2018/12/22
東京女子プロレス「せ~の、メリークリスマス!2018」
○愛野ユキ vs YUMI
今回のスペシャルシングルマッチの組み合わせ抽選で、
YUMIさんを引いたのが自分なのでこのカードを組んでしまった責任の一端を勝手に感じてて。
そういう意味で注目していたこの一戦。
ユキちゃーんのシングル初勝利をすっぽり見逃していたので(あずにゃん卒業の回。休出日)、
おお!シングルで勝った!とびっくりした次第。
身体能力的にはYUMIさんのほうがありそうだけど、
バリエーション的にはユキちゃーんのほうが上だったもんで、
試合に勝つには勝ったけど、わりとあっさり越えられてしまいそうな予感。
YUMIさんはエルボーぐらいしか攻め手がないもんなぁ。
あとはまあドロップキック。
試合を先輩レスラーに作ってもらわないと成り立たないレベルだし、
さらにその先輩、ってのがユキちゃーんだもんで、まだこんなもんかな…って印象でした。
なんかすまんやで。
○ベーダ・スコット&ラク vs ヒナノ&上福ゆき
このメンツで試合中に日本語がまともに喋れるのがかみーゆだけ、という事態に。
英語が話せるのをみんな知っていて、ベーダとも会話できるじゃん?と思わせつつ、
なぜか使わない、っていうの自由すぎて最高。
そろそろかみーゆもいろいろ出来るようになっているので、
まともな試合があってもいい気がする。覚醒の時だよ、かみーゆ。
ベーダさんはマイクベイリーのバーターだもんで、来日の頻度は高いんだけど、
レア感がなくなってきたのでみんな飽きてきているのがかわいそう。
ラクさんはベーダを踏み台にしてのプレーンチョップはとてもよかったです。
あれは他の人とのタッグでも出来るよね、きっと。
それとベーダさんの被り物に興味津々だったのはよかった。
ヒナノさんは酔拳が酔拳になってないのでちゃんとやってください。
酔拳やっておもしろかったのはかみーゆだもん。
何事にも中途半端なんだよ、ヒナノさん。
自撮りの加工が怖いしさー。もー。
それにしても意外と長い時間の試合だったけど、
途中でだらっとせずにいい展開だったのはよかったと思いました。
この試合からちゃんとギアが入った感じ。
○まなせゆうな vs 白川未奈
まなせゆうなさんが終始圧倒しててすごいな、と思いました。
白川さんはどんな芸能的政治力が働いているのはよくわからないけど、
キャリアの浅さが存分に出た印象。
相手の協力があってのプロレスだもの。自分じゃ何もできないでしょ。
逆にまなせさんの自分と相手を魅せるプロレスに終始しているのと、
基本がしっかりしているので綺麗なプロレスが出来ている感じ。
こんな一瞬で決着がつきそうな試合を制限時間ギリギリまで伸ばせたのは、
まちがいなくまなせさんの腕がいいから、ってことですし。
やー、まなせさんのトップ戦線に食い込んでいって欲しいなぁ。
タッグ路線でもいいので。
○ハイパーミサヲ vs ミウ
クリスマスツリーで登場するハイパミさん、ほんと好き…ってなった。
めちゃくちゃじゃん、クリスマスツリーでプロレスするのとか。
さらにそこにミウさんの純朴さがプラスされて、
ガムテで腕を縛って会場の特色を生かした建物の外への放出も、
練習生を影武者に使ってミウさんをだまし討ちする流れも、
なーんの嫌味のないというか、純粋にストーリーが展開したのとか、
計算だったらすごい天才だな、と思ったり思わなかったりしました。
ミウさんはカナディアンに行く流れがもたついたのが目立った印象。
そういえばパワー系を売りにしていたけど、なんか印象が薄い。
ボディアタックをキャッチしたりしているし、
それこそカナディアンバックブリーカーが見せ場なんだから、
そこを見栄えがよくなるように確実性を上げていって欲しい気持ち。
アプガプの中でちゃんとプロレスが出来るのはヒカリさんとミウさんなわけで、
そこでもうちょっとわかりやすい進化が欲しい。
ヒカリさんに置いていかれつつあるよな…
○才木玲佳 vs 天満のどか
この試合好き。どっかんどっかんしてた。
どちらもパワー系ではあるんだけど、タイプが異なっていて、
キックのれいたんと、突撃と絞め技タイプの天満さま。
ショルダータックルの攻防は見応えがあって非常によかった。
天満さまもボディープレスもキルスイッチも、
相手を弱らせた上で出さないとフィニッシュまで至らないのが難点で、
れいたんのシャイニングウィザード→ジャックハマーっていう合わせは、
シャイニングウィザードの時点で弱らせることが出来るので強い。
天満さまはフィニッシュ前のあと一つ欲しいところなのか、そうなると。
おねえさんを捨てて天満さまにキャラ変をしたときに、
失ったのはエモさな気がしていて。
なんか徹底的に追い込まれて必死の形相で向かって行くのって久しぶりに見た気がします。
爆れつシスターズのときって追い込まれるのはユキちゃーんだし。
姉妹タッグを組む意義のようなものは大きくて大切だけど、
ユキちゃーんの世話をいつまでもしているわけにはいかないんじゃないかな。
一度、ユキちゃーんと別れて、
ユキちゃーんがちゃんとした実力をつけたら再び姉妹で組んだらいいんじゃないかなぁ。
お互いのためにも。
まあ、姉妹タッグでいられるにこしたことはないんだけどね。
○伊藤麻希&瑞希 vs 猫はるな&原宿ぽむ
伊藤ちゃんが他の3人の司令塔として終始声をだして動いていたのが印象的でした。
味方のみずぴょんすを励まして、鼓舞して、
敵である新人二人にも叱咤激励を送って盛り上げていたの、
なんか伊藤ちゃんさんしか出来ないものだな、と思いました。
伊藤ちゃんさんが料理人として素材を料理する立場に回ろうとしている意識のひとつなんだろうな。
まあ、相手が新人二人だった、ってのもあるけど。
新人二人はついていくのがやっと…って感じだったのかな。
みずぴょんすが本気のフルパワーでやれずに抑え気味だったように見えました。
ぽむ氏も伊藤ちゃんさんのDDTを出すムーブに対応できなかったところもあったし。
いい教育マッチだったんじゃないだろうか。
それにしてもぽむ氏のギロチンドロップが「ぽむどじゃすてぃす」って技名で、
wikiで断頭台のギロチンを調べると
「ボワ・ド・ジュスティス(Bois de Justice/「正義の柱」の意)」
が出てきて、なんかすげー名前つけたな!っていう気持ち。
ぽむとボワが近かったのミラクルだよな。持ってるぜ、ぽむ氏。
○山下実優 vs ヒカリ
東女のトップとアプガプのトップのある意味頂上決戦。
今年のイッテンヨンにデビューしてほぼ一年経って、
どれだけ通用するのか?っていうのが体感できたってことは、
ヒカリさんにとっていい経験になったんじゃなかろうか。
ただ、たぶん、まだいい経験をした、程度でしかなくて、
一矢報いたようには決して思えなかったのは現実としてあるよな、と。
足りないところはどこだろうか。
アプガプの他の三人とヒカリさんが違うところは、
プロレスの中でどれだけプロレスラーとしての自分を出しているか、
自分の中の闘う気持ちを出しているか、だと思ってて。
他の三人もプロレスには真剣に向き合っているんだろうけども、
その「真剣」の質が異なっているんだと思ってます。
ヒカリさんはプロレスが好き、という気持ちが元々あるから強い。
もっと狂気みたいなのがみたい。
中島翔子 vs 坂崎ユカ
この試合はイッテンヨンのタッグマッチの前哨戦では決してなくて、
いつか来る後楽園ホールメインでのPOP王座のタイトルマッチの前哨戦だった。
ただ、みていてどこか哀しさを感じた一戦。
旗揚げ前から一緒に練習をして、
闘うコメディアンズとして、みらクりあんずとして一緒に切磋琢磨して、成長をして、
その成長のベクトルが同じ方向だったと思っていたんだけど、
どこか方向性が異なって、いま別々の道を歩き始めているのでは?って。
マジラビが解散したとして、元のみらクりあんずに戻れるのか?っていう不安がよぎりました。
その方向性が異なる要員が坂崎ユカというレスラーの覚醒にあると思ってて、
翔子さんの場合は努力で身につけたものを努力で磨きをかけた結果。
ユカっちの場合はセンスで吸収したものを努力で磨きをかけた結果。
努力はセンスに勝てるのか?凡人は天才に勝てるのか?
なんかそんな気持ちになってしまいました。
先日の新宿でのタッグの前哨戦だった6人タッグの後のユカっちの言葉、
「(里歩さまに羽根が生えているのか?と問うた後の)わたしたちにだって羽根はある」
が現実に羽根が生えていることを証明したような試合で、
それを引き出したのは翔子さんだし、
ふたりの共鳴があって、至極の10分間が展開されたんだと思いました。
奇跡だよな、このふたりがいるのって。
だからみらくるなのか。すとんと腑に落ちた。