2019/12/26
我闘雲舞「2019年もありガトームーブ新木場大会」
○桐原季子&小石川チエ vs 咲百合&沙也加
ガトム2019新人群の中で比較的一般人的な4人のタッグ戦。
実力伯仲(桐原さんはちょっと除く)の中で、本当に個人の個性だけがそれぞれ際立つ印象。
プロレスラーってどこか普通じゃない人が抜け出しやすいけど、
ガトム(や女子プロレス)のおもしろいところは、
普通の人が普通じゃなくなっていく過程を楽しむ部分も(個人的には)あって、
じゃあ、普通じゃなくなるためには?っていうのはリミッターを外すことだな、と。
それでもリミッターって人それぞれ違うし、
意味も能力値(伸びしろとも言う)や個性分布だったりして多種多様。
外してみないとわかんないものがある。
ん、で、
この中では小石川さんと咲百合さんのリミッターが普通じゃない変な位置にある。
、、気がしました。観る人それぞれからの印象はあるだろうけど。
あと好き嫌いですかね。
趙雲子龍 vs 朱崇花
巧いレスラー同士の一戦。
決着まで至らなかったのは納得。
朱崇花選手については思うところたくさんあるんだけど、
見るたびによくなっているのでいい選手。
趙雲先生はもうキャラが強すぎて職人芸ですらある。
その中で基本がしっかりしているのと、
それに基づいた論理的な応用技術があるので安心感が凄いです。
たとえ弱そうに見えたとしても、技術力の高さ故、と納得。
この試合、決着があるストーリーがあったらどうなるんだろうか。
続編求む。
○水森由菜&SAKI vs リンリン&TAMURA
ヒートアップ道場の威信をかけたタイトルマッチ。
リンリン先輩がここに抜擢されたのはキャリアを考えたら素晴らしい。
タッグ戦といいつつ、所属はゆなもんとリンリン先輩のみ。
チームで力を合わせる!というよりは、片方が片方を終始フォローする展開。
当然、たむたむリンリンは師弟コンビらしく弟子を師匠がフォローする展開で胸熱。
リンリン先輩のここぞ!というところでの腕を極める場面は「勝てる!」と思いました。
しかしまあ、地力に勝る王者チームの勝利。
ここでTAMURAさんが大人げなく勝ってもね…と納得はするけど、
リンリン先輩の奮闘をみたら勝たせてあげたかったなぁ。
王者チームはSAKIさんが以前、市ヶ谷で、
「物販に来ない人に挨拶をする必要はない」と言い放ったのを聞いてから、
全く応援できないのでした。ゆなもん、すまんやで。って前に言ったっけか。
○アントーニオ本多&トランザム★ヒロシ vs ルルペンシル&さくらえみ
問題作すぎた!好き!
アントンとルルさんの師弟に加えて、
そこに現在のトランザムが加わってカオス以外のなにものでもなかったです。
加えて腰痛のさくらさんがほぼほぼなにも出来ないのでルルさんに丸投げ!
「自分らしく!」を連呼していたのが印象的。
そしてその自分らしさを全方位にぶちまけていたルルペンシルさんのセカイの無限さ。
プロレスというかヨガをしているだけのトランザムの破天荒さ!
こういう怪獣大戦争のような試合こそプロレス!
こういうのが見たかった!
しかしながらルルさんはルルさんなりにハードヒットに技を受けていて、
ちゃんと鍛えられていってるんだなー、と感心しきり。
ただただ本当に怪我が怖いので、
無傷でこのまま弱いままでいて欲しい気持ちでいっぱいです。
やー、いいもんみたわ。
○クリス・ブルックス&高梨将弘 vs サワディー仮面&新納刃
ここ最近来日した外国人レスラーの中でも突出した存在のクリス。
テクニックもあるしアイディアも多彩なのにコメディー展開もできる万能型。
本人がプヲタでもあるのでプロレス脳が高く柔軟すぎる。
DDTで来日しているんだろうけど、最高にガトム向きでしたね。
というかいろいろもったいなく思うけど、まあそれはそれで、、
この試合はそのクリスを含めてプロレス脳と身体能力高めの選手たちで組まれたので、
納得の試合展開でした。
この試合とさっきの趙雲朱崇花戦を合わせてガトムのクオリティが相当高いものに。
素晴らしい。
○紺乃美鶴 vs 駿河メイ
エース不在のガトムにおいて、
いま、このタイミングで、このシングルマッチが組まれる意味を考えたところ、
やっぱりどうしても内外に対して、
「今後はこの人を看板としてガトムをやっていきます!」と宣言する試合だな、と。
では、リーダーである美鶴さんとマスコットであるメイちゃんのどちらが看板なのか!?
そういう発想で見てました(そうじゃなかったのは後々知るわけですが)。
当然、美鶴さんの応援。
美鶴さんは過去に大事なところで怪我や病気や携帯電話の破壊など、
好事魔多しを地でいく不運というか、不遇というか、なんかこう心配になるというか。
タッグのタイトルマッチも直前の怪我で流れ、
さくらさんとのシングルも直前の体調不良で流れ、
リーダー宣言をしてすぐに怪我。
今回、無事に当日を迎えられたことに一番ほっとしました。
逆にメイちゃんは持ち前の度胸というか強心臓というか何も考えてないというか、
好機を確実にモノにしていくタイプの天を味方につけている人間。選ばれた側。
外部参戦も多く、経験値もキャリアの割には高い選手。
そのふたりの激突。
いやー、意地がどかどかぶつかり合う一戦でおもしろすぎました。
メイちゃんムーブを美鶴さんが怒号とともにやったり、
美鶴さんに対してポーズを取り続けるメイちゃんであったり。
今現在のガトムの頂点を奪い合うのに遜色ない一戦でおなかいっぱいになりました。
結果としては美鶴さん劇勝。
…そして試合後のガトムの人事発表でこの試合の意味を知るわけですが、、
単なるOLだったナニモノデモナイ紺乃美鶴という女性が、
徐々に自分の立ち位置を見つけ、その地盤を自分の力で踏み固めて、
周りに認められて団体の選手会長にまで昇り詰めたのは痛快でもあるし、
(プロレスに限らず)いま自分のいる社会の中でポジションを見つけて立ち上がる姿は、
どうしても自分に投影して「あー。もっと頑張らないと自分!」っていう、
背中を押される気持ちになって誇らしくもありました。
試合中と試合後の表情の落差にもくらくらくる。好きすぎるわ、、
2019年、激動の我闘雲舞を支え続けた紺乃美鶴に幸あれ。