2019/3/22
我闘雲舞「平成最後のガトム新木場 ~Gatoh-Move Japan Tour 416~」
○サワディー仮面&新納刃&チェリー vs 帯広さやか&アントーニオ本多&杏ちゃむ
杏ちゃむさんがよくなってた。
前にみたときはとにかくグラビアポーズで威嚇してるだけの印象で、
プロレス的にはこれからなんだろうな、って思ってましたが、
そのこれからが始まってちゃんとプロレスラーになっていた感じ。
帯ちゃんの多動的な動きは相変わらずで、
サワディーさんとのバックの取り合いは面白かったです。
刃さんはどこかお怪我をしているのかしら…出番が少なかったような。
アントンは相変わらずで、帯ちゃんとのタッグが嬉しいんだな、って微笑ましかったです。
○関根龍一&藤田ミノル vs アンドリュー&E.K.バギー
なんか海外勢の未熟な部分がはっきりと露呈してしまい、
それをミノニーが必死にカバーしてくれたようなお試合。
せっかくの戦闘民族のふたりの参戦だったのにちょっと残念。
関根R氏の「レッツ!」があってよかった。
もっとしつこくやってもよかったのにな、こうなってしまったら。
肉体的には鍛えるのは、簡単ではないけど、まあ簡単で(頑張ればいいやつ)、
プロレス的に鍛えるのは本当に難しいんだな。
持って生まれたセンスみたいなのが必要だろうし、
そういう動きって本当に練習の積みかさねでゴールがないやつだし。
そうおもうと藤田ミノル選手のプロレスレベルって相当高いんだな、と思いました。
○世志琥 vs 駿河メイ
やー、この試合好き。
世志琥先輩はどうしても例の事件の印象もあるんだけど、
DDT参戦時の「実は可愛いところがある」みたいな印象も持っていて。
試合自体もちゃんとした試合は初めて見るレベル。
メイちゃんの天真爛漫さにどれだけ対応できるのか?っていう前テーマ。
結果として、世志琥先輩のプロレス脳の高さというか、
適応能力と優しさと可愛げ、もちろんプロレス的な巧さが見えたという感想です。
ちゃんと自分の世界観を保ちつつ、メイちゃんの世界観にも踏み込んでた。
すごいわ。伊達じゃないわ。
メイちゃんはもうメイちゃんの世界観を持っていてすごいな!っていつも思うんだけど、
こういう選手が相手だと可愛いだけじゃ駄目で、
強さみたいなのが出てこないと駄目なのかしら…と思いつつ、
ガトムだからいいのかな?みたいな気持ちになったりならなかったりしました。
それでも終盤の一騎の畳み掛けは素晴らしかった。
いいよね、メイちゃん。
○高梨将弘&KUDO vs バリヤンアッキ&趙雲子龍
酒呑童子興行には諸般の事情によりいけないので、
休場前のKUDOさんを見ることが出来てうれしい限り。
実はDDTでの推しメンはKUDOさんなので。
高梨KUDO組はこれが最後…かな。
酒呑童子の連携が好きなので存分に目に焼き付けておきました。
四人が四人とも試合巧者なので見応えのあるいい試合。
連携に勝る酒呑童子が勝つ結果。
アッキは結局DDTのセレクションどうなったんだろう。結果待ち?
○さくらえみ vs 紺乃美鶴
美鶴さんのお母様へのカミングアウトマッチ。
レディリンのインタビューで「いつかやる」と言っていたのを心待ちにしてました。
歴史的な試合に立ち会えてよかったです。
ゴング前にお母様に向けて笑顔でVサインを掲げたのを見て、
「嗚呼、尊い…」って思ってしまってなんかヤバかった。
自分の育休期間もあり、美鶴さんの試合を拝見するのは久しぶりで、
その間に里歩さまの休場(&退団決定)もあって、
美鶴さんの「(我闘雲舞の)エース宣言」があったのを知り。
そんなわけで括目しました。
で、やー。かっこいい。
元々気迫を前面に出すタイプの選手でしたが、
それがさらにパワーアップした印象で、
且つ技の確実性があがっているというか、
攻撃力が増したというか。
「チャンピオンはつくれるけど、エースはつくれない」
って常々思っていましたが、
自覚をもってそれを目指していく気持ちさえあれば本当にエースになれるのでは?
と思える姿でした。素敵よ、美鶴さん。
しかしそれでも相手は流石のさくらえみ。
歯が立たないというか、レベルの違いというか、スケールの違いというか。
試合後のお母様へのマイクは美鶴さんの優しさにあふれるいいマイクでした。
カミングアウト的には試合内容で伝えた感じね。
予想よりエンタメ性が少なかったのは自分が期待しすぎだったのか。
○水森由菜&SAKI vs 里歩&真琴
里歩さま欠場明け一発目がタイトルマッチ。
そして我闘雲舞退団が発表されて即のタイトルマッチ。
これが意味するものはなにか?
団体として里歩さまをどうするのか?
っていうどうもひねくれた感情をもって見てしまった部分もあったけど…
もう一つはゆなもんの存在感といまの立ち位置。
若いキャリアで一度タッグのタイトルを獲って、獲られて、
そのまま他団体でシングル王座への挑戦もあり、
勢いは全然落ちずにむしろさらに増している存在。
SAKIさんとのトロピカワイルドタッグの熟成度。そこがポイント。
で、そのトロピカワイルドの熟成度がめちゃくちゃ上がってて、
お互いの信頼度が深まってた。
特にいままではSAKIさんが司令塔として動いていたのに、
ゆなもんが指令を待つまでもなくフォロー、前線として動いてた気が。
前回の敗戦時の印象は、
(悪く言えば)暴走気味のゆなもんをSAKIさんがフォローして軌道修正していたものを、
今回は修正の必要がなくまっすぐに進むゆなもんが存在していて、
ゆなもんの狂気が取れてた(これもいいかわるいかは置いといて、だけども…)。
となればSAKIさんはフォローだけの役回りじゃなくなるのがいい熟成。
が、しかし。
里歩さまも真琴さんも伊達じゃないので、
並び立つマタドーラのように華麗にいなし、豪快に蹴りこみ、叩きつけていて、
例えばタッグマッチが足し算であれば、
それぞれのチームの足し算はまこりほのほうが上。
そして飛び込むスーパーガール。
一瞬の決着に驚きはあったけれども、結果に驚きはなく、
ゆなもんがタッグのベルトを再度奪取。
いやー、凄いわ。勢いって凄い。
黒揃えで登場したまこりほの神々しさは異様だったし、
今回は真琴さんの攻撃力というか、
プロレス的な色気のようなものをびしばしに感じてめちゃくちゃかっこよかったし、
もちろん里歩さんの躍動感は欠場明けとはいえ、
いつも通りの大天使加減だったし、結果としては紙一重。
ただ、これに政治的なものを感じ取ってしまう悪いクセはむくむくとある
(ただトロピカワイルドの戴冠に納得はしている)。
いま持っているベルト(シングルタッグ両方)がガトム退団に伴い、
ひとつひとつ一旦剥がされるのだとしたら、
それを目撃しないといけないのは想像に容易ないことで。
一歩踏み出すのは痛みも伴うのだな、と感じてしまいました。ふむ。