PRO-WRESTLING」カテゴリーアーカイブ

Quo vadis, domina?

2019/3/22
我闘雲舞「平成最後のガトム新木場 ~Gatoh-Move Japan Tour 416~」

○サワディー仮面&新納刃&チェリー vs 帯広さやか&アントーニオ本多&杏ちゃむ
杏ちゃむさんがよくなってた。
前にみたときはとにかくグラビアポーズで威嚇してるだけの印象で、
プロレス的にはこれからなんだろうな、って思ってましたが、
そのこれからが始まってちゃんとプロレスラーになっていた感じ。
帯ちゃんの多動的な動きは相変わらずで、
サワディーさんとのバックの取り合いは面白かったです。
刃さんはどこかお怪我をしているのかしら…出番が少なかったような。
アントンは相変わらずで、帯ちゃんとのタッグが嬉しいんだな、って微笑ましかったです。

○関根龍一&藤田ミノル vs アンドリュー&E.K.バギー
なんか海外勢の未熟な部分がはっきりと露呈してしまい、
それをミノニーが必死にカバーしてくれたようなお試合。
せっかくの戦闘民族のふたりの参戦だったのにちょっと残念。
関根R氏の「レッツ!」があってよかった。
もっとしつこくやってもよかったのにな、こうなってしまったら。
肉体的には鍛えるのは、簡単ではないけど、まあ簡単で(頑張ればいいやつ)、
プロレス的に鍛えるのは本当に難しいんだな。
持って生まれたセンスみたいなのが必要だろうし、
そういう動きって本当に練習の積みかさねでゴールがないやつだし。
そうおもうと藤田ミノル選手のプロレスレベルって相当高いんだな、と思いました。

○世志琥 vs 駿河メイ
やー、この試合好き。
世志琥先輩はどうしても例の事件の印象もあるんだけど、
DDT参戦時の「実は可愛いところがある」みたいな印象も持っていて。
試合自体もちゃんとした試合は初めて見るレベル。
メイちゃんの天真爛漫さにどれだけ対応できるのか?っていう前テーマ。
結果として、世志琥先輩のプロレス脳の高さというか、
適応能力と優しさと可愛げ、もちろんプロレス的な巧さが見えたという感想です。
ちゃんと自分の世界観を保ちつつ、メイちゃんの世界観にも踏み込んでた。
すごいわ。伊達じゃないわ。
メイちゃんはもうメイちゃんの世界観を持っていてすごいな!っていつも思うんだけど、
こういう選手が相手だと可愛いだけじゃ駄目で、
強さみたいなのが出てこないと駄目なのかしら…と思いつつ、
ガトムだからいいのかな?みたいな気持ちになったりならなかったりしました。
それでも終盤の一騎の畳み掛けは素晴らしかった。
いいよね、メイちゃん。

○高梨将弘&KUDO vs バリヤンアッキ&趙雲子龍
酒呑童子興行には諸般の事情によりいけないので、
休場前のKUDOさんを見ることが出来てうれしい限り。
実はDDTでの推しメンはKUDOさんなので。
高梨KUDO組はこれが最後…かな。
酒呑童子の連携が好きなので存分に目に焼き付けておきました。
四人が四人とも試合巧者なので見応えのあるいい試合。
連携に勝る酒呑童子が勝つ結果。
アッキは結局DDTのセレクションどうなったんだろう。結果待ち?

○さくらえみ vs 紺乃美鶴
美鶴さんのお母様へのカミングアウトマッチ。
レディリンのインタビューで「いつかやる」と言っていたのを心待ちにしてました。
歴史的な試合に立ち会えてよかったです。
ゴング前にお母様に向けて笑顔でVサインを掲げたのを見て、
「嗚呼、尊い…」って思ってしまってなんかヤバかった。
自分の育休期間もあり、美鶴さんの試合を拝見するのは久しぶりで、
その間に里歩さまの休場(&退団決定)もあって、
美鶴さんの「(我闘雲舞の)エース宣言」があったのを知り。
そんなわけで括目しました。
で、やー。かっこいい。
元々気迫を前面に出すタイプの選手でしたが、
それがさらにパワーアップした印象で、
且つ技の確実性があがっているというか、
攻撃力が増したというか。
「チャンピオンはつくれるけど、エースはつくれない」
って常々思っていましたが、
自覚をもってそれを目指していく気持ちさえあれば本当にエースになれるのでは?
と思える姿でした。素敵よ、美鶴さん。
しかしそれでも相手は流石のさくらえみ。
歯が立たないというか、レベルの違いというか、スケールの違いというか。
試合後のお母様へのマイクは美鶴さんの優しさにあふれるいいマイクでした。
カミングアウト的には試合内容で伝えた感じね。
予想よりエンタメ性が少なかったのは自分が期待しすぎだったのか。

○水森由菜&SAKI vs 里歩&真琴
里歩さま欠場明け一発目がタイトルマッチ。
そして我闘雲舞退団が発表されて即のタイトルマッチ。
これが意味するものはなにか?
団体として里歩さまをどうするのか?
っていうどうもひねくれた感情をもって見てしまった部分もあったけど…
もう一つはゆなもんの存在感といまの立ち位置。
若いキャリアで一度タッグのタイトルを獲って、獲られて、
そのまま他団体でシングル王座への挑戦もあり、
勢いは全然落ちずにむしろさらに増している存在。
SAKIさんとのトロピカワイルドタッグの熟成度。そこがポイント。
で、そのトロピカワイルドの熟成度がめちゃくちゃ上がってて、
お互いの信頼度が深まってた。
特にいままではSAKIさんが司令塔として動いていたのに、
ゆなもんが指令を待つまでもなくフォロー、前線として動いてた気が。
前回の敗戦時の印象は、
(悪く言えば)暴走気味のゆなもんをSAKIさんがフォローして軌道修正していたものを、
今回は修正の必要がなくまっすぐに進むゆなもんが存在していて、
ゆなもんの狂気が取れてた(これもいいかわるいかは置いといて、だけども…)。
となればSAKIさんはフォローだけの役回りじゃなくなるのがいい熟成。
が、しかし。
里歩さまも真琴さんも伊達じゃないので、
並び立つマタドーラのように華麗にいなし、豪快に蹴りこみ、叩きつけていて、
例えばタッグマッチが足し算であれば、
それぞれのチームの足し算はまこりほのほうが上。
そして飛び込むスーパーガール。
一瞬の決着に驚きはあったけれども、結果に驚きはなく、
ゆなもんがタッグのベルトを再度奪取。
いやー、凄いわ。勢いって凄い。
黒揃えで登場したまこりほの神々しさは異様だったし、
今回は真琴さんの攻撃力というか、
プロレス的な色気のようなものをびしばしに感じてめちゃくちゃかっこよかったし、
もちろん里歩さんの躍動感は欠場明けとはいえ、
いつも通りの大天使加減だったし、結果としては紙一重。
ただ、これに政治的なものを感じ取ってしまう悪いクセはむくむくとある
(ただトロピカワイルドの戴冠に納得はしている)。
いま持っているベルト(シングルタッグ両方)がガトム退団に伴い、
ひとつひとつ一旦剥がされるのだとしたら、
それを目撃しないといけないのは想像に容易ないことで。
一歩踏み出すのは痛みも伴うのだな、と感じてしまいました。ふむ。

ヒーローになるとき

2019/2/23
東京女子プロレス「Be updated to the future, the future, the future」

イッテンヨン~イッテンゴにかけて自分の身にいろいろなことがおきて、
東女自体はイッテンヨン以来。
その間はユニバースで確認していたんだけど、
選手みんなが一気に成長をして、変化をして、
一瞬たりとも見逃せないな、としみじみ。
謎に焦る気持ち。
そして久しぶりに現地観戦。
席は何故か南側最前!ありがとうございます!

○ぴぴぴぴぴなの&上福ゆき vs らく&愛野ユキ
以前だったらちょっと心配になる4人の試合ですが、
みんな動きがよくなってる!
かみーゆはわりと試合の中心になっていて、
その試合自体の雰囲気というかストーリーというか、
そういうものを作っているムードメーカーになっていて非常にいいと思いました。
本人はやりたいことを自由にやっているはずなので、それがいい方向に。
ひとつひとつの技の見栄えが半端ないのでいつか大化けしそう。
らく&ユキのチームのスピード感もよくてよかったです。
このふたりの現在の関係性はツイッターを追いかけてないとわからないものだけど、
おやすみエクスプレスをタッグパートナーにおねだりしてやってもらう、というのは新しいパターン。
推しメンにおねだりされてデレデレするユキちゃーんもよかったです。
ぴぴぴぴは相手を頭から落とす危険な投げ技は今日はなかったけど、
お水を飲んで酔拳的な動きをするのはパートナーを選ぶなぁ。
かみーゆは適任すぎた。かみーゆすごいな。

○まなせゆうな&乃蒼ヒカリ vs 原宿ぽむ&猫はるな&YUMI
世代的にいままでの所属の新人選手…ってなると未来少女とかになるのか。
あとアプガプロレスは所属なのかな。ちょっと違う?
黒音まほ及び愛野ユキあたりになる感じ?
そのあたりの世代はデビューしてすぐに馴染んだというかなんというか。
でも、いまの世代には一線というか壁…ではないか、
なんか別のひとつ分割された世代に感じているんだけれども…
どうだ。伝わるか、この感覚。
それはたぶん同期の人数がそこそこ多いことが原因で、
この3人の他にうなぎ氏と桐生さんも含めて5人?
未来少女は3人だったけど、小橋選手だけはなんかまた別だったし。
なんかこう、5人組のチーム感があるのはなんとなくいいと思いました。
試合はもう簡単にまなせゆうな先生による教育マッチ。
赤コーナーことまなせゆうなさん大活躍の巻。
まあ、このメンツだとそりゃね…
まなせさんの安心感凄い。
あと乃蒼さんのスタイリッシュさが目立つようになってきた今日この頃。
アプガプの中でもぶっちぎってきたなぁ。
ぽむ氏の負けがこんできた印象がちょっとあるんだけど、
負けブックを書いてもらえるのは信頼度が高い証拠だと思っているので、
この流れはちょっと今後が期待できるぜ、という気持ちです。

○中島翔子&白川未奈 vs 桐生真弥&うなぎひまわり
桐生真弥選手のデビュー戦。
ショートカットでロングタイツといういでたちはなんか逆に新鮮。
特にロングタイツはいままでなかったので(KANNAさんとか?)、
全体的にしゅっとしててかっこいい!お綺麗!
プロレス自体もまだオーソドックスではあったけれども、
身体能力もそこそこありそうなので今後に期待しちゃう!
…というか、翔子さん以外はキャリアが1年に満たないのか。
白川さんもうな氏も謎に貫録あるな…芸能関係の人はすごいな。
白川さんの「チャンス~↑」は定着してきたのが非常によい。
これもかみーゆの功績だよねぇ。かみーゆ、すごいな。
うな氏の「はいっ!」っていう見得の部分を、
白川さんがグラビアポーズで便乗した場面があって、
東女の個性ばらばらのレスラーたちの間で、
どこかつながる属性(この話だったらグラビア属性)があって、
それを試合でリンクさせていくのはいいと思いました。
試合は翔子さんが流石の試合構築だった。
この4人で試合が魅せられる内容になるのはやっぱり翔子さんのチカラ。
やっぱり翔子がナンバーワン。

○辰巳リカ vs ハイパーミサヲ
不死身の辰巳リカ復活!やったぜ!
推しメンだらけの東女にあって、
試合の興奮度というか気持ちのシンクロ率の高さで言ったらリカさま!
怪我からの復帰は本当に嬉しい。
辰巳リカの魅力は言葉じゃ表現できない部分ってあって、
言葉じゃないから伝わってくるものがあるのだな、と、
その試合をする姿から改めて実感した次第。
御身体お大事に…もう怪我せんようにな…
で、復帰戦の相手が文豪ハイパーミサヲっていうのもエモい。
試合当日まで謎に #好きです辰巳リカ の時報ツイートを行ってて、
9時27分=9月27日=辰巳リカ生誕日っていうストーキングまがいだった。
ちょっとサイコがかった行動が、
この試合…というか後々の行動につながるのとか最高すぎる。
試合内容はかなりシリアスなものになっていて、
お互いの怪我をした部分(リカさま=腕、パミさん=膝)と削りあう展開。
この一点集中というのはプロレスとして凄い好きなのでぞくぞくしました。
この日の個人的ベストバウト。
というかハイパーミサヲは強いよ!

○伊藤麻希 vs 万喜なつみ
入団早々に伊藤ちゃんさんに噛みついたはいいけど、
なんかその発言が宙ぶらりんになっていた印象があって、
ここでやっと回収された、という試合。
因縁のつけ方が可愛い可愛くないという言いがかりもいいところなのが東女的。
そして可愛い可愛くないは見る側の個人差があると思うの。
自分的には伊藤ちゃんさんは可愛いで
万喜さんは可愛いは作れる=ぶさいくは隠せる寄りのぶさいくだと思ってみています。
「可愛いは作れる」ってほんと弊害しかない。ぷんすこ。超個人的意見。
プロレス的には当然、万喜さんの実力が数段上
(万喜さんのプロレスは好きです)。
それでも伊藤ちゃんさんの世界観に勝敗含めて持って行ったのは流石。
〆のマイクも完璧だった。

○沙希様 vs 渡辺未詩
本編は試合後にやってくる…!な大河試合。
その前に試合の話。
渡辺さんは「かっとばしていくぞー!」を開発して以来、非常にいい感じ。
さらにレーザービームを開発してまた加速した印象。
身体が棒立ちになってしまう印象はまだ残っているけど、
やられっぷりがよくなってきたというか、倒れ方がいいというか。
その倒れ方が棒立ちから来ているのも応報でよく出来てる印象。
プロレスは表情でやる部分もある好例。いいとおもいます!
沙希様は沙希様で問題ないと思うので、それはそれで。
細かい部分だと、
沙希様がいつものように一輪の薔薇で殴打する際に、
反対コーナーにレフリーの注意をひきつけて…のシーンで、
指さした先に新人ちゃんたちしかいなくて、
咄嗟にリカさまがレフリーの注意をひきつける、という流れがあって。
そこが「咄嗟に」に見えたので流石リカさま、わかってる!って感心していたんだけど、
もしかして伏線のヒトツだったのでは…?
で、試合後の本編だけども…
沙希様がリカさまのことを「初対面」というくだりは、
いつぞやの敗戦のショックでその試合の前後の記憶がない、
っていう話が生きていたのがすごいな、と思いました。
そしてハイパーミサヲの闇堕ちはここ最近の東女の中でも悲劇的でショッキング。
滝川女史の誘拐→改造はまあなんかほのぼのというか、
ショッキングではあったけど「わかるよー」という展開だったけど
(その後の美威死鬼軍のヒール展開とストーリー後の滝川女史への嫌悪はまあ置いといて)、
パミさんが自ら望んでマスクのみならず、ヒーローという立場とすべてを捨てて、
好意をよせる辰巳リカを椅子で殴打し、堕ちたのは凄い空気感だった。
ハイパミさんの言動にはヒーローとしてのみならず、
世を忍ぶ仮のミサヲ(仮)としての人間性すべてがのしかかっている気がして、
天才としての苦悩のような、なんかこう…なんだ。そのー、うん。
これは真剣に彼女の決断を見守らなければならぬ…!と本気でなっている次第です。
が、美威死鬼軍入りした人はみんな卒業して行っているのが心配…
(清水愛、KANNA、滝川あずさ)
しかし東女にはこういうストーリーが必要だったのでいい流れ。楽しみ。

○瑞希&坂崎ユカ vs 小橋マリカ&才木玲佳
結局のところ、JKマッスルのストーリーを回収して完結するための試合だったのかな、と。
ちょっと小橋選手と他の3人の差がありすぎた印象。
怪我から復帰した後に急ぎすぎたのかな。
小橋選手のピークは沙希様戦で、
その先に…というかあれ以上の試合がなかったのが致命的。
なんか「JK」というワードに縛られているのをなんとなーく感じています。
JC来ちゃったし。しかもJCを売りにしてないのが皮肉なもんです。
そしてマジラビとれいたんの華たるや。
今回のマジラビは主戦がみずぴょんすだったのがぐっと来ています。
スピードと跳躍力のイメージだったところに、一気にパワー系というワードが来た。
フロントネックをかけられている状態からのキューティースペシャルが凄い。
そしてほぼほぼ試合に出ていて相手の技を受けまくっていた。
いいプロレスラーは技の受ける技術が高いと思っているので、
ユカっちが世界進出となって、もったいぶらなければならない中で、
その「やられ役」をみずぴょんすに任せている状況で改めて技術の高さがみえた。
やー、すごいな。
しかしマジラビが負けるイメージがまったく沸かない。
これ、よっぽどの相手を連れてくるか、
よっぽどのストーリーがないと納得できないところまで行ってる。
ハードル高いな…

○山下実優 vs 天満のどか
王者、8度目の防衛に成功…という結果。
とにかく天満さまが蹴らて、立ち上がって、突進。
蹴られて、耐えて、蹴られて、倒れて、立ち上がって、突進。
わりと早いタイミングでコードブレーカーが返されたのが残念。
強さよりもエモさが全面に出てくる内容でした。
プロレス技の攻防もプロレスだけど、
こういうどっちが頑丈か?みたいなやりとりもプロレス。
このタイトルマッチはこの二人…というか天満さまにしかできなかった試合。
ただ今大会が序盤からいい試合が多かったのと、
動きの大きいストーリーがあったので、
ちょっとだけ試合の存在感が薄れてしまったのは残念。
これで才木、ベーダ、まなせ、黒音、辰巳、優宇、プリシラ、伊藤、天満…だっけ?
残る手札は坂崎、瑞希、中島、沙希様(パミ)、万喜…微粒子レベルで里歩。
そこで次のタイトルマッチがチャンピオンから指名。
場所は福岡での凱旋試合。
相手がタッグ王者の坂崎ユカ。
現在考えうるカードの中でベストのカードを切ってきた。
ストーリーとしての流れで組まれるわけでもないし、
福岡スターレーンのラストマッチとしての記念碑的意味合いも強そう。
だもんで、ドロー予想ではある。
いまのいろんな状況(ユカっちのAEW出場が特に。負けさせられない)を考えて。
あるならユカっちの二冠。

父と子の「やる」を選ぶ物語

2019/2/16
マッスル「マッスルマニア 2019 in 両国~俺たちのセカンドキャリア~」

正直なところ、プロレスを観はじめたときにはマッスルは終了していて、
後追いもいいところだし、
いつぞやの#大家帝国でしかみたトキがなかったもので。
ただ開催直前までサムライTVで過去のマッスルハウスを観ることが出来たのはよかった。

開会の御発声がライムスターの宇田丸氏で、
映画ロッキーシリーズ(主にクリードの話)をやさしく包みこんだご挨拶がかなりのエモさで名調子すぎた。
「するかしないかの分かれ道でするを選んだ男たちの物語」というのは、
今後も胸に刻んで生きていきたい所存です。やるしかない。

そもそもマッスルはプロレスと演劇の融合というか、
どちらかという演劇に近いものがあって、
(いま思えば今回は)いくつかのオムニバスストーリーが、
ヒトツの裏テーマ、言い換えるのであれば伏線に結びついていて、
エンディングに向けてそれが一気にほどける快感。

東京プロレスリンピック2020選考会及びペドロ高石引退試合
○グレート小鹿&ペドロ高石&趙雲子龍 vs 大石真翔&ヤス・ウラノ&大家健
○青木真也 vs ペドロ高石
マッスルメイツのうち、もっともプロレスラーから遠い存在のペドロさん。
逆にそれがマッスルのアイコンのような存在にまでなっていた印象。
そのペドロさんの引退試合だったけれどももちろんマッスル流というか。
うまいことゲストレスラーであるグレート小鹿選手の顔を立てつつ、
主役であるペドロさんの見せ場をことごとくつぶしていくスタイルの一試合目
(ただし、レフリーが見ていないというテイでしっかり一連の見せ場は披露できていたけども)。
第二引退試合での青木真也選手登場はまさかの人選でびっくり。
正直、DDTに上がりだした頃の青木真也選手の印象しか残ってなく、
格闘技的な強さにこだわりすぎていて、
所謂「プロレス的な強さ」のようなものが物足りない気がしていました。
ので、格闘技的な部分から一番遠く離れたプロレス。
つまりは「マッスルのプロレス」からはDDTでも一番遠いところにいる印象を持っていました。
だもんで一番遠いところから来た。まさかの人選でびっくり。
と同時に青木真也選手に対する気持ちが晴れたというか、
こういうこともやるんだ!?という驚きと嬉しさがあった、という試合。
そしてペドロさんの家族に対する気持ちが、
自分が父親になった今、この先の自分に重ねる部分というか、
父子のストーリーに弱い自分に気がついてだいぶぐっときました。
この「父子のストーリー」はこのマッスル内でかなりの比重があったことが後々判明…
かっこいいおとうさんになりたいぜ、わたくしも!

プロレスラー格付けチェックデスマッチ
・第1格付けチェック「プロレス味覚」
・第2格付けチェック「プロレス音感」
・第3格付けチェック「プロレス感性」
テレビでみたやつだ!
でも、プロレスでどうやって?という3つのことを、
味覚→プロテイン
音感→チョップの打撃音
感性→ブッカー
の「ああ!そういうことか!」という納得できるチョイスでおもしろかった。
あと伊藤ちゃんが出てきたのは嬉しかった。
チョップを撃つ前に思わず声が出ちゃうの可愛い。
ひとつ前のペドロさん引退試合が伏線だったこと、
そしてこのコーナー自体は後々の試合に向けたブリッジ的な役割をしていたのがマッスル的。

純烈新メンバーオーディション2019 時間差バトルロイヤル
○アンドレザ・ジャイアントパンダ vs 酒井一圭 vs 趙雲子龍 vs 渡辺哲 vs 彰人 vs アントーニオ本多 vs 樋口和貞 vs 赤井沙希 vs 大石真翔 vs 竹下幸之介 vs 坂口征夫 vs 大家健 vs 上野勇希 vs ゴージャス松野
純烈は初めてみた!
芸能ニュース的なものはわからないけど、なんとなく背景はわかりました。
イケメン枠での上野くん、彰人さん登場は個人的に嬉しかったし、
征夫さんの純烈がスーパー銭湯アイドルということで刺青はNGというくだりで出てきたのはおもしろかった。
赤井選手は明日のために開発したはずの新技をあっさり披露してた。いいのか。
松野さんがムード歌謡枠にがっちりハマったのもよかった。
なんといってもアントンのお父さんである渡辺哲氏が登場してごんぎつねをしたのはいいもん見た感。
ちんこがちゃんこ鍋にはいって「あちっ!」ってなるのとかすごい。
敗退してリングから帰るときに転んでしまっていたのが心配。
アンドレザさんは登場するだけで獅子舞的なめでたさあるのでなんかおめでとうございますという感じ。
そして新メンバーの見栄えがよくて最高でしたね!
営業先でも人気が出そう!
(そしてエンディングでのつっかさんの話につながるのもおもしろすぎた)

敗者キャプテン肛門爆破ネットニュース時間差掲載タッグデスマッチ
○男色ディーノ&山里亮太 vs マッスル坂井&クロちゃん
いつぞやのDDT両国での山ちゃん肛門爆破のブラッシュアップ。
山場はクロちゃんのお部屋でプロレスをして部屋がめちゃくちゃになるやつ。
花火の使用ぐらい行って欲しかったなぁ。
ネットニュース云々のくだりは各方面に気を使った感じがしました。
CA傘下になった以降のよくあるやつ。

アントーニオ本多 vs DJニラ
そしてメインが名作すぎた…
マッスルの歴史、アントーニオ本多という人間の歴史、
そのふたつの歴史の中でのアントンとマッスル坂井の関係性。
なによりもアントーニオ本多という選手の芸術性が駄々漏れをし、
アントン大好きおじさんのわたくしのツボをぐいぐいと押してきた。
結果、試合終了後のマイクで大号泣ですわ…
かっこよすぎるでしょ、アントーニオ本多。
アントンの相手は…となった時にリング上になにかある(人とは思わなかった)と思ったけど、
それがニラさんだとは気がつかず。
もうアントンの相手はニラさんしかいないし、ここでニラさんが見られるのは本当に嬉しい気持ち。
ロッキー川村が何の前触れもなく登場した時には、
過去のマッスルと鈴木みのるの関係性を思い出して、
「これは鈴木みのる登場フラグ…」と謎に期待をしましたが大外れ。
そして試合はいつのまにかロッキー/クリードの世界に…
ああ、オープニングの宇田丸氏の挨拶につながった!そういうことか!という快感。
スローモーションのエモ味の高さや、
父と子のストーリーといういまの自分の状況に重ね合わさった上で、
心の弱いところをずんずく突いてくる感じ。
すげぇ…すげぇもんみたぜ…
プロレスを見て試合前の選手入場で泣きそうになったのは初めてだし、
試合後のマイクで涙がこぼれたのも初めて。
全てがミラクルだった。
プロレスっていいもんですね、としみじみ感じ帰路についたわたくしでありました。

壊したくない、護りたい、壊したい。

2019/1/4
東京女子プロレス「東京女子プロレス’19」

○乃蒼ヒカリ&渡辺未詩&ぴぴぴぴぴなの&らく vs 原宿ぽむ&小橋マリカ&白川未奈&猫はるな
小橋選手の復帰戦…だったけど、まあその辺はわりとどうでもよくて、
アプガプが初めて4人で組む試合というところが個人的注目ポイント。
リングネームが変更となってぴの字以外はいいリングネームだなーと思ってます。
もうぴの字はいいや。ちょっと受けつけなくなって来てる。
見る側の好みの問題なんだけど…
アプガプの前線2枚がマジラビのタッグベルトに挑戦した時に、
「アイドルもプロレスも頑張ってる!」
ってユカっちが(気を使って)言った相手って4人全員じゃないと思ってる次第。
しかたないよね。適性も、やる気も人それぞれだし。
本当のところは知らないけども。
まあ、それは置いといて。
ヒカリさんがいくつかのチェンジ(リングネーム、衣装)を経て、近々覚醒の予感がします。
リングイン時のコーナー上での憧れ(=葛西純)へのリスペクト精神がみえて、
遠慮なく自分の好きややりたいことをばんばん出していってくれたら嬉しい。
渡辺さんは渡辺姓を手に入れて、
デビュー時の立ち位置、
つまりはアプガプのエース的ポジションに再び就こうとしている印象。
なんか堂々として見える。非常にいいかんじ。
4人のチームでコーナーできゃーきゃー声を出しているのはよかった。
なんかアプガプのチーム感があがってくれると嬉しいんだよなぁ。
メンバーが試合の時は積極的にセコンドについて声援を送ったらいいのに、と常々。
小橋選手は復帰してまだいきなりタッグ戦線に戻る、っていうのは無理かもだけど、
チョップの強度はあがったままだったので安心。
バカチンガーエルボーが浸透していないのは哀しみ。
魅せ方の問題はあると思うけど。
このタイミングでの団体からの再プッシュは不要なので、
また筋トレ頑張ってください。

○ベーダ・スコット vs ハイパーミサヲ vs まなせゆうな
ハイパミ先生の謎の休場前の置き土産。
第2回クイーン・オブ・U.S.A.決定戦。やったぜ。
この試合はまなせさんが本気で勝ちに行ってるのがぐっとくる。
要は椅子取りゲームみたいな感じではあるので、
試合内容云々はまあ、いいかなw
パミさんはなんかまあ個人の事情かおうちの事情な気がしているので、
さみしいことはさみしいけど帰ってくるのをじっと待ってます。
パミさんがいないと東女の魅力が三割減ぐらいだよ。
しかし復帰の仕方もただの戻り方しなさそうなのがパミさん…期待しちゃう。

○万喜なつみ&ミリー・マッケンジー vs 愛野ユキ&天満のどか
元の所属団体の中の人(まあ主に堀田祐美子氏)の駄目さ加減のせいで、
万喜さんの登場がいまいち盛り上がらなかったのはかわいそすぎる。
もっと盛大に歓迎されてくるはずだったのに、
客としてどういう反応をしたらいいのか…みたいな気持ちに。
その辺は残念すぎる。
身体能力は高そうだったので動きもスピーディで面白い感じ。
所謂、女子プロムーブみたいなのがあって(ヘアホイップとか)、
既存の東女のフォーマットではない選手、ってのは伝わってきました。
いいかわるいかは別として。
フィニッシャーがジャーマンスープレックスホールドってのはぐっとくる。
が、どっちかというとミリーマッケンジー選手の投げっぱなしジャーマン的なやつほうが、
絶望感というか破壊力を感じて素晴らしさがありました。
いいよね、投げっぱなしジャーマン的なの。
爆れつシスターズはその点では接待プロレスみたいになってしまったのはかわいそう。
ただ姉の受けのよさが際立ったので、そこはちょっと興奮しました。
ぶん投げられた!ナイス受け身!みたいな。
万喜さんのプッシュがあからさまだと嫌いになりそうなので、
その辺は抑え目にやって欲しいな…
いきなり王座戦ってのはわかりやすすぎてちょっと嫌だ。
あとかわいい設定なのがなー。言うほどかわいいかなぁ。

○赤井沙希&YUMI vs うなぎひまわり&上福ゆき
うなぎひまわり選手デビュー戦。
シンクロ経験がありつつ、前田慶次になりたいという謎の願望があってのコス。
水着タイプは東女にはあまりいなかったので、
襟元の前田慶次感と相まっていいと思います。
シンクロやっていたのであれば、運動神経もスタミナも相当あるだろうし、
体幹やバランス感覚もよさそうよね。期待しちゃう。
見得をびしーっと切ってからのレッグドロップは重そうでいいわね。
あとチョークスラム?ロックボトム?
ファンをつかむのが上手な気がするので、その辺で推されていく選手になれたらいいな、と
(自分の推しメンはもうこれ以上増やしません。たぶん)。
試合自体はかみーゆが回していた印象。
赤井沙希さんはわりと淡々と蹴りを中心に組み立てていくので、
かみーゆが赤井沙希を怖がったり、下手に出たり、媚を売ったり、
後輩のYUMIさん相手に上から目線だったり強気だったり
(「YUMI!あがってこいよ!」って言ったけどYUMIさんあがってこなかった)、
なんかそういう賑やかしじゃないけど、
言い回し云々で試合をかき回していくのは非常にいいと思います。
ただブレーンバスターが怖かった…
YUMIさんはまっすぐな感じが正統派感が出ていて期待。
まっすぐに伸びていって欲しい。

○里村明衣子 vs 才木玲佳
この試合はめちゃくちゃおもしろかった。
才木玲佳という選手は東女の中ではオーバスペックな一面もあるので、
フルパワーが出せる相手が限られていたと思うの。
で、女子プロレス界の横綱である里村選手という、
フルパワーを出したらがっちり受け止めてくれて、
その与えたパワーを上回るフルパワーを返してくるという、
いままでに経験したことのない相手だったのでは?と。
筋肉に自信があるのに、パワー負けしたりしつつ、
打撃も強めに受けてるし、
実際に見たこともない苦悶の表情であったり、
慌ててのリング外へのエスケープであったり(すぐ戻されてたけど)、
東女では初体験の試合だったのでは?と感じました。
逆に今までのキャリアでやっと里村にたどり着いたのであれば遅すぎたのでは?と
(他団体ではどういう試合を組まれていたのか把握してないのでなんともだけど)。
もしかしたら東女にいるよりももっと面白い世界がプロレス界には待っている、と感じて、
れいたんが東女を飛び出してしまうのが怖いような不安に駆られたのも事実。
それぐらいターニングポイントになったのではないだろうか。
里村明衣子は確かに強いし、東女の上位陣の壁になっているのだけれども、
壁ではなくて乗り越えられる障害になってもらえるぐらいじゃないと困る…のかな。
たぶん山下さんよりれいたんのほうが里村選手は好きだと思う。
素直にまっすぐだし。プロレス向きだし。

○坂崎ユカ&瑞希 vs 中島翔子&里歩
やー。いやー。うーん。
翔子さんをみずぴょんすがキューティースペシャルで投げ、ダウン。
そのあと里歩さまをユカっちがマジカルメリーゴーランドで投げ、排除。
で、ゆっくりめにトップロープに登りマジカル魔法少女スプラッシュ、と。
翔子さん、フォール返せずスリーカウント。
王座チーム防衛。
そこ、フォール返せませんでした?な流れだったのが消化不良。
もちろん応援していたチームが負けたんだから消化不良には違いないんだけど…
坂崎中島の一騎打ちの流れの中では翔子さんがユカっちを圧倒していた印象。
贔屓目込みで。
里歩さまの蒼魔刀だっていいタイミングでびしーっと決まったし。
翔子さんの619…と見せかけて場外へトペからの里歩さまの619とか、
ダブルのノーザンライトとか、見せ場は多かったよなぁ。
やっぱりみらクりあんずのストーリーとりほぴょんのストーリーがあって
(実際にそのマッチアップが多かったし、終盤はみらクりあんずの試合だし)、
で、坂崎~中島間にはみらクりあんずを壊したくなかった。
瑞希~里歩間にはりほぴょんを壊したくなかった。
中島~りほぴょん間にはなんの関係性もなくて、
瑞希~みらクりあんず間には瑞希のマジラビを守る気持ち。
つまりはみらクりあんずを壊したかった感情があった。ということだったんだろうか。
中島翔子は東女でもナンバーワンだと信じているので、
いつか本当に報われる時が来て欲しい。
そして里歩さまはもっと東女に出て欲しい。ビッグマッチ限定じゃなくて。
でもりほぽいで組むのはやめてね。

○山下実優 vs 伊藤麻希
賛否両論あるとは思うんだけど、
伊藤麻希が伊藤麻希であり続けた試合であり、
彼女の表現の場だった気がしています。
もちろん山下実優は山下実優であり続けた試合でもある。
技術的な意味での実力差はもちろんあったし、
技の強さ、格闘技としてのプロレス的な強さと、
本当に気持ちの強さ、人間力としてのプロレス的な強さ。
などなど、もういろいろなものの比較がこの試合にあった。のか、な。
後楽園ホールでいったいなにを観たんだろうか。
試合後に山下選手から「オンリーワン」のワードが出たけど、
この試合こそがプロレスの中でオンリーワンと呼べるような試合だったのではなかろうか。
いやー、いいもんみた。
そして伊藤麻希に夢を重ねていた自分はいい夢見たぜ…みたいな気持ちだし、
この夢がいつか叶うと信じてます。

イッテンヨンテンボウ

○うなぎひまわりデビュー戦
赤井沙希&YUMI vs 上福ゆき&うなぎひまわり
うなぎさんは元々が芸能活動をしている人だったので、
練習生の時の物販での客さばきや対人能力が非常に高くて、
その時点で好感度はめちゃくちゃありました。
自主イベントとかもあったし。
同理由で、自分の見せ方とかもわかっていると思うので、
身体能力は未知なので置いといて、プロレス的な動きには期待しています。
でもプロレスはわりと別物だからどうなるんだろうか。
もうひとつの見どころは全員が高身長なところ!
見栄えがいいのは重要な要素だよね!

○小橋マリカ復帰戦
小橋マリカ&白川未奈&猫はるな&原宿ぽむ vs ラク&ヒカリ&ヒナノ&ミウ
思いのほか怪我が長引いてしまった小橋さん。
休場前はタッグ王座にいたぐらいアゲ風潮だったんだけど、リセット。
そしてその間に薄れたJKブランド(JCが出てきちゃったもんね)。
正直、休場前でも強かったのは一瞬だし、
それはプロレス的なものよりも気持ちの問題だったと思ってるので、
どこまで取り戻せているのかが不安です。
また「よっしゃいくぞー」とへにゃっと言ってぺちぺちチョップしたらがっかりだよね。
で、この試合のメンツを見るとアプガプがひっぱるまさかの展開に?
大晦日のワンマンを経由したからといっていきなり強くなるとは思えないので、
さあ、どうなっちゃうんだろう?って。
ちょっと不安だな。白川さんが政治力でぺろっと勝っちゃうのとか嫌だな。

○3WAYマッチ
ハイパーミサヲ vs まなせゆうな vs ベーダ・スコット
ベーダさんが試合巧者であると仮定して、
文豪ハイパミ先生の執筆したものに、
まなせさんとベーダさんという試合巧者二人が乗っかってわちゃわちゃすると期待。
ここはとにかくパミ先生の世界観が存分に出ると思うので、
名作を期待するしかない!
そしてその期待を裏切らないのがハイパーミサヲ先生だ!

○天満のどか&愛野ユキ vs ミリー・マッケンジー&X
やー。この試合がなー。
Xが万喜なつみさんだったとして、どういう気持ちで迎えたらいいのかわからない。
シークレットがシークレットでなくなった今、驚きようがないよなぁ。
そういう意味で、あちらの団体のおばさまがひとり暴走してしまった気持ちでいっぱい。
ミリーマッケンジー選手もちょっと存じ上げてないのでどうなるんだろうか…
うーん。
爆れつシスターズが噛ませ犬にならないことを祈るしかないです。

Xを妄想案件としてとらえると、
X=辰巳リカだと最高にロックで血管切れそうになると思う。
そりゃ理想と現実を加味して考えると、
「いついつ復帰です!」と予告があったほうが復帰を祝う気持ちで迎えたほうがいいんだけど
(紙テープ用意できるしね)、
黒マント姿の謎のケンドーマスクのレスラーが突然駆け込んできて、
リング上の選手を蹴散らしてコーナーに登ってマントを脱いだら辰巳リカ!電撃復帰!
とかのがリカさまっぽくて素敵。
まあないな…w

○スペシャルシングルマッチ
里村明衣子 vs 才木玲佳
この試合は素直な気持ちで楽しみ。
単発のストーリーにはなってしまうんだけど、
今までの試合のように里村が「さあ、どんな選手か見極めたるぞ」
という上からの気持ちだと、
れいたんのプロレスに対する気持ちと強さなら里村も認めざるを得ないものだと思うし、
下手したら相当追い込むところまで行ける気がしています。
才木玲佳というレスラーは東女の中でも相当な上位クラス。
フルパワーの力を出せる相手も限られていたと思うので、
ここで里村明衣子という横綱相手にどこまでつぶされるのかを見てみたい。

○TOKYOプリンセスタッグ選手権試合
<王者組>坂崎ユカ&瑞希 vs 中島翔子&里歩<挑戦者組>
2018年のイッテンヨンからシャッフルされただけでメンバー的には変わらないんだけど、
前回は里歩さまというカードをみずぴょんすが切ってきて、
最強の外敵がやってきたな…という気持ちになりました。
そしてそこの主役はみずぴょんすだった。
今回はマジラビという奇跡のタッグチームを倒すために、
恥も外聞も捨てて里歩さまとのタッグを志願した(であろう)翔子さん。
主役は翔子さん。
そして里歩さまはその翔子さんに救いを与える大天使、という気持ち。
努力に努力を重ねている翔子さんが報われて欲しい!
とにかくその一点。
翔子さんのストーリーということはユカっちのストーリーなわけで、
ここで勝負がつくと思う。
里歩さまのフォローの蒼魔刀が決まるか、が鍵。
マジラビはシャッルフタッグなので負けたら解散、とは言っているけど、
先日の中島vs坂崎による前哨戦シングルを見ていると、
みらクりは発展的に解散して、マジラビが継続する…という流れでもいいと思う。

○TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合
<王者>山下実優 vs 伊藤麻希<挑戦者>
東女にとってギャンブル的なカードではあるけど、
いま賭けざるを得ないのは間違いないベストなタイミング。
伊藤ちゃんさんがタイトルマッチ決定から2ヶ月でどこまで成長したか?に注目。
2ヶ月前までの伊藤ちゃんさんだと凡戦にしかならないと思う。
ここまでの前哨戦では新宿で一本とったけど、
それ以外は見事に蹴り倒されている印象しかない。
蹴られて蹴られて耐えて耐えてチャンス一発にかけるしか。
それにしてもフィニッシャーが想像つかない。
なにか新技があったらおもしろいなぁ。
希望としては伊藤ちゃんさんの戴冠。
それが納得のいく形てあって欲しいと願わんばかりです。

覚醒はみんなの心の中に

2018/12/28
よしむらプロレス番外編「室田渓人の覚醒ロードウォリアーズ〜第1章〜」

○マイケル・マイヤーズ vs 室田渓人 vs ジェイソン・ボーヒーズ
室田渓人選手とは、GOING-UPの新人選手であり役者も現役で兼任するレスラー。
言うなれば、どインディーの新人レスラーのワンマッチ興行。
よしむらプロレスの成り立ちを考えるに、
演劇関係者とよしむらプロレスのレジデント客が集まる程度の集客かと思っていました。
が、蓋を開けて見たら超満員の入り。すごい。
よしむらプロレスが口コミや噂で広がり、
多少の注目を集め始めているのは事実。これはすごいこと。
そして今回のプロレスというかムロくんの覚醒!という謎のテーマ。
覚醒云々は置いといて(思うこと山ほどあるので)、
よしむらプロレスで、つまりはARENAでハードコアマッチで流血ってすごい。
やられてやられてやられて耐えて、反撃をして、結局やられる。
素晴らしいプロレス展開。
応援する対象がムロくんだけ、という場内の雰囲気の作り方が素晴らしく、
見るものを納得させる60分弱の名勝負でした。
そして観戦に来ていたガッツ石島氏の次回参戦の約束と、
GOING-UPとよしむらプロレス提携宣言というミラクル。
よしむらプロレスがこの形で試合を成立したということで、
いくらでも、どんな試合形式でも行えるという無限の可能性が生まれた気がします。
ガッツさんを動かしたのもデカい。
やー、おもしろいな、よしむらプロレス!

Xはきみだ

2018/12/27
東京女子プロレス「神田明神交流館こけら落とし公演『プロレスの神様のこと「腕落ちたぞ!」なんてぼやいてたこと懺悔ですね』」

○ハイパーミサヲ vs 原宿ぽむ
パミさんの入場時に「ウルトラリラックス/篠原ともえ」が流れてもう絶叫。
パミさんほんと好きだわ…
そうだね、それがあったね。
パミラー(過去の制服物販時に着用してたやつ)。
そういう伏線じゃないけど、今までちら見せしていたものを、
ここに来てどかーん!と風呂敷を広げるセンスが本当に凄い。
東女に必要な人間、それがハイパーミサヲ。
そんなわけで10年代vs90sの原宿決戦。
ぽむ氏のすね蹴りをルーズソックスがガード、って鳥肌立った。
そういうのに気がつく視点が凄い。
ぽむどじゃすてぃすも不発に終わってしまって残念。
今回は相手が悪かった…パミさん、強いよね、実は。

○中島翔子&まなせゆうな vs 猫はるな&YUMI
ある種の教育マッチではあるんだけど、
猫さんとYUMIさんがなかなかのやり手なので、
通常の対戦と遜色はないように思えました。
にしても東女の誇るテクニシャンの翔子さんと、
プロレス巧者のまなせさんのタッグは強い。そして上手い。
翔子さんも特撮ヒーローものが好きだし、
まなせさんのおもしろいこと、楽しいことへのベクトルが強いので、
大怪獣ばくだんとかふたりのセンスが合わさった感じがよかったです。
入場時の被り物チェンジも非常に素晴らしかった。
翔子さん、めっかわ。
新人さんチームはYUMIさんの気迫というか、
体躯を活かした前目の攻めがよかった。
YUMIさんは本当にすごいレスラーになる気がする。たのしみ。
猫さんも爪でひっかくムーブとかコミカルな面もあるけど、
機動力が高い気がするので、テクニシャンタイプで伸びて欲しいなぁ。

○ベーダ・スコット vs 愛野ユキ
なんかこう、重量級の闘いっぽさあった。
ベーダさんの声ばかり聞こえる試合。
ユキちゃーんがかなり追い込んだ印象あったけど、
結局のところはタックルだけだし、
サイドスープレックスもベーダさんが重すぎて持ち上がりそうもなかった。
パワー系の技を使うのであれば、パワー系の選手にならないと駄目だと思うし、
でもユキちゃんのパワーって体重バランスだもんなぁ。うーん。
なんだかんだで試合が成立して、
逆転勝利に見えたのはベーダさんの巧さの部分だったんだろうか。
雪崩式気味フィッシャーマンスープレックスホールドは面白い。

○HARASHIMA&上野勇希 vs アントーニオ本多&樋口和貞
流石のDDT本体の中でも上位の人たち。
そして流石のアントーニオ本多。アントン人気の凄さがさいこうだった。
ごんぎつねのくだりはアクシデントで上野くんがちんちんを強打したのはミラクル。
オチに来がちな「マラ」って結構地味なワードなのかしらね。
メンツ的には手堅いオーソドックスなDDTのプロレスと、
HARASHIMAさんのシメの「鍛えてるからだー!」が見られて得した気分です。
上野くん、一年半の東女のセコンド業ありがとうございました。

○瑞希&坂崎ユカ&ヒナノ vs ラク&天満のどか&上福ゆき
問題児だらけだな、よく考えてみたら。
3人でのおやすみエクスプレスやらそれの返しの3人でのおはようエクスプレス。
ただヒナノさんの残念脳のおかげでグダってしまったのはなんかそろそろおこだよ。
かみーゆが途中に斬新なアイディアでわがままを言って場を混乱させるの好き。
天満さまのスピード感はマジラビと呼応出来るのでよかったし、
かみーゆはドロップキック一発での期待感と多幸感の高さがよい。
ラクさんもプレーンチョップを徹底させてきていていい方向に。
ヒナノさんは空気だった…
マジラビはもうよすぎてなんにもいえない。
ハイライトは入場時のユカっちとみずぴょんすのツインテールだった。
ユカっちのいまの髪色と相まってエルフ感あったし地獄のような可愛さだった。
なんで早々に取っちゃったのさ。もー。

○山下実優&才木玲佳&白川未奈 vs ミウ&ヒカリ&伊藤麻希
ヒカリさんがよかった。贔屓目はあります。
前日にZERO1道場に行って大谷晋二郎に指導を受けて、
そこで言った一言が
「(アプガプの)他の三人もプロレスへの気持ちを大きくしてもらえれば」で。
じゃあ逆にいまはプロレスへ気持ちが小さいってことだよな、と解釈したんだけども。
まあ、それはそれで。
もうひとつ、大谷の教えであったのが「上を向け」だったと思うんだけど、
確かオカダカズチカがTNAで学んできたことのヒトツが「カメラを意識しろ」だった記憶があって。
それはつまり「正面を向け」で単純に上を向け、前を見ろ、だし、
客席を意識しろ、ってことだよなー、と。
で、ヒカリさんの場合は、コブラツイストをかけているときにどこを見る?って部分で、
声を出しながら上を見ていた気がしたのでなんだか頑張ってる!って思いました。
それを意識して試合を観ると、
れいたんは動作のひとつひとつに「見得」が含まれていて、
メリハリがあるというか、ポイントポイントに区切りがあるんだな、と気がついて、
そりゃプロレスが綺麗に見えるよなぁ、と感心しきり。
見得が切れる=余裕がある、ってことにもつながるのか。ふむふむ。
もうひとりのアプガプであるミウさんも、
気持ちも顔も前を向いている気がしてよかった。
このふたりは確実によくなってる。いいとおもいます。
伊藤ちゃんさんと山下さんの最後の前哨戦。
タイトルマッチが決まってからイッテンヨンまでの二か月の間に、
「練習して強くなる」と言っていた伊藤ちゃんさんが強くなってるの凄い。
技ががっちり決まっている度合いが増えている気がしました。
実際に試合中に沸く場面もあったし(それはアプガプのふたりにもあった)。
おそらく格闘技としてのプロレス、試合構築能力としてのプロレスでは山下さんに分が。
人間力のプロレスとしてのプロレスでは伊藤ちゃんさんに分があるこの一戦。
強うほうが確実に、簡単に勝のが東女のプロレスではないと思うので、
伊藤ちゃんさん戴冠の期待度に現実が追いついてきた。

いい人でばかりはいられない

2018/12/22
我闘雲舞「Gatoh-Move Japan Tour 397」

○TAMURA vs 水森由菜
ゆなもんがプライベートもプロレスも優しすぎるので、
プロレスで性格が悪いTAMURA社長がそれを教育する、という意味あいの試合。
すごい理由がついた試合だな…
確かにプロレスにズルさは必要で、
優しいだけでは試合には勝てないよな、と興味深かったです。
反則は4カウントまでは反則じゃない、
というルールを逆手に取った巧さみたいなのを再三。
プロレスの奥の深さというか、悪いことも必要っていうことがゆなもんに伝わって、
より幅が広がったら確かにおもしろいなー、と思いました。
TAMURA社長レベルの巧者と試合をすると、
ゆなもんがまだまだなんだな、っていうのがはっきりした印象。
伸びしろが無限なのは脅威。

○高梨将弘&駿河メイ vs 帯広さやか&沙紀
帯ちゃんの市ヶ谷復帰戦。
緊張感が伝わって来て落ち着きのなさが数倍になっていたのが面白かったです。
いいぞ、帯ちゃん。もっとやれ。
ガトムを観はじめた頃は既に帯ちゃんは怪我で本来の動きではなかったし、
わりとすぐに休場してしまったので、
ほぼほぼ初見に近い新鮮な気持ちで見られました。
メイちゃんとは初対決だったのね…そうだよねぇ。
高梨さんも同じく膝の手術を経験していて、
その過去を思って帯ちゃんは復帰まで頑張れた、と言っていたので、
人は人の頑張りをみて、自分も頑張らないといけないと思うし、
いい前例があればそれを目標として目指すことが出来る、と。
自分も頑張らないとな、とプロレスをみて今日も思ったのでありました。
試合はもう帯ちゃんとメイちゃんがわちゃわちゃして、
沙紀さんと高梨さんが締めるところは締める、といった試合。
冷静と情熱。

○さくらえみ&バリヤンアッキ vs 紺乃美鶴&里歩
ガトムのガトムらしい試合。
さくらさんの試合構築能力の高さよ…
さくらえみ70キロ!と嘘をつい(て失敗し)た後に、
正直にさくらえみ80キロを放っ(て成功し)たのはよかった。
みんな、正直に生きないと駄目だよね。
バリヤンアッキの日本のインディーズでプロレスを頑張ります宣言はよかった。
でも、インディーズじゃなくてメジャー進出も夢じゃないと思うので、
なんかそういう道を拓いてあげてほしいなぁ。
さくらさんの力をもってすれば多少なんとかなりそうなんじゃないのかしら。
美鶴さんが再び負けが込み始めたのは不服であります。
なんとかして、なんとかして打開策を見つけ出したい。
にしても、メイちゃんとゆなもんが凄すぎるってのもあって、
なんとなーく余地がないんだよなぁ。むむーん。

我闘雲舞は美鶴さんの存在もあって、多めに行きたい気持ちが強くなった2018年。
更にさくらさんの体操教室やら映画鑑賞会やら誰でも女子プロレスやら、
わりと親近感のわく事案が多かったので、
さくらさんに対して本気の尊敬の念がある。
だもんでひとつ、ありがとうという感謝の気持ち!
(ひとつ、ありがとうという感謝の気持ち)でいっぱいです。
たのしいよね、我闘雲舞。

奇跡が魔法に変わるトキ

2018/12/22
東京女子プロレス「せ~の、メリークリスマス!2018」

○愛野ユキ vs YUMI
今回のスペシャルシングルマッチの組み合わせ抽選で、
YUMIさんを引いたのが自分なのでこのカードを組んでしまった責任の一端を勝手に感じてて。
そういう意味で注目していたこの一戦。
ユキちゃーんのシングル初勝利をすっぽり見逃していたので(あずにゃん卒業の回。休出日)、
おお!シングルで勝った!とびっくりした次第。
身体能力的にはYUMIさんのほうがありそうだけど、
バリエーション的にはユキちゃーんのほうが上だったもんで、
試合に勝つには勝ったけど、わりとあっさり越えられてしまいそうな予感。
YUMIさんはエルボーぐらいしか攻め手がないもんなぁ。
あとはまあドロップキック。
試合を先輩レスラーに作ってもらわないと成り立たないレベルだし、
さらにその先輩、ってのがユキちゃーんだもんで、まだこんなもんかな…って印象でした。
なんかすまんやで。

○ベーダ・スコット&ラク vs ヒナノ&上福ゆき
このメンツで試合中に日本語がまともに喋れるのがかみーゆだけ、という事態に。
英語が話せるのをみんな知っていて、ベーダとも会話できるじゃん?と思わせつつ、
なぜか使わない、っていうの自由すぎて最高。
そろそろかみーゆもいろいろ出来るようになっているので、
まともな試合があってもいい気がする。覚醒の時だよ、かみーゆ。
ベーダさんはマイクベイリーのバーターだもんで、来日の頻度は高いんだけど、
レア感がなくなってきたのでみんな飽きてきているのがかわいそう。
ラクさんはベーダを踏み台にしてのプレーンチョップはとてもよかったです。
あれは他の人とのタッグでも出来るよね、きっと。
それとベーダさんの被り物に興味津々だったのはよかった。
ヒナノさんは酔拳が酔拳になってないのでちゃんとやってください。
酔拳やっておもしろかったのはかみーゆだもん。
何事にも中途半端なんだよ、ヒナノさん。
自撮りの加工が怖いしさー。もー。
それにしても意外と長い時間の試合だったけど、
途中でだらっとせずにいい展開だったのはよかったと思いました。
この試合からちゃんとギアが入った感じ。

○まなせゆうな vs 白川未奈
まなせゆうなさんが終始圧倒しててすごいな、と思いました。
白川さんはどんな芸能的政治力が働いているのはよくわからないけど、
キャリアの浅さが存分に出た印象。
相手の協力があってのプロレスだもの。自分じゃ何もできないでしょ。
逆にまなせさんの自分と相手を魅せるプロレスに終始しているのと、
基本がしっかりしているので綺麗なプロレスが出来ている感じ。
こんな一瞬で決着がつきそうな試合を制限時間ギリギリまで伸ばせたのは、
まちがいなくまなせさんの腕がいいから、ってことですし。
やー、まなせさんのトップ戦線に食い込んでいって欲しいなぁ。
タッグ路線でもいいので。

○ハイパーミサヲ vs ミウ
クリスマスツリーで登場するハイパミさん、ほんと好き…ってなった。
めちゃくちゃじゃん、クリスマスツリーでプロレスするのとか。
さらにそこにミウさんの純朴さがプラスされて、
ガムテで腕を縛って会場の特色を生かした建物の外への放出も、
練習生を影武者に使ってミウさんをだまし討ちする流れも、
なーんの嫌味のないというか、純粋にストーリーが展開したのとか、
計算だったらすごい天才だな、と思ったり思わなかったりしました。
ミウさんはカナディアンに行く流れがもたついたのが目立った印象。
そういえばパワー系を売りにしていたけど、なんか印象が薄い。
ボディアタックをキャッチしたりしているし、
それこそカナディアンバックブリーカーが見せ場なんだから、
そこを見栄えがよくなるように確実性を上げていって欲しい気持ち。
アプガプの中でちゃんとプロレスが出来るのはヒカリさんとミウさんなわけで、
そこでもうちょっとわかりやすい進化が欲しい。
ヒカリさんに置いていかれつつあるよな…

○才木玲佳 vs 天満のどか
この試合好き。どっかんどっかんしてた。
どちらもパワー系ではあるんだけど、タイプが異なっていて、
キックのれいたんと、突撃と絞め技タイプの天満さま。
ショルダータックルの攻防は見応えがあって非常によかった。
天満さまもボディープレスもキルスイッチも、
相手を弱らせた上で出さないとフィニッシュまで至らないのが難点で、
れいたんのシャイニングウィザード→ジャックハマーっていう合わせは、
シャイニングウィザードの時点で弱らせることが出来るので強い。
天満さまはフィニッシュ前のあと一つ欲しいところなのか、そうなると。
おねえさんを捨てて天満さまにキャラ変をしたときに、
失ったのはエモさな気がしていて。
なんか徹底的に追い込まれて必死の形相で向かって行くのって久しぶりに見た気がします。
爆れつシスターズのときって追い込まれるのはユキちゃーんだし。
姉妹タッグを組む意義のようなものは大きくて大切だけど、
ユキちゃーんの世話をいつまでもしているわけにはいかないんじゃないかな。
一度、ユキちゃーんと別れて、
ユキちゃーんがちゃんとした実力をつけたら再び姉妹で組んだらいいんじゃないかなぁ。
お互いのためにも。
まあ、姉妹タッグでいられるにこしたことはないんだけどね。

○伊藤麻希&瑞希 vs 猫はるな&原宿ぽむ
伊藤ちゃんが他の3人の司令塔として終始声をだして動いていたのが印象的でした。
味方のみずぴょんすを励まして、鼓舞して、
敵である新人二人にも叱咤激励を送って盛り上げていたの、
なんか伊藤ちゃんさんしか出来ないものだな、と思いました。
伊藤ちゃんさんが料理人として素材を料理する立場に回ろうとしている意識のひとつなんだろうな。
まあ、相手が新人二人だった、ってのもあるけど。
新人二人はついていくのがやっと…って感じだったのかな。
みずぴょんすが本気のフルパワーでやれずに抑え気味だったように見えました。
ぽむ氏も伊藤ちゃんさんのDDTを出すムーブに対応できなかったところもあったし。
いい教育マッチだったんじゃないだろうか。
それにしてもぽむ氏のギロチンドロップが「ぽむどじゃすてぃす」って技名で、
wikiで断頭台のギロチンを調べると
「ボワ・ド・ジュスティス(Bois de Justice/「正義の柱」の意)」
が出てきて、なんかすげー名前つけたな!っていう気持ち。
ぽむとボワが近かったのミラクルだよな。持ってるぜ、ぽむ氏。

○山下実優 vs ヒカリ
東女のトップとアプガプのトップのある意味頂上決戦。
今年のイッテンヨンにデビューしてほぼ一年経って、
どれだけ通用するのか?っていうのが体感できたってことは、
ヒカリさんにとっていい経験になったんじゃなかろうか。
ただ、たぶん、まだいい経験をした、程度でしかなくて、
一矢報いたようには決して思えなかったのは現実としてあるよな、と。
足りないところはどこだろうか。
アプガプの他の三人とヒカリさんが違うところは、
プロレスの中でどれだけプロレスラーとしての自分を出しているか、
自分の中の闘う気持ちを出しているか、だと思ってて。
他の三人もプロレスには真剣に向き合っているんだろうけども、
その「真剣」の質が異なっているんだと思ってます。
ヒカリさんはプロレスが好き、という気持ちが元々あるから強い。
もっと狂気みたいなのがみたい。

中島翔子 vs 坂崎ユカ
この試合はイッテンヨンのタッグマッチの前哨戦では決してなくて、
いつか来る後楽園ホールメインでのPOP王座のタイトルマッチの前哨戦だった。
ただ、みていてどこか哀しさを感じた一戦。
旗揚げ前から一緒に練習をして、
闘うコメディアンズとして、みらクりあんずとして一緒に切磋琢磨して、成長をして、
その成長のベクトルが同じ方向だったと思っていたんだけど、
どこか方向性が異なって、いま別々の道を歩き始めているのでは?って。
マジラビが解散したとして、元のみらクりあんずに戻れるのか?っていう不安がよぎりました。
その方向性が異なる要員が坂崎ユカというレスラーの覚醒にあると思ってて、
翔子さんの場合は努力で身につけたものを努力で磨きをかけた結果。
ユカっちの場合はセンスで吸収したものを努力で磨きをかけた結果。
努力はセンスに勝てるのか?凡人は天才に勝てるのか?
なんかそんな気持ちになってしまいました。
先日の新宿でのタッグの前哨戦だった6人タッグの後のユカっちの言葉、
「(里歩さまに羽根が生えているのか?と問うた後の)わたしたちにだって羽根はある」
が現実に羽根が生えていることを証明したような試合で、
それを引き出したのは翔子さんだし、
ふたりの共鳴があって、至極の10分間が展開されたんだと思いました。
奇跡だよな、このふたりがいるのって。
だからみらくるなのか。すとんと腑に落ちた。

さよならがんばっている人

2018/12/16
ガンバレ☆プロレス「BAD COMMUNICATION 2018」

○勝村周一朗&鶴巻伸洋&岡田剛史 vs 鷲田周平&大和ヒロシ&安部行洋
安部ちゃん復帰は嬉しい。
それなりに基礎が出来ていると思っているので、
安部ちゃんのプロレス的な動きは好きなのです。
自己アピールが不器用な印象なのでうまく立ち回って自己主張して欲しいなぁ。
もう一人の復帰選手である鷲田選手は、
先発を買って出て瞬殺をされたり、
他の選手の見せ場を奪ってまでタッチを求めて、結局負けてみたり。
背が高いのでブレーンバスターが映える、キックが重そう。など見せ場的なものはあるど、
なんだかんだで何もできないんだな、って思いました。
勝村先生が圧倒的な強さを見せてかっこよかった。
勝村先生がガンプロの中でこのポジションなのはもったいないし、
勝村軍のストーリーをちゃんとやればいいのに、って思ってます。
ガンプロのそういうところがもったいないな、って。
出来ることいっぱいあるでしょ。

○夏すみれ&フェアリー水道橋 vs HARUKAZE&春日萌花
フェアリー水道橋は気に食わないな…
讀賣のユニフォームを着た時点で拒否反応だわ。
にしても、試合を作ったのはフェアリー選手だった印象もあるわけで。
夏さんの久しぶりの参戦もうれしい限り。
よしむらさんとの「厚化粧!」のやりとりもあって納得の流れです。
しかし、ガン女は必要なのかな。
ガン女のかわりに通常のストーリーを膨らませて欲しい。できなそうだけど。

○佐野直&カーベル伊藤 vs 力&三富政行
古のガンプロにあったインディー感あふれる怪しさみたいなのが薄れていて
(木人ケンとかパンダとかドクターキリコとかそういうの)、
それにあたるのが今回のこの試合だったんだな、と。
わたくしたちはなにをみせられているんだろう…っていうアレ。
カーベル伊藤選手はよくわからないんだけど、
どっかの企業の社長さんが半分道楽でプロレスをやっている、ってことなのかしら。
お金で試合を買ったり大会をスポンサードして、っていう。
まあ本人は本気でやっているんだろうけど、
チャンスをお金で買うのはどうなんだろう。プロレス的な意味で。
なんかそういう匂いがしちゃうと嫌悪感ある。
いずれにせよ細かいことはわからない。どうでもいい。
でも、力さんの知恵遅れなところをうまく試合に取り込めていたのは面白かったです。
「りきどうざんのまごー!」「おまえはばかか!」ってのはひどくてよい。
三富さんはせっかくガンプロに参戦したのに、災難だったね…

○秋山準 vs 石井慧介
四天王プロレスっていうのを通過していないわたくしですが、
秋山準選手の凄さ…というか凄味かな。
そういうものがはっきりわかって観ていて気持ちがよかったです。
あそこまでエグく、完膚なきまでに叩き潰すのはとてもよい。
ほぼ膝蹴りだったなぁ。
石井選手は食らいつくのがやっと、という印象。
それにしたって、通常の石井選手の強さ以上のものはあったし、
いろいろ意気は感じたので、
ベースアップした姿を今後見せて欲しい気持ちでいっぱい。
ガンプロにはいつまでいてくれるんだろうか。
もう目的を果たしてしまった感ない?本人の中で。

○ジェイク・リー vs 岩崎孝樹
ふたりの関係性は煽りVで把握。なるほど。
DDTで練習をしているのと全日本で練習をしているのとでは、
質やレベルがどうしても異なってしまうと思うの。
DDTのレスラーってどこまで本気で練習しているんだろうか。
全日本の練習に参加したらついていけるのかな。
なんとなーくその差が出たのかな、という試合の感想。
バックドロップで試合があっさり終わって、
ジェイクリー選手を両手を広げていた姿に、
「なーんだ、こんなもんか」みたいなメッセージを感じました。
DDTのプロレスってなんなんだろうか。
文化系だから別に徹底的に強くならなくていいのかな。

○今成夢人&翔太 vs 下村大樹&関根龍一
ガンバレ☆プロレスを今回の後楽園に連れてきたのは今成さんの功績がデカい。
今成革命を掲げてどこか吹っ切れたこのプロレスラーは、
プロレスがより非プロレス的になると輝くことが分かった。
その非プロレス的なものが今回のシンガポールケインマッチ(=竹刀使用OK)。
ただめちゃくちゃに暴れるように両手に持った竹刀を振り回している姿が、
不思議と狂気と美しさをまとっていたのがおもしろかったです。
ただ、この試合は、後ろにそれぞれ翔太選手、関根選手が控えているのがポイントで、
そのプロレス脳の高い二人がいるからこそ、
これがプロレスの試合として成立して、説得力のあるものになったんだと思ってます。
戦闘民族は好きだけど、下村くんはまだ一歩足りない気がしていて、
大人しい印象なんだよなー、彼。
あまりしゃべっているのを見たこともないし。感情も感じ取りづらいイメージ。

○藤田ミノル vs 大家健
藤田ミ選手が定期参戦していたガンバレ☆プロレスが好きで
(トモダチ軍(仮)のストーリーの時)、
ふと気がつくと大家健を観たいんじゃなくて、
藤田ミノルがみたいのではないか?
藤田ミノルの存在こそがガンバレ☆プロレスだったのではないか。
そういう自分に気がついて早幾年。
多少、ガンプロの会場からは足が遠のいていました。
そして今回の後楽園大会観戦の目的が完全にこの試合、
つまり藤田ミノルの生き様を観ること、になっていました。
じゃあ、その間の大家さんは?というと、
自分の印象だとただただ迷走している感じだし、
「プロレスをメジャースポーツにする!」も言わなくなってきたし、
逃亡、キャラ変、覚悟が出来てない発言、等々。
この試合自体も覇気がないように見えたし、
ノーロープ有刺鉄線という見た目が派手になる試合形式にしたけれども、
試合が成立したのはミさんのおかげとしか思えないし。
大家さんは闘っていたんだろうか。
だとしたらなにと闘っていたんだろうか。
藤田ミ選手の奮闘は数多くあり、
場外を暴れまわり、椅子で殴られ、有刺鉄線の巻かれたコーナーへ突入し、
有刺鉄線を自らの身体に巻きつけてのラダーからのダイブまで行っていたのはミさん。
大家健は何をした?
藤田ミ選手は大家健を殴るたびに虚しくなったのではなかろうか。
空虚を殴り続けるのは精神的な体力が必要だよね、きっと。
単純にノーロープ有刺鉄線マッチとしてはおもしろかった。藤田ミさん凄い。
ガンプロのメインイベントしてはどうだったのか?と聞かれたら、
なんとなく物足りなさしか感じない一戦。
だってそうだよ。
いまの大家健がいまの藤田ミノルに勝ったら駄目だよ。
負けるしか道はなかったじゃん。

前回の後楽園大会の幻影みたいなのがずーっと残っていて、
あの時、メインが終わった後にリングの周りにユニバースが集結して、
リングを叩き、Bad Communicationに熱狂していた光景。
後楽園ホールを占拠したようなあの熱狂と満足感。
そういうものは皆無でした。
戦闘民族がガンプロを去るのは理解しかない。
こんなところにいてもなにも得ることはない。
「日々を頑張っていると言わないと惨めだからだ」の言葉はぐっさりと突き刺さる。
しかし、そこを救ったのは今成さんの登場で、
この後楽園大会はイッテンロクの今成藤田の一騎打ちの予告編に過ぎないことを提示。
ガンバレ☆プロレスはもはや大家健だけのものではない。
大家健が「自分一代限り」と叫んだとしても、そんなものはなんの意味もない。
大家健が死んでも今成夢人がいる、と宣言出来たのは非常に救われた気持ちに。

大家健に自分を重ね合わせて、
駄目な自分をなんとかしないといけない。
頑張って頑張って夢を叶える。
叶えたい夢がわからなければ、日々を頑張るしかない。
大家健が、ガンバレ☆プロレスが、自分を励ましてくれる。
そういう気持ちは、もうないかな。