2019/7/7
東京女子プロレス「東京プリンセスカップ決勝戦」
○白川未奈 vs 原宿ぽむ
ぽ氏は坂崎ユカ戦でデビューして、その後、猫戦で勝利。
シングル二連勝からのスタートでデビューとしては華々しいと言っていいもの。
が、そこまで「強くなったな!」って感じではなく。
今回のカップ戦も人気投票でうな氏に負けて出られなかった。
負けがこんでる=受けに対して信頼されている、と思っているので、
決して負けることは悪いことではないはずなので、
それなりに期待値は高いんだろうけど、な印象。
かたや白川さんはBBJという謎団体の選手でまあ、芸能人。
単純にプロレスが好き、という重要なポイントで強みがあるので、
それなりに強くはなってきているし、東女的にはどうかわからないけど、
なんらかの芸能的な力でプッシュされている印象はある。
「プロレス楽しい?強くなりたい?」っていうのを聞きたい。
強くなるってなんだろうなー、って思いました。
ぽむ氏、負けちゃった…
○まなせゆうな vs 坂崎ユカ
AEW帰りの坂崎ユカっちはほぼほぼ無敵状態になっているのがここ最近。
タッグのベルトは獲られてしまったとはいえ、
東女最強陣の一翼を担っているのは確実で優勝候補。
まなせさんにはストーリーがあった。
スターダム~アクトレスと期待はされつつも華と咲かなかった境遇を背負って、
ぽちゃじょをきっかけとして…かどうかはわからないけど、
ターニングポイントのヒトツとして、
過去の自分を払拭するために大きな決意と覚悟を持ってこのトーナメントに挑んでいる印象。
東女の持つ、プロレスの持つドラマ性がまなせさんを勝利に導いた気がします。
この大会中にSNSやブログを通じてずーっと気持ちを露呈し続けていたのはまなせさんだし、
なによりも確実に試合で観ている人の気持ちをつかんだ気がします。
マジカルメリーゴーランドをつかまえての鈴木スペシャルは素晴らしかった。
たぶん観ている多くの人が臨んだマジラビ対決の決勝戦だったけど、
そんな気持ちをふっとばしてくれたまなせさんの劇的勝利でした。すばらしい。
○瑞希 vs 万喜なつみ
ふたりともに所属外の選手。
応援する気持ちに所属とか所属外とか関係ないとは思うんだけど、
それでもプロレスの土台が違うのでそのあたりの違いは明らかにあって。
この試合は女子プロレスだった。ある種のテンプレートの。悪い意味じゃなくて。
女子プロレスにはあるものはハードヒットな闘いで、
殴ったり蹴ったりのエグさもあるし、なによりヘアホイップがある。
個人的にはあまりいい印象を持っていないんだけど、たまにはいいかな?ってなる。
万喜さんはその辺をわかりやすく出してくれるけど、
みずぴょんすは東女に来て封印?していたのか、押さえていたのか。
もし押さえていたとしたらそれが沙希様の言う「セーブしている」につながるのか。
お互いのプロレスの実力としては拮抗しているとは思うんだけど、
一瞬の隙をついての勝利、という結果は納得。
試合後に和解したのはいいと思いました。
万喜さん、そういう和解の姿勢をみせないかと思っていたので。
○天満のどか&らく&YUMI vs 桐生真弥&上福ゆき&うなぎひまわり
かみーゆが男前すぎて最高だった。
うな氏に「いまじゃないか?」といい声で祭の発動を指示したやつとか惚れる。
あとらくさんのチョップを受けて後ろに倒れる時に、
手をつかないで背中だけで受け身を取っていてすげー!ってなりました。
うな氏は試合序盤にYUMIさんを呼び出すときもそうだし、
今回の祭がなに祭なのかが聞き取れなかったのが残念。
あとは結局天満さまが受けに受け、順当にキルスイッチで真弥さんから勝利。
真弥さんはふとした言動がおもしろそうなんだけど、
ちょっと率先して発言する感じじゃないのが残念。
もっと大きな声で自己主張しはじめたらおもしろいとおもうんだけど。
しかしプロレスの良し悪しが「なにを言うか?」ってポイントなのはどうかと思うけど。
○沙希様&操 vs 舞海魅星&愛野ユキ
タッグの前哨戦ではあるんだけど、
正直なところユキちゃんはどうもニントモカントモな気がする。
毎度毎度だけど「おねえちゃんおねえちゃん」っていうのは、
おねえちゃんが好きなのはそりゃいいことだし、絆云々ってのはわかるけど、
それでプロレスで勝てるの?って話。
美威死鬼軍のみなさまの言っていることはわりとズレてないと思ってて、
みずぴょんすの時の「力をセーブしている」も間違ってないと思うし、
今回のこともなんとなーく間違ってない気がする。
結局、話をまわしているのは、
薔薇を食べたり沙希様にかじりついてみたりの天満さまだし。
(大会前の調印式と)試合後のやりとりが見せ場といえば見せ場。
大丈夫なのか、タイトルマッチ。
○中島翔子&辰巳リカ&乃蒼ヒカリ vs 渡辺未詩&山下実優&伊藤麻希
流石のメンツなこの試合。
目立ったのはリカさま、伊藤ちゃんさんと渡辺さん。
リカさまの暴れん坊ぶりは健在で、
伊藤ちゃんさんがうるさいからといって口を押えて黙らせるのとか最高。
インディアンデスロックの状態からもうひとりをブレーンバスターで投げるのも最高。
伊藤ちゃんさんとこれといってはっきり抗争を繰り広げているわけではないけど、
いつぞやの赤坂での絶叫合戦から続いている因縁(?)ではあるので、
どこかで一騎打ちをして欲しい気持ち。
渡辺さんは翔子さんの619をキャッチして、
そこから一気にジャイアントスイングに移行したのは最高だった。
そしてレーザービームの威力が増しているのもぐっときます。
アプガプは渡辺さんだけが感情移入できるというか、
人としての心を保っている気がするので、
そのまっすぐさを押し通して欲しいです。
そして高まる山下伊藤の福岡タッグの機運!
爆れつシスターズの次はこのふたりかな。
○瑞希 vs まなせゆうな
突然まなせさんに出てきたラスボス感。
ただ、まなせさんを応援するひとたちだけじゃなくて、
みずぴょんすやマジラビを支持するひとたちすらも、
まなせさんへ敵意を全く抱いていなかったと思います。わかんないけど。
それはまなせさんが試合序盤にみずぴょんすのシューズの紐がほどけていたのを指摘して、
きっちり結ぶのを待ったあとに自然発生したフェアプレーを称える拍手があわらしていた気が。
あんな拍手はプロレスで聞いたときない。すばらしい。
準決勝と同じく、まなせさんが攻めに攻めてみずぴょんすが耐える展開。
フェイスロックとフットスタンプで絞めて踏みつけるみずぴょんす。
まなせさんが途中に繰り出したおっパイルドライバーやドラゴンスリーぱいで、
それってのの子さんの代表的な技の数々。
そういう東女に来て、関係してきた人の技、
特に東女の象徴でもあったのの子さんの技を繰り出したのは胸熱だし、
その後にラリアットを二発撃ったのも、
ここ最近のぽちゃじょに絡んだことからの技だし、
プロレスラーになってから、いまのいままでの積み重ねを全部出したのかかっこよかったです。
人間って誰しもいまのいままでに至るまでに過程があるわけだし、
その過程を積み重ねた結果がいまの自分だし、
それを全部出さないと、意味がない。ってのを感じた気がします。
自分のステージは自分で作らないと。それをまなせさんは作ったわけで。
かっこよかった、まなせさん。本当に。
みずぴょんすはその技たちに耐え、
キューティースペシャルで大きなまなせさんをぶん投げての勝利って説得力ある。
ただ単純に瑞希という人気レスラーをプッシュするだけじゃなく、
プッシュするだけの強さがあるってのを見せてくれた気がしました。
たぶん「力をセーブしている」っていう言葉に見ている側が呪いみたいなのがかかって、
どんなに全力を出したとしても「セーブしている」って見えちゃうんだと思う。
そこはひとつ結果を出すしかないわけで、
その結果っていうのが今回の優勝なんだろうな。
これで中島翔子vs瑞希のタイトルマッチが決定。
でも何故か後楽園ホールではなく、大阪。
みずぴょんすの出身地である神戸にほど近いので、
もう大阪でやる時点でみずぴょんすに決まっていたのでは?と勘繰る勢いです。
やー、大阪まではいけないよー。
そしてその直前の後楽園ホールではなにをやるの?
タイトルマッチ以上に大事なものってあるんだろうか。
タッグベルトは美威死鬼軍が持っている限り、
あれは東女のファンじゃないと話についていけないやつだから微妙なんだよね。
よっぽどすごい人がタッグタイトルに挑戦するのか、な。