限り。応援していると期待しちゃうじゃん。
そんで上位が詰まって来てて、東女内で実力に差が出てきてしまってる印象。
その差をなんとかするための新ベルト…の話はまたあとで。
とにかく推しメンのひとりであるところのぽむ氏には強くなってもらいたい…!

〇沙希様&操 vs らく&渡辺未詩
タッグチャンピオンの美威獅鬼軍の次の挑戦者は…ってなったところでこの試合。
正直なところ、渡辺さんとらくさんが美軍に挑むのは結構な頻度であって、
渡辺さんが「雑草」と呼ばれていたけれども、そこから話が発展しなかったよねぇ。
言われるだけ言われて、一矢報いたわけじゃなくて。
あれから爆れつシスターズとのタイトルマッチを挟んで、再び渡辺さんが登場。
美軍のストーリーって結構、同じことがループしたりするのでまたか…って思いました。
らくさんもしかり。
で、試合のほうはというと、
美威獅鬼軍はわりと連携がしっかりしているので強い。
そのあたり見逃しがちだけど、沙希様の蹴りと操さんの膝がいい融合。
特に膝を手術したことを逆手に取ってその膝を武器にした操さんがいいアクセント。
というか、まだ負けてないんじゃないかな、操さん。どうだったっけ。
ラッシュが激しいので渡辺さんの「かっとばしていくぞー!」が発生させられなかった。
あれ好きなのに。
そんな中でおやすみエクスプレスをプレーンな形で早々に繰り出したり、
地味に技が増えていて「おっ!」っと思わせる瞬間が多かったりで、
この美軍との戦いの中で成長がみられるのがまさかのらくさんで面白い。
らくさんも微妙に頭がおかしかったりするよね…
そしてこの戦い後に山下さんが満を持して登場。
山下未詩爆誕。
山下さんと沙希様ってからんだことあったっけ?
タッグタイトルに関しては、
正式にタッグチームである、っていうのがほぼほぼないので
(美威獅鬼軍、爆れつシスターズ、マジラビ…でもみずぴょんすはPOP挑戦)、
毎回、急造チームが挑戦する流れになるのよね。
それだと納得のいく勝敗のつきかたになる気がしないので、
もうちょっとタッグのストーリーを考えてほしいなぁ。
ベルトが増えちゃって余計にタッグチームが組みづらい状況ではあるのに。

〇瑞希&伊藤麻希 vs 愛野ユキ&中島翔子
POPの前哨戦…というよりも、
伊藤リスペクト軍団久々の結成、及びその解散をテーマにした試合。
そもそも伊藤リスペクト軍団ができたのは、
ほぼほぼ新人状態だった伊藤ちゃんさんが先に東女に参戦し始めて、
その後、時を置かずにみずぴょんすが東女に参戦。
その初戦が伊藤ちゃんさん対みずぴょんすで。
プロレスにおいては大先輩だけれども東女では先にリングにあがっていた伊藤ちゃんさんが、
みずぴょんすをうまくふわっと巻き込み、そして逆にいいように利用されてきた?のが経緯。
個人的な感想だけど、それ。
で、件のタッグトーナメントでマジラビが産まれて伊藤リスペクト軍団は開店休業に。
そして伊藤ちゃんさんもそれなりにプロレスができるようになってきたので、
今回発展的に解散。
そしてみずぴょんすは結果として人気実力ともに上昇し、
それに対して伊藤ちゃんさんが嫉妬心を燃やす…という非常に伊藤リスペクト軍団っぽい流れに。
イッテンヨンのタイトルマッチをピークに伊藤ちゃんさんが足踏みをしている印象はあって、
山下さんとのタッグチーム結成の目もなくなり、
このユニット解散の先になにがあるの?というのが注目点。
伊藤ちゃんひとりだとなんにもできない気はしています。どうなんだろう。
で、この試合のPOP前哨戦としての立ち位置は、
翔子さんとみずぴょんすはトーナメントで既に対戦済みで、
それぞれがお互いの手の内をわかりきっているので今回はそれをこなした印象。
本気でのシングルがこんだけ近い期間に続いちゃうと、
新しいことを見せないといけないから大変だよね…

〇万喜なつみ vs 上福ゆき vs 辰巳リカ vs まなせゆうな
インターナショナル・プリンセス初代王座争奪日本代表決定戦。
東女二本目のシングルのベルトだけれども、
これって上位グループとそれ以外の差が大きくなりすぎてしまって、
なんとなーく中間位のタイトルが必要となった…って流れなんだろうか。
海外戦略といえども、基本的に鎖国体制の東女。
海外は単発で遠征はあったものの、海の向こうからの参戦ってのはないわけで、
看板にいつわりあり…みたいなことにならなければいいけど…
選ばれた4人は今年になってPOPに挑戦していない人で最近調子のいい人…ですか。
まあ、ワカル。
実績トーナメント準優勝、ベスト4の人気者、謎の勢いあるドラゴン、成長株で日本一の美女レスラー。の4人。
納得のメンツ。最後一人残りの4WAYははじめてだっけか。
ベルトに色的には辰巳リカ!自分の気持ち的にも辰巳リカ!
最近の試合の気狂い加減から考えてもここは辰巳リカしか!
と気合を入れて観戦に臨んだ一戦。
かみーゆは事前のtwitterでもインターナショナルには自分がふさわしいと宣言していたし、
試合序盤で英語でまくし立てて獲ります宣言をしたものの、
まなせさんにぼこられていたのは二人の関係性を考えてもぐっときました。
正直、実力的には劣るかもしれないけど、
リング下で体力を温存しつつ戦況をみつめ、
いきなりまなせさんを脱落させ、
その後は四の字固めをひっくり返して翻弄したりして、
結果的には二人を脱落させた功績はでかい。
万喜さんと一騎打ちになったときは場内がほぼかみーゆの応援で素晴らしい雰囲気だった。
複数人のときに場外で待機はできても、
一対一だとちょっと分が悪かった…
でもいいところまでいって間違いなく試合の主役はかみーゆだった。
まなせさんは準優勝者の実力者ということで3人に同時にマークされてしまったのが痛い。
リカさまはこれはもう本当に悔しい敗戦。
いま現在の東女の中でも古株のひとりだけども、まだタイトルには無縁で、
そろそろ目に見える結果が欲しかったよなぁ。
技の精度もあがってたし、
なにより試合の内容が唯一無二化しててかなりの充実度だったと思ってたんだけど…
万喜さんはちょっとまだ応援している気持ちではないので複雑な気持ちです。
これ、正直なところ、海外のレスラー相手に初代決定戦をやったとしても、
その歴史にその誰だかわからない海外選手の名前を刻むわけにはいかないよね?
だもんで万喜さんが初代になっちゃうんじゃないか?って。
東女移籍の経緯もなんかもやっとしていたので、万喜さん自体にももやっと感があるのは正直なところ。
政治的ななにかが働くのはなぁ。うーん。