Xはきみだ

2018/12/27
東京女子プロレス「神田明神交流館こけら落とし公演『プロレスの神様のこと「腕落ちたぞ!」なんてぼやいてたこと懺悔ですね』」

○ハイパーミサヲ vs 原宿ぽむ
パミさんの入場時に「ウルトラリラックス/篠原ともえ」が流れてもう絶叫。
パミさんほんと好きだわ…
そうだね、それがあったね。
パミラー(過去の制服物販時に着用してたやつ)。
そういう伏線じゃないけど、今までちら見せしていたものを、
ここに来てどかーん!と風呂敷を広げるセンスが本当に凄い。
東女に必要な人間、それがハイパーミサヲ。
そんなわけで10年代vs90sの原宿決戦。
ぽむ氏のすね蹴りをルーズソックスがガード、って鳥肌立った。
そういうのに気がつく視点が凄い。
ぽむどじゃすてぃすも不発に終わってしまって残念。
今回は相手が悪かった…パミさん、強いよね、実は。

○中島翔子&まなせゆうな vs 猫はるな&YUMI
ある種の教育マッチではあるんだけど、
猫さんとYUMIさんがなかなかのやり手なので、
通常の対戦と遜色はないように思えました。
にしても東女の誇るテクニシャンの翔子さんと、
プロレス巧者のまなせさんのタッグは強い。そして上手い。
翔子さんも特撮ヒーローものが好きだし、
まなせさんのおもしろいこと、楽しいことへのベクトルが強いので、
大怪獣ばくだんとかふたりのセンスが合わさった感じがよかったです。
入場時の被り物チェンジも非常に素晴らしかった。
翔子さん、めっかわ。
新人さんチームはYUMIさんの気迫というか、
体躯を活かした前目の攻めがよかった。
YUMIさんは本当にすごいレスラーになる気がする。たのしみ。
猫さんも爪でひっかくムーブとかコミカルな面もあるけど、
機動力が高い気がするので、テクニシャンタイプで伸びて欲しいなぁ。

○ベーダ・スコット vs 愛野ユキ
なんかこう、重量級の闘いっぽさあった。
ベーダさんの声ばかり聞こえる試合。
ユキちゃーんがかなり追い込んだ印象あったけど、
結局のところはタックルだけだし、
サイドスープレックスもベーダさんが重すぎて持ち上がりそうもなかった。
パワー系の技を使うのであれば、パワー系の選手にならないと駄目だと思うし、
でもユキちゃんのパワーって体重バランスだもんなぁ。うーん。
なんだかんだで試合が成立して、
逆転勝利に見えたのはベーダさんの巧さの部分だったんだろうか。
雪崩式気味フィッシャーマンスープレックスホールドは面白い。

○HARASHIMA&上野勇希 vs アントーニオ本多&樋口和貞
流石のDDT本体の中でも上位の人たち。
そして流石のアントーニオ本多。アントン人気の凄さがさいこうだった。
ごんぎつねのくだりはアクシデントで上野くんがちんちんを強打したのはミラクル。
オチに来がちな「マラ」って結構地味なワードなのかしらね。
メンツ的には手堅いオーソドックスなDDTのプロレスと、
HARASHIMAさんのシメの「鍛えてるからだー!」が見られて得した気分です。
上野くん、一年半の東女のセコンド業ありがとうございました。

○瑞希&坂崎ユカ&ヒナノ vs ラク&天満のどか&上福ゆき
問題児だらけだな、よく考えてみたら。
3人でのおやすみエクスプレスやらそれの返しの3人でのおはようエクスプレス。
ただヒナノさんの残念脳のおかげでグダってしまったのはなんかそろそろおこだよ。
かみーゆが途中に斬新なアイディアでわがままを言って場を混乱させるの好き。
天満さまのスピード感はマジラビと呼応出来るのでよかったし、
かみーゆはドロップキック一発での期待感と多幸感の高さがよい。
ラクさんもプレーンチョップを徹底させてきていていい方向に。
ヒナノさんは空気だった…
マジラビはもうよすぎてなんにもいえない。
ハイライトは入場時のユカっちとみずぴょんすのツインテールだった。
ユカっちのいまの髪色と相まってエルフ感あったし地獄のような可愛さだった。
なんで早々に取っちゃったのさ。もー。

○山下実優&才木玲佳&白川未奈 vs ミウ&ヒカリ&伊藤麻希
ヒカリさんがよかった。贔屓目はあります。
前日にZERO1道場に行って大谷晋二郎に指導を受けて、
そこで言った一言が
「(アプガプの)他の三人もプロレスへの気持ちを大きくしてもらえれば」で。
じゃあ逆にいまはプロレスへ気持ちが小さいってことだよな、と解釈したんだけども。
まあ、それはそれで。
もうひとつ、大谷の教えであったのが「上を向け」だったと思うんだけど、
確かオカダカズチカがTNAで学んできたことのヒトツが「カメラを意識しろ」だった記憶があって。
それはつまり「正面を向け」で単純に上を向け、前を見ろ、だし、
客席を意識しろ、ってことだよなー、と。
で、ヒカリさんの場合は、コブラツイストをかけているときにどこを見る?って部分で、
声を出しながら上を見ていた気がしたのでなんだか頑張ってる!って思いました。
それを意識して試合を観ると、
れいたんは動作のひとつひとつに「見得」が含まれていて、
メリハリがあるというか、ポイントポイントに区切りがあるんだな、と気がついて、
そりゃプロレスが綺麗に見えるよなぁ、と感心しきり。
見得が切れる=余裕がある、ってことにもつながるのか。ふむふむ。
もうひとりのアプガプであるミウさんも、
気持ちも顔も前を向いている気がしてよかった。
このふたりは確実によくなってる。いいとおもいます。
伊藤ちゃんさんと山下さんの最後の前哨戦。
タイトルマッチが決まってからイッテンヨンまでの二か月の間に、
「練習して強くなる」と言っていた伊藤ちゃんさんが強くなってるの凄い。
技ががっちり決まっている度合いが増えている気がしました。
実際に試合中に沸く場面もあったし(それはアプガプのふたりにもあった)。
おそらく格闘技としてのプロレス、試合構築能力としてのプロレスでは山下さんに分が。
人間力のプロレスとしてのプロレスでは伊藤ちゃんさんに分があるこの一戦。
強うほうが確実に、簡単に勝のが東女のプロレスではないと思うので、
伊藤ちゃんさん戴冠の期待度に現実が追いついてきた。