東京女子プロレス」カテゴリーアーカイブ

悲劇の逆回転

2019/9/16
東京女子プロレス「KFC 2DAYS ’19~Desert Moon~」

○舞海魅星 vs 桐生真弥
はいすぺちゃんの桐生さん。
その一つあとの世代になる舞海選手。
いま桐生さんは伸び悩んでいるというか、特に変化がないというか。
他のちゃんたちに置いて行かれつつあるので危機感があるのではなかろうか。
そして後から追いついてきた舞海さん。
やっぱりパワーがあってフィニッシャーに圧倒的な説得力のあるラリアットがあるのと、
ちょっと決めきれる技がないのでは大違いかなぁ。
エルボーひとつとっても遠慮がちというか、
フルパワーを感じないのが性格なのかなんなのか…
正念場が来てしまったな!どうする!?

○伊藤麻希 vs YUMI
はいすぺちゃんのYUMIさん。
伊藤ちゃんさんが教育する側に回る日が来るなんて…ぐっときますね。
この試合の中でYUMIさんに対して、
「ぜんぜんはいすぺっくじゃない!」という旨の発言がありましたが、
みんなでハイスペックになろうね~という趣旨だったはずなので、
まだハイスペックじゃなくていいんじゃなかろうか。
YUMIさんはまだプロレスラーとして先があるんだけど、
受験休業に入ったりするんだろうか、やっぱり。
それまでにある程度の実績を作っておかないとだよね。
どうなるー!?

○白川未奈&上福ゆき vs うなぎひまわり&山下実優
かみーゆが終始、山下さんを煽りつつ、そしておびえつつの試合でおもしろかった。
かみーゆは完全に安心して見られるし、どちらかというと強い部類に入ってきた気がする。
もちろん贔屓目はありますけども…
白川さんは楽しげにプロレスをしているのが好感度出てきた。
ベルトを獲って自信がついたというか、調子に乗っているというか、
どちらにせよ、それがいい動きにつながっているんだからベルトの効果はあったということ。
山下さんは強さを存分に発揮していたんだけど、
ふたりに盛大に振り回された感じで、若さを感じました。
そういえばプロレス経験はそれなりだけど、
人生経験はふたりより遥かに若いんだった。そうだったそうだった。
プロレスの成長曲線っておもしろいなー、と思った試合でした。

○乃蒼ヒカリ&渡辺未詩&らく vs 愛野ユキ&坂崎ユカ&原宿ぽむ
アプガプそろい踏み!…となると入場曲がアッパーキックになるのね。なるほど。
らくさんがユキチャーンを。
ユキチャーンがらくさんを。
ぽ氏がユキチャーンを。
乃蒼さんがユカっちを。
なんとも複雑なベクトルが行き来しつつ試合が展開。
ユカっちとユキチャーンが会話してて、
ユキチャーンがずーっと「かわいい…かわいい…」と、
うわごとのように言っていたのが面白かった。
ユカっちはちょっと抑え気味で一歩引いた感じで、
先日の後楽園の前から続いている、
乃蒼さんとユキちゃーんのライバル関係が試合を決めた感じ。
何故このふたりの関係性を引っ張り続けるのか?は謎なんだけども、
ここまで引っ張るなら、何らかの完全決着は欲しいなぁ。
らくさんは耳元で「おやすみなさーい」というと相手は寝てしまうのか。
なんという恐ろしい技…!

○沙希様&操 vs 鈴芽&辰巳リカ
リカ&鈴芽組の親子(?)ダッグが早くも結成!
相手は元ハイパーミサヲ!というわりと胸熱展開ではあります。
ゴング前に沙希様につっかかっていった鈴芽さんがなかなかグッときます。
本当に負けん気が強い子なんだろうか!だったらいいな!
鈴芽さんは元気いっぱいで走り回ってて、すごい好感度の高さある。
まわりが大事にしているのがわかる。これは応援したい…
よっしゃいくぞー!の競演やらヒップアタックの競演やら、
このタッグチームは雰囲気がよくて趣味的な意味でも好きです!
が、操さんはちょっと上に上りつつあるので勝てなかったなぁ。
そして目を覚ますほどの事件も起きなかった。
リカさまとの対戦がきっかけとなった操さんのストーリーの着地点は、
やっぱりリカさまが回収するべきだと思うし、そうじゃないと納得できない。
試合後にリカさまが操さんに抱きついたのだって何かの伏線であって欲しい。
で、次期タッグ戦にかみーゆと白川さんのチームが挑戦表明。
かみーゆと沙希様のストーリーもなにか出来て欲しいなぁ。
元美威死鬼軍だったという盛大な伏線を美しく回収して欲しい。
でもまあ、あのラップはどうだ?
赤井沙希のラップに話がつながったらそれはそれですごいけども。

○中島翔子&瑞希 vs 天満のどか&ダリス
ダリスさんがなんかすごかった。
技を出すにしても受けるにしても余力がありすぎて、
なんかお手本すぎるお手本だった。
これがCMLLか…となりました。
で、大会前の発表で翔子さんのCMLL遠征の話があって、
この試合はどうしてもCMLLのレスラーvs中島翔子、みたいな側面が強すぎて、
なんだか中島瑞希組というインパクトがほぼほぼなかった。
中島坂崎組=最高
瑞希坂崎組=最高
では中島瑞希=、、、?というなんとも不思議なタッグチームでした。
連携らしい連携もなかったよねぇ。うーん。
あと天満様のユーティリティぶりというか、
これぞジョバーという働きがすごい。
あとお衣装の背中に「天」って書いてあるのね。素敵。

○まなせゆうな vs 万喜なつみ
事件、起きました。
ふたりのプロレスを始めた頃の過去から続くこの二人の関係性。
数日間あったツイッターでの舌戦。
まなせさんのブログでの発信。
過去ばかり見ているという万喜さんの指摘もあり、
イニシャルカラーを捨ててでも赤の旧コスと新入場曲で登場したまなせさん。
トーナメントの決勝ではカイリコスで臨んだのもありつつ、
未来を見すえてか、新コスで登場した万喜さん。
ゴング後の長い対峙。
気持ちが込められすぎた攻防。
リスペクトを込めて発射した対戦相手の技と自分の技。
そして一瞬のミスから発生した大怪我。
…これはなんだったんだろうか。この試合はなんの意味があるんだろうか。
運命とかプロレスの神様のいたずらとか、つい盛大なワードを当てはめたくなるドラマ。
場内の観客とセコンドについていた東女の選手たちの涙。
レフリーと翔太さんの判断と指示。
特にユカっちの非情なまでの冷静さと頼もしさ。
なんだかすべての要素が奇跡というか、悪夢というか。
あんな絶叫を聞いた戴冠は初めて。
皮肉にもまなせさんの新入場曲がノンビートのストリングス曲なので、
悲劇度が増してしまったのが皮肉。
何が起きたか?っていうのはふたりにしかわからないんだろうけど、
今後のキャリアが心配になる。特にまなせさん。
これもプロレス。奥が深すぎる。
この試合のこと一生忘れないようにしたい。

圧倒的無関心

2019/8/25
東京女子プロレス「BRANDNEW WRESTLING 3~誰よりも最強!~」

○愛野ユキ vs 乃蒼ヒカリ
結果からいうとユキチャーンの勝利。
そうなんだ…?
どたどたとタックルするユキチャーンより、
無骨にドロップキックを連発するヒカリさんのほうが面白いけどな。
完全に贔屓目だったのか…そうか。
うーん。そうか。
そういえば乃蒼さんのフィニッシャーが思い出せない。
あのグランドコブラか。
ユキチャーンは裏DDTに加えて、変形キャメルクラッチのような技を増やしてて、
できることを模索して先に進んではいる模様。
この対戦結果によってふたりの立場に何か変化があったらいいなぁ。
とりあえずユキチャーンは姉離れして欲しい気持ちでいっぱい。
姉のためにも。
この試合のために何試合か前哨戦があったぐらいだから、
ふたりに対する期待値は高かったんだろうなぁ。

○うなぎひまわり&原宿ぽむ vs 桐生真弥&YUMI
はいすぺちゃん4人によるタッグマッチ。
本来ならばここに猫さんがいたわけよね。ふむ。
うな氏が突出しているようにはおもえないんだよなー。
出しゃばりというか、自分の存在のアピールは上手い気がします。
他の子たちはあまりしゃべりやらなにやらで目立つことはないもんなぁ。
YUMIさんは休養前に比べてちょっと技の精度が落ちている気がする。
なんか雑。そうでもない?
期待のぽ氏と桐生さんはもうちょっと発言していかないと駄目なのかな。
試合中でもそうでないときでも。
桐生さん、かみーゆ戦ではあんなによかったんだから、
単発で終わってほしくないなぁ。
ぽ氏につきましては、うな氏の祭りに付き合って太鼓の役をやっているばあいちがう!
巻き込まれずに、個性を出していってほしい気持ち。
ただでさえ個性的なリングネームとお衣装なんだから。

○まなせゆうな&上福ゆき&白川未奈 vs らく&辰巳リカ&天満のどか
グラビアチームがいまノリにノッている状態で組んだ試合。
悲しいけれどもリカさま含めちょっと今回のチームにテーマを感じなかった。
それでもチーム名をつけたり(イエモン)、
何故からくさんをそのチームリーダーに持ち上げたり、
もりあげていくぞ!というのをビシビシ感じてました。
その「らくさんがリーダー」っていう設定が非常にぐっときて、
試合中にリカさまがらくさんのことを終始「リーダー!」って呼んでるのよかった。
そしてらくさんが特に自分のことをリーダーだともリーダーじゃないとも、
なんとも思ってない感じがサイコパスみあっておもしろすぎた。
らくさん、なんかすごいな…
三人でのトレイン攻撃含みのMAXときは勢いあったわー。
キャッツパイのお三方は白川さんは(プロレスはおいといて)ラップで頑張ってて、
かみーゆのドロップキックはあれだけで最強の武器だし、
まなせさんはラリアットを完全にモノにしてて強さがはっきり出てきた。
なんだかんだでおもしろい試合でした!

シュー・ヤン vs 坂崎ユカ
ベルトがなくなった坂崎のユカっちがちょっとアイドリングに入った?
(脚をちょっと痛めてる?という気がしていなくもないんだけど真実はわからず)
というか最近薄れていた魔法少女としてのユカっちがみられた傑作。
とにかくめちゃくちゃなことをする、っていうトンパチ感が全面に出て、
テーブルて後楽園ホールの階段を滑り落ちるなんてのは、
前例あったのかな。どうなんだろうか。
そしてあの後楽園の客席入り口上からのダイブでテーブルクラッシュまであって、
ハードコア気味なことまでやり切ったのは素晴らしさ。
伊達の世界の坂崎じゃないなー。
決着としてのTKの靴下、っていうアイテムがあっての失神おわりだったとしても、
なんだか妙な説得力のある試合でした。
しかしシューヤンさん、なんか大きくなってたよね。大丈夫かな。

○瑞希 vs 伊藤麻希
伊藤リスペクト軍団が解散をして、その清算を最後にする、という試合。
瑞希というレスラーの名レスラーたる所以はその受けにあって、
伊藤麻希というスパーク一発やり逃げなレスラーのやりたいことを全部受け止めて、
それをこともなげに返していく美しさにあるというものがはっきり見えました。
可愛いだけじゃないんだ、あの人は。
いつも通りの二人の試合。
差が広がるわけでも縮まるわけでもない。
このふたりはこれでいい。
が、ストーリーとしてなにかあったのであれば、
みずぴょんすのマイクなり、なにか動きがあったらよかったなぁ。
これで完全に解散なのかな、伊藤リスペクト軍団。
みずぴょんはこういうところも意思表示をはっきりしないので、
なんかふわっと終わった感じではある。

○中島翔子&里歩 vs 鈴芽&舞海魅星
鈴芽選手のデビュー戦。
確かに言われてみたら、
純粋にプロレス知識がゼロの状態から東女をみて、プロレスをやりたい!と思って、
なんのバックボーン(運動歴や芸能活動的なこと)も持たずにデビューしたってのは初めてなのね。
桐生さんとかはどうなんだっけ。プロレス教室から来た感じなのかな。
とにかくまっさらな状態から東女にローカライズされたレスラーとして成長していくレスラー。
で、ルックスと性格の面から人気が既にトップクラスっていうのもおもしろい。
こんなに楽しみなサンプルはない…この子は応援したい!
そうなるとレスラーとしての実力的には…となるんだけど、
この試合を見る限り、身体能力も高そうだし、プロレス適正もありそう!
デビュー戦でコーナートップからのクロスボディを出すってよほどだと思う。
(でも胸を思いっきり張るやつなので、下で受けてもらうのが大前提よね。自爆はまだ受け身的に無理?)
流石にツインカムモンスターが相手なので、
なにをやっても受けてもらえるし、なにをやってもよくしてくれる安心感がすごい。
というか、現チャンピオン翔子さんとと世界の里歩さまがこの試合に出場という贅沢さよ。
贅沢、っていうか、無駄遣いに近いでしょ。
まあおもしろかったからいいけども!

○万喜なつみ vs ジゼル・ショー
新設されたインターナショナル王座の初代決定戦。
こういう結果がやる前からわかっている試合って一番嫌い…
ジゼルショーさんは全くの初見なわけだし、
日本での知名度もほぼほぼないしさ。
実際に拝見したジゼルさんは身体も大きくて、
プロレスもいい感じではありました。
序盤の攻め込んで、後半は万喜さんが逆転して勝つ、っていう、
ジョバーをさせてしまって本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。
いいレスラーなのに!すまんやで!
万喜さんはなんだかバックボーンが暗闇すぎて、いまいち気持ちを押し込めない。まだ。
ただ入場曲は好きですし、性格悪そうで好きです。
このタイトルはどういう流れで価値が高まったり高まらなかったりするのか。
ここからがスタートだろうな。
おもしろいタイトルでありますように。なーむー。

○操&沙希様 vs 渡辺未詩&山下実優
後楽園ホールでタッグマッチがメインイベント。
これが本当に不満でして。
当然、自分がいけない大阪大会で、
推しメン筆頭であるところの翔子さんのタイトルマッチが見られない、ていうのはある。
だ、けれども、団体のフラッグシップのベルトってやっぱりPOPで。
大阪と東京を比べたら団体名に謳っているんだから東京での興行を格上とすべき。
であれば、大阪ではなく東京でシングルのベルト戦を行うのがベストなのではないか、と。
今回は初の大阪大会ということで、
ご祝儀的にシングルベルトとした、というのであればまあわかる。
なんかちゃんとわかってる?ベルトの価値とかそういうの。
POPを軽くみると、観客側も軽く思ってしまうんだよなぁ。
まあタッグ戦がメイン。まあ、それでもいいよ。
ただチャレンジャーがこのチームがベストではないでしょ。
山下さんはまだしも、渡辺さんはどうだったんだろう。
マジラビは坂崎、瑞希のチームで双方のシングルの実力もある。
その前のチャレンジャーであるツインカムモンスターも最強ではある。
爆れつシスターズだって、可能姉妹…はまあちょっと格が落ちるか。
美威死鬼軍だってタッグチームとしては強さはあるし。
今回のチャレンジャーチームはあまりにも急造。
そういうわけで、あまり感情移入できなかったメインイベントでした。
試合後の次期チャレンジャーの名乗りもなかったしさ。

メインイベントっていうかこの大会自体に感情移入できるポイントがなかった。
それがちょっと悲しい。後楽園は物販が地獄なのでよほどじゃないといかないし。
まあ、通常の興行としてとらえたらおもしろかったからいいのかな。
やー、よくないな…

君たちの、応援に、いけない

2019/8/10
東京女子プロレス「TOKYO JOSHI 2019 SUMMER~Sunshine Carnival~」

○上福ゆき vs 桐生真弥
東洋大学(と明治大学)の卒業生は変わり者が多い…というイメージがあって、
この二人のキャラが全く対局ではあるんだけど、
どこか独特の雰囲気があって非常にいいキャラなふたり。
途中から文京区と群馬の戦いに発展して、
謎の群馬コールが発生したのがよかったです!
実力的にはかみーゆがかなり上に行っていて、
余裕すらあったの凄い。
群馬流行ってるなー(自分の極狭空間の中で)
真弥さん、しゃべったら独特な言い回しをしそうで面白いと思うんだけどな。
オーソドックスなスタイルは非常にいいとは思うんだけど、
個性的な曲者揃いの東女の中では埋もれてしまうのがもったいない。
今日のはなんかよかったー。

○愛野ユキ&YUMI vs 乃蒼ヒカリ&辰巳リカ
キャリア的に頭一つ抜けているリカさまの独壇場に近い序盤~中盤。
流石のサイコパスドラゴン。好きです辰巳リカ。
この試合でテーマがあったのがユキチャーンと乃蒼さん。
後楽園ホール大会の前哨戦がしずかに続いている模様。
言い方は様々で、
ユキチャーンのスピード感はよく言えば安定感のあるどっしりした動き…
とも言えるんだけど、もったりしているようにも見えるわけで。
師匠ともいえる天満さまの下位バージョンだし、
師匠ともいえる万喜さんの下位バージョンだし。
そこをどっちが脱却するか?ってことなんだろうな。
ユキチャーンはファイナルカットみたいな新技があったので「おお!?」ってなりました。
でもさ、どっちが勝っても、どっちが負けても、
納得する人もいるし納得しない人もいるよなぁ。
ライバルストーリーに昇華できるほどライバル感も感じないし。
難しいわね、、

○渡辺未詩 vs うなぎひまわり
うな氏は魅せ方は上手い。流石の上手さ。ある程度完成してる。
が、その魅せ方があくまでも「見得」であるので、攻撃ではない。
とはいいつつもここ最近の祭りは最終的にどどんしてから攻撃に転じるわけじゃないところが好き。
レッグドロップと変形のゴリースペシャルがフィニッシャーってことかな。
テンプレレスラーになるのは悪いことではないと思うんだけど、
少しずつ強くなってる!っていうのを見届けるのが東女のいいところでもあるので、
伸びしろが見える戦いをしてほしい気持ち。してるんだろうけども…
渡辺さんはアプガプの中で一歩抜きんでた感がある。
美威死鬼軍との戦いの中で、プロレス的な世界観のようなものが完成した気がして、
デビュー当初の筋肉イメージがナチュラルにあって、
それに肉付けされたがむしゃらさ、まっすぐさ、素直さが前面に出ている印象。
絶対的なフィニッシャー(ティアドロップ)を身に着けたのがいい感じ。
キャリアが下のうな氏のような相手でも試合を作れるのも素敵ね。

○万喜なつみ vs らく
らくさんのやばみが過ぎる最高の試合でした。
なんか赤ちゃんのような我がままさというか、我の通し方というか、
自分の思うとおりに行かないことを無理矢理にやり通そうとする気持ちの強さというか。
それが妙にらくさんを通じてみてみると面白さが出てくる。
静かなヒステリックさ。狂気ある。
ちょっとらくさんを見ているのが楽しみになってきている自分。
それと対照的に万喜さんのヒステックさは女子プロレス的なヒステリックさ。
悪い意味ではなくて、万喜さんのヒステリックさも好きになってきました。
魅せ方がすごいよくて、ちゃんと前(この場合、客席)をみてアピールしているのは、
東女の中では万喜さんが一番まわりを見ている気がする。
どーん!という感情の破壊力があるのはすごく引き込まれるのでいい感じ。
感情の破壊力って大事ね、そうね…
あと早く入場曲をリリースしてください。

○坂崎ユカ vs 原宿ぽむ
推しメンのひとりであるところのぽ氏。
他の推しメンとは違ってまだまだ成長過程の序盤であること。
コンスタントに勝利するわけでもなく、シングルもそう多くない。
デビュー戦の相手である世界の坂崎ユカとのシングルが、
このタイミングで組まれた意味とは。
デビュー戦は顔見せの意味もあって技は全部受けてくれたけど、
今回は流石にそうはいかない。
序盤の奇襲ははっとさせられたし、
脛蹴りもバリエーションが作れるようになったし、
よさはあった…けど、相手が悪かった。
小馬鹿にするムーブはかみーゆの「相手かんがえて!」が面白かったです。
ユカっちはもう完璧に仕上がってる。
相手のよさも引き出しつつ、勝つ時にはもう圧巻の流れ。
すげーな。怪我だけ気を付けてほしい…

○沙希様&操 vs 舞海魅星&山下実優
タッグの前哨戦。
沙希様と山下のシングルっていままであったっけか。
まあ、おいといて。
常々言われている…渡辺さんがマイクで指摘しているのが、
「美威死鬼軍は卑怯」という言葉なんだけど、
自分はそうは思わなくて、
いまのわかりやすい卑怯な手口っていうのは操さんの杖での攻撃と、
沙希様の薔薇での殴打ぐらいで、
それってレフリーの目を引く上手いタッグワークの一部ではないか、と。
じゃあ、タッグワークのよさで上回ればいいんじゃない?と。
山下さんはたぶん美威死鬼軍が卑怯だとは思ってないと思う。
「あんたらやるじゃん」ぐらいの余裕だと思うだけどどうなんだろう。
操さんアゲの風潮が当初あってフィニッシュは操さんに任せていた沙希様。
今回はびしーっと蹴りこんで快勝。
試合後のマイクのやり取りで「限界」っていうキーワードから、
山下さんの決め台詞につながったのよかった。
あったね…そんな決め台詞…

○中島翔子&天満のどか&伊藤麻希 vs 白川未奈&瑞希&まなせゆうな
翔子さんとみずぴょんすのタイトルマッチの前哨戦。
伊藤ちゃんさんとみずぴょんすの伊藤リスペクト軍団解散の前哨戦。
どっちの標的にされるのもみずぴょんす。いいと思います。
伊藤ちゃんさんの言う「この夏の主役」はまさにみずぴょんすが与えられた役割。
その主役を持ち上げてきた一番の功労者がまなせさん。
いいよね、まなせさん…
白川さんもわけのわからない我を前面に押し出してきて勢いは感じます。いいとおもうー。
翔子さんとみずぴょんすの場面から思うところは、
翔子さんがスピードで翻弄してみずぴょんすが受け。
その受けの中で返し技を含め、上下の跳躍…か。
相反する立体感があって期待しかないなー。大阪いきたいな…
試合後のマイクの中島天満組のやりとりはめっちゃ面白いので続けてほしい。
爆れつシスターズはもういいから、中島天満組を始めちゃえばいいのにな。
しかし、後楽園と大阪のビッグマッチの間隔が狭すぎて、
ふたつの前哨戦がひとつの試合に詰め込まれちゃうのかわいそうだし、
見る側も混乱するのでもうちょっと考えてほしい気持ちでいっぱい。

コンプライアンス糞くらえ

2019/7/31
DDT「闘うビアガーデン2019~男色ディーノ&スーパー・ササダンゴ・マシンDAY~」

○甲田哲也 vs 今林久弥
毎年恒例のおじさんたちのプロレスリング。
一体何を見せられているんだ…という気分にさせられるこの試合ですが、
今年は自分も父親になったということで、
今林さんに異常に感情移入してしまう結果に。
おとうさん、かっこよくありたいよね…息子に必要とされたいよね…ワカル。
何年かやっているので動きがよくなっててもおかしくないのに、
たぶん流れだけ決めて、練習を全くしてなさそうなのが逆にいいと思います。
絶対に上手にならないで。
試合展開は流石の作りで何故か見ごたえがありました。

○男色ディーノ vs 中村圭吾
練習生の通過儀礼のような試合。
というか、上野くんが中村練習生の困っているところが見たかっただけの試合。
ちんちんを触られている中村練習生をみて喜ぶ上野くんをみて喜ぶわたくしたちです。
中村練習生はドロップキックは綺麗でしたー。
ルックスがちょっとなー。うーん。

○まなせゆうな&大石真翔&アントーニオ本多 vs 石井慧介&松永智充&納谷幸男
ラリプロだ!
我々としてはやっぱりまなせさんがこういうDDT本体の興行に出るのはうれしいし、
この一見して遊びのようなラリプロを、
実際の試合に活かしてラリアットを使うようになった、ってのは応援したくなる流れ。
いつも通りイントロドンだったので、やっぱり入場曲って大事だよな…とふと。
そして今回はライガーさんが隠し玉というかなんというか。
みんなで掌底をするんだけど、
ちゃんと見たことある?っていう動きで逆にダサくてよかったです。
試合後におフェイスのみなさまが登場して、
珍輔をここで使う!?とちょっともったいない気持ちに。
あと眼鏡の店員さんがトラウマレベルでツボだったので今度探してみます。
眼鏡を直すしぐさがヤバかった…

○スーパー・ササダンゴ・マシンによる何かしらの闇パワポ
まさかの地元の話でグッときました。
思いっきり高校に行くときの通学路だわ。
今度行ってみます。
オチが闇すぎてササダンゴすげーな!と思いました。

○DJニラ vs 樋口和貞
ニラさんの試合は突発的にやってくるので得した気分。
いつもだったら酒呑童子デーなんだろうけど、もうないから。酒呑童子。
ここで。
世界観が独特すぎて、相撲の仕切りから十数年が経過するとか意味わかんない。
さいこう。
結果とかそんなのどうでもよくてニラさんワールドを体感できたので満足。
そうか、この試合から十数年が経過してたのか。
メインもその年月が経過した後ってことだよね。しらんけど。

○大家健 vs 男色ディーノ vs DJニラ vs 高梨将弘 vs マッスル坂井 vs アントーニオ本多 vs マイク・ベイリー vs 大石真翔
いつも通りのサンドマンごっこ。
だけど、今年から飲み放題のルールも増えて、
心配していた通り、まき散らすビールが不足して盛り上がりが本当にいまいちだった。
例年だとお客さんが飲んでいる飲みかけのビールやらなにやらの缶を奪い取って、
まき散らし、ぶん投げ、さらに別の缶を奪う、という流れが、
奪われたはいいものの、次の缶が売り子が売りに来るわけでもなし、
飲み放題の交換はラウンジに出てもらってこなければ駄目だし。
だもんで流れが最高に悪かった。
サンドマンごっこになってなかった。残念。
大家さんが勝って、もっともらしいことを言うのも、
大家さんのカリスマ性が薄れてしまっている今、なにも響かないし。
それでもよかったところといえば、
各選手の入場で一本の竹刀を共有して、セコンドの上野くんが行ったり来たりしていたくだり。
ベイリーの無茶なケブラーダ。
まなせさんと今成さんのいちゃいちゃ。
などなどです。
大会終了のマイクでディーノが言った「ここにいるのは僕と坂井の友達です」という一言に、
まなせさんも「わたしも?」と超うれしそうだったので救われました。
とにかくいろんなルールとか規制とかあるんだろうけど、
ちいさくまとまんなよ、と言いたい気持ち。楽しかったけれども、だよ。

四者四様の世界への手がかり

2019/7/20
東京女子プロレス「TOKYO JOSHI 2019 SUMMER~Sunshine Carnival~」

〇乃蒼ヒカリ vs 舞海魅星
技の少ないのに試合が面白いレスラーって非常にぐっとくる存在で、
乃蒼さんはドロップキックで試合を構築するちょっと面白いタイプのような気がしてきてます。
山下さんのように普通のキックで構築するのは多くいるけども。
それに加えてグラウンドの技があるのがいいよなぁ。
いまはとにかくドロップキックを連発していって、
相手を立たせないようにして体力を削っているように見えるけど、
これがなんらかのバリエーションが増えたら一気に跳ねる気がする。跳ねたらいいなぁ。
で、舞海さんはパワー系なんだけど、
タックルとラリアットがアタックとしてあって、
投げとして(成功率は低いけど)バックドロップがあって、
あとは寝技まわりがあったらいいのかなぁ。パワーを活かすためにも。
アイドルレスラー志望が多い印象の東女だけれども、
舞海さんにはちゃんとしたレスラーとして大成してほしい気持ちでいっぱい。

〇坂崎ユカ vs 桐生真弥
ユカっちが余裕ありすぎて凄い。
余裕ある→油断につながらないのがまた凄い。
そして客席になだれ込んで場内の雰囲気を全部持っていって、
ずーっと楽しそうなんだよなー。大人だよなー。
桐生さんの印象は申し訳ないくらいに薄れちゃってたけど、
これはもうしかたない…別世界だわ。
桐生さんの得意なことってなんだろう。
いまなにができるんだろう。
逆エビ固め?

〇天満のどか&白川未奈&うなぎひまわり vs 原宿ぽむ&山下実優&YUMI
うなぎさんのお祭りは今回は試合前の挨拶時に開催されて奇襲。
天満さまの太鼓の達人ぶりとその後のうな氏の「どーん!」があほっぽくて最高だった。
おやすみエクスプレスと並んで大喜利化しているけど、
ただ単に技をかけるわけじゃなくてお祭りするだけなのがシュールでいい。
シュールさって大切。
そしてYUMIさん相手におっぱいおしつけなかったのもよかったです。
中学生だもんね。おっぱいで挟むのにはまだ早いよね。
試合自体には特にこれぞ!ってパートはなくて、いつも通りに展開。
この「いつも通り」ってちょっと怖いよなぁ。
はいすぺちゃんたち(ぽ、うな、YUMI、まひろ、猫)がプロレスラーとして力をつけて、
上位戦線にそろそろ食い込まないといけない時期ではあって。
プロレスをやっている限り。応援していると期待しちゃうじゃん。
そんで上位が詰まって来てて、東女内で実力に差が出てきてしまってる印象。
その差をなんとかするための新ベルト…の話はまたあとで。
とにかく推しメンのひとりであるところのぽむ氏には強くなってもらいたい…!

〇沙希様&操 vs らく&渡辺未詩
タッグチャンピオンの美威獅鬼軍の次の挑戦者は…ってなったところでこの試合。
正直なところ、渡辺さんとらくさんが美軍に挑むのは結構な頻度であって、
渡辺さんが「雑草」と呼ばれていたけれども、そこから話が発展しなかったよねぇ。
言われるだけ言われて、一矢報いたわけじゃなくて。
あれから爆れつシスターズとのタイトルマッチを挟んで、再び渡辺さんが登場。
美軍のストーリーって結構、同じことがループしたりするのでまたか…って思いました。
らくさんもしかり。
で、試合のほうはというと、
美威獅鬼軍はわりと連携がしっかりしているので強い。
そのあたり見逃しがちだけど、沙希様の蹴りと操さんの膝がいい融合。
特に膝を手術したことを逆手に取ってその膝を武器にした操さんがいいアクセント。
というか、まだ負けてないんじゃないかな、操さん。どうだったっけ。
ラッシュが激しいので渡辺さんの「かっとばしていくぞー!」が発生させられなかった。
あれ好きなのに。
そんな中でおやすみエクスプレスをプレーンな形で早々に繰り出したり、
地味に技が増えていて「おっ!」っと思わせる瞬間が多かったりで、
この美軍との戦いの中で成長がみられるのがまさかのらくさんで面白い。
らくさんも微妙に頭がおかしかったりするよね…
そしてこの戦い後に山下さんが満を持して登場。
山下未詩爆誕。
山下さんと沙希様ってからんだことあったっけ?
タッグタイトルに関しては、
正式にタッグチームである、っていうのがほぼほぼないので
(美威獅鬼軍、爆れつシスターズ、マジラビ…でもみずぴょんすはPOP挑戦)、
毎回、急造チームが挑戦する流れになるのよね。
それだと納得のいく勝敗のつきかたになる気がしないので、
もうちょっとタッグのストーリーを考えてほしいなぁ。
ベルトが増えちゃって余計にタッグチームが組みづらい状況ではあるのに。

〇瑞希&伊藤麻希 vs 愛野ユキ&中島翔子
POPの前哨戦…というよりも、
伊藤リスペクト軍団久々の結成、及びその解散をテーマにした試合。
そもそも伊藤リスペクト軍団ができたのは、
ほぼほぼ新人状態だった伊藤ちゃんさんが先に東女に参戦し始めて、
その後、時を置かずにみずぴょんすが東女に参戦。
その初戦が伊藤ちゃんさん対みずぴょんすで。
プロレスにおいては大先輩だけれども東女では先にリングにあがっていた伊藤ちゃんさんが、
みずぴょんすをうまくふわっと巻き込み、そして逆にいいように利用されてきた?のが経緯。
個人的な感想だけど、それ。
で、件のタッグトーナメントでマジラビが産まれて伊藤リスペクト軍団は開店休業に。
そして伊藤ちゃんさんもそれなりにプロレスができるようになってきたので、
今回発展的に解散。
そしてみずぴょんすは結果として人気実力ともに上昇し、
それに対して伊藤ちゃんさんが嫉妬心を燃やす…という非常に伊藤リスペクト軍団っぽい流れに。
イッテンヨンのタイトルマッチをピークに伊藤ちゃんさんが足踏みをしている印象はあって、
山下さんとのタッグチーム結成の目もなくなり、
このユニット解散の先になにがあるの?というのが注目点。
伊藤ちゃんひとりだとなんにもできない気はしています。どうなんだろう。
で、この試合のPOP前哨戦としての立ち位置は、
翔子さんとみずぴょんすはトーナメントで既に対戦済みで、
それぞれがお互いの手の内をわかりきっているので今回はそれをこなした印象。
本気でのシングルがこんだけ近い期間に続いちゃうと、
新しいことを見せないといけないから大変だよね…

〇万喜なつみ vs 上福ゆき vs 辰巳リカ vs まなせゆうな
インターナショナル・プリンセス初代王座争奪日本代表決定戦。
東女二本目のシングルのベルトだけれども、
これって上位グループとそれ以外の差が大きくなりすぎてしまって、
なんとなーく中間位のタイトルが必要となった…って流れなんだろうか。
海外戦略といえども、基本的に鎖国体制の東女。
海外は単発で遠征はあったものの、海の向こうからの参戦ってのはないわけで、
看板にいつわりあり…みたいなことにならなければいいけど…
選ばれた4人は今年になってPOPに挑戦していない人で最近調子のいい人…ですか。
まあ、ワカル。
実績トーナメント準優勝、ベスト4の人気者、謎の勢いあるドラゴン、成長株で日本一の美女レスラー。の4人。
納得のメンツ。最後一人残りの4WAYははじめてだっけか。
ベルトに色的には辰巳リカ!自分の気持ち的にも辰巳リカ!
最近の試合の気狂い加減から考えてもここは辰巳リカしか!
と気合を入れて観戦に臨んだ一戦。
かみーゆは事前のtwitterでもインターナショナルには自分がふさわしいと宣言していたし、
試合序盤で英語でまくし立てて獲ります宣言をしたものの、
まなせさんにぼこられていたのは二人の関係性を考えてもぐっときました。
正直、実力的には劣るかもしれないけど、
リング下で体力を温存しつつ戦況をみつめ、
いきなりまなせさんを脱落させ、
その後は四の字固めをひっくり返して翻弄したりして、
結果的には二人を脱落させた功績はでかい。
万喜さんと一騎打ちになったときは場内がほぼかみーゆの応援で素晴らしい雰囲気だった。
複数人のときに場外で待機はできても、
一対一だとちょっと分が悪かった…
でもいいところまでいって間違いなく試合の主役はかみーゆだった。
まなせさんは準優勝者の実力者ということで3人に同時にマークされてしまったのが痛い。
リカさまはこれはもう本当に悔しい敗戦。
いま現在の東女の中でも古株のひとりだけども、まだタイトルには無縁で、
そろそろ目に見える結果が欲しかったよなぁ。
技の精度もあがってたし、
なにより試合の内容が唯一無二化しててかなりの充実度だったと思ってたんだけど…
万喜さんはちょっとまだ応援している気持ちではないので複雑な気持ちです。
これ、正直なところ、海外のレスラー相手に初代決定戦をやったとしても、
その歴史にその誰だかわからない海外選手の名前を刻むわけにはいかないよね?
だもんで万喜さんが初代になっちゃうんじゃないか?って。
東女移籍の経緯もなんかもやっとしていたので、万喜さん自体にももやっと感があるのは正直なところ。
政治的ななにかが働くのはなぁ。うーん。

夏の女王様

2019/7/7
東京女子プロレス「東京プリンセスカップ決勝戦」

○白川未奈 vs 原宿ぽむ
ぽ氏は坂崎ユカ戦でデビューして、その後、猫戦で勝利。
シングル二連勝からのスタートでデビューとしては華々しいと言っていいもの。
が、そこまで「強くなったな!」って感じではなく。
今回のカップ戦も人気投票でうな氏に負けて出られなかった。
負けがこんでる=受けに対して信頼されている、と思っているので、
決して負けることは悪いことではないはずなので、
それなりに期待値は高いんだろうけど、な印象。
かたや白川さんはBBJという謎団体の選手でまあ、芸能人。
単純にプロレスが好き、という重要なポイントで強みがあるので、
それなりに強くはなってきているし、東女的にはどうかわからないけど、
なんらかの芸能的な力でプッシュされている印象はある。
「プロレス楽しい?強くなりたい?」っていうのを聞きたい。
強くなるってなんだろうなー、って思いました。
ぽむ氏、負けちゃった…

○まなせゆうな vs 坂崎ユカ
AEW帰りの坂崎ユカっちはほぼほぼ無敵状態になっているのがここ最近。
タッグのベルトは獲られてしまったとはいえ、
東女最強陣の一翼を担っているのは確実で優勝候補。
まなせさんにはストーリーがあった。
スターダム~アクトレスと期待はされつつも華と咲かなかった境遇を背負って、
ぽちゃじょをきっかけとして…かどうかはわからないけど、
ターニングポイントのヒトツとして、
過去の自分を払拭するために大きな決意と覚悟を持ってこのトーナメントに挑んでいる印象。
東女の持つ、プロレスの持つドラマ性がまなせさんを勝利に導いた気がします。
この大会中にSNSやブログを通じてずーっと気持ちを露呈し続けていたのはまなせさんだし、
なによりも確実に試合で観ている人の気持ちをつかんだ気がします。
マジカルメリーゴーランドをつかまえての鈴木スペシャルは素晴らしかった。
たぶん観ている多くの人が臨んだマジラビ対決の決勝戦だったけど、
そんな気持ちをふっとばしてくれたまなせさんの劇的勝利でした。すばらしい。

○瑞希 vs 万喜なつみ
ふたりともに所属外の選手。
応援する気持ちに所属とか所属外とか関係ないとは思うんだけど、
それでもプロレスの土台が違うのでそのあたりの違いは明らかにあって。
この試合は女子プロレスだった。ある種のテンプレートの。悪い意味じゃなくて。
女子プロレスにはあるものはハードヒットな闘いで、
殴ったり蹴ったりのエグさもあるし、なによりヘアホイップがある。
個人的にはあまりいい印象を持っていないんだけど、たまにはいいかな?ってなる。
万喜さんはその辺をわかりやすく出してくれるけど、
みずぴょんすは東女に来て封印?していたのか、押さえていたのか。
もし押さえていたとしたらそれが沙希様の言う「セーブしている」につながるのか。
お互いのプロレスの実力としては拮抗しているとは思うんだけど、
一瞬の隙をついての勝利、という結果は納得。
試合後に和解したのはいいと思いました。
万喜さん、そういう和解の姿勢をみせないかと思っていたので。

○天満のどか&らく&YUMI vs 桐生真弥&上福ゆき&うなぎひまわり
かみーゆが男前すぎて最高だった。
うな氏に「いまじゃないか?」といい声で祭の発動を指示したやつとか惚れる。
あとらくさんのチョップを受けて後ろに倒れる時に、
手をつかないで背中だけで受け身を取っていてすげー!ってなりました。
うな氏は試合序盤にYUMIさんを呼び出すときもそうだし、
今回の祭がなに祭なのかが聞き取れなかったのが残念。
あとは結局天満さまが受けに受け、順当にキルスイッチで真弥さんから勝利。
真弥さんはふとした言動がおもしろそうなんだけど、
ちょっと率先して発言する感じじゃないのが残念。
もっと大きな声で自己主張しはじめたらおもしろいとおもうんだけど。
しかしプロレスの良し悪しが「なにを言うか?」ってポイントなのはどうかと思うけど。

○沙希様&操 vs 舞海魅星&愛野ユキ
タッグの前哨戦ではあるんだけど、
正直なところユキちゃんはどうもニントモカントモな気がする。
毎度毎度だけど「おねえちゃんおねえちゃん」っていうのは、
おねえちゃんが好きなのはそりゃいいことだし、絆云々ってのはわかるけど、
それでプロレスで勝てるの?って話。
美威死鬼軍のみなさまの言っていることはわりとズレてないと思ってて、
みずぴょんすの時の「力をセーブしている」も間違ってないと思うし、
今回のこともなんとなーく間違ってない気がする。
結局、話をまわしているのは、
薔薇を食べたり沙希様にかじりついてみたりの天満さまだし。
(大会前の調印式と)試合後のやりとりが見せ場といえば見せ場。
大丈夫なのか、タイトルマッチ。

○中島翔子&辰巳リカ&乃蒼ヒカリ vs 渡辺未詩&山下実優&伊藤麻希
流石のメンツなこの試合。
目立ったのはリカさま、伊藤ちゃんさんと渡辺さん。
リカさまの暴れん坊ぶりは健在で、
伊藤ちゃんさんがうるさいからといって口を押えて黙らせるのとか最高。
インディアンデスロックの状態からもうひとりをブレーンバスターで投げるのも最高。
伊藤ちゃんさんとこれといってはっきり抗争を繰り広げているわけではないけど、
いつぞやの赤坂での絶叫合戦から続いている因縁(?)ではあるので、
どこかで一騎打ちをして欲しい気持ち。
渡辺さんは翔子さんの619をキャッチして、
そこから一気にジャイアントスイングに移行したのは最高だった。
そしてレーザービームの威力が増しているのもぐっときます。
アプガプは渡辺さんだけが感情移入できるというか、
人としての心を保っている気がするので、
そのまっすぐさを押し通して欲しいです。
そして高まる山下伊藤の福岡タッグの機運!
爆れつシスターズの次はこのふたりかな。

○瑞希 vs まなせゆうな
突然まなせさんに出てきたラスボス感。
ただ、まなせさんを応援するひとたちだけじゃなくて、
みずぴょんすやマジラビを支持するひとたちすらも、
まなせさんへ敵意を全く抱いていなかったと思います。わかんないけど。
それはまなせさんが試合序盤にみずぴょんすのシューズの紐がほどけていたのを指摘して、
きっちり結ぶのを待ったあとに自然発生したフェアプレーを称える拍手があわらしていた気が。
あんな拍手はプロレスで聞いたときない。すばらしい。
準決勝と同じく、まなせさんが攻めに攻めてみずぴょんすが耐える展開。
フェイスロックとフットスタンプで絞めて踏みつけるみずぴょんす。
まなせさんが途中に繰り出したおっパイルドライバーやドラゴンスリーぱいで、
それってのの子さんの代表的な技の数々。
そういう東女に来て、関係してきた人の技、
特に東女の象徴でもあったのの子さんの技を繰り出したのは胸熱だし、
その後にラリアットを二発撃ったのも、
ここ最近のぽちゃじょに絡んだことからの技だし、
プロレスラーになってから、いまのいままでの積み重ねを全部出したのかかっこよかったです。
人間って誰しもいまのいままでに至るまでに過程があるわけだし、
その過程を積み重ねた結果がいまの自分だし、
それを全部出さないと、意味がない。ってのを感じた気がします。
自分のステージは自分で作らないと。それをまなせさんは作ったわけで。
かっこよかった、まなせさん。本当に。
みずぴょんすはその技たちに耐え、
キューティースペシャルで大きなまなせさんをぶん投げての勝利って説得力ある。
ただ単純に瑞希という人気レスラーをプッシュするだけじゃなく、
プッシュするだけの強さがあるってのを見せてくれた気がしました。
たぶん「力をセーブしている」っていう言葉に見ている側が呪いみたいなのがかかって、
どんなに全力を出したとしても「セーブしている」って見えちゃうんだと思う。
そこはひとつ結果を出すしかないわけで、
その結果っていうのが今回の優勝なんだろうな。

これで中島翔子vs瑞希のタイトルマッチが決定。
でも何故か後楽園ホールではなく、大阪。
みずぴょんすの出身地である神戸にほど近いので、
もう大阪でやる時点でみずぴょんすに決まっていたのでは?と勘繰る勢いです。
やー、大阪まではいけないよー。
そしてその直前の後楽園ホールではなにをやるの?
タイトルマッチ以上に大事なものってあるんだろうか。
タッグベルトは美威死鬼軍が持っている限り、
あれは東女のファンじゃないと話についていけないやつだから微妙なんだよね。
よっぽどすごい人がタッグタイトルに挑戦するのか、な。

頂上決戦のパズル

2019/6/22
東京女子プロレス「東京プリンセスカップ」

○愛野ユキ&原宿ぽむ vs 桐生真弥&うなぎひまわり
結果としてユキちゃーんが勝利したけれども、
試合を作っていたのははいすぺちゃんの3人。
誰かが他を圧倒するような力関係ではないので、
みんながみんな見せ場を作れてよかったねぇ、という気持ち。
うな氏のお祭りはバーニングビーナス祭でした。謎すぎる。最高。
ぽ氏はデビュー戦が坂崎ユカというトップ中のトップと闘って、
二戦目で猫さんと新人同士のシングルをして勝利。
わりとテンション高めにデビューを飾った気がするんだけど、
ちょっとそこからどうやって上に行こうか?という段階かしら。
すね蹴りマシーンとしてなんかそのあたりを極めたらいい気がするんだけどな。
らくさんだってプレーンチョップを続けてたら面白くなってきたし。
ユキちゃーんの勝利は突然だったなぁ。うん、まあ。

○まなせゆうな&上福ゆき&白川未奈 vs 舞海魅星&万喜なつみ&乃蒼ヒカリ
グラビアチームとぱんでぶー+みらいさん。
かみーゆはわりと受けもいいのでもう安心してみていられるのと、
謎コンテンツ(今回は目つぶし3連発)が毎回楽しみで観ていて楽しい。
ブレーンバスターも定番化していいと思います。
まなせさんと万喜さんの因縁めいた激突が非常に面白くて、
ここはひとつトーナメントの前哨戦的な意味合いもあったんだけど、
瞬間的にギアがあがってスピード感のある攻防があって。
で、それが「あの団体」ではわりと普通のことなんだろうな、と思いました。
逆に、東女ではそういう姿(特にいままでのまなせさんの)が見られなかったので、
プロレスのスタイルが違うというか、完全にプロレス自体が違うというか、
そういうものを感じました。
どっちがいいとかは…まあ、好みの問題だろうけども。
あまり他団体も観てないですし。
とにかく、ぱきっとしたプロレスを魅せることが出来る人もいる、ってことよね。
ぱんでぶー+みらいさんのおんぶしてどーん!って落ちるやつは、
ああいうのがお祭り感があっていいと思います。
みらいさんが一番痛いよね、あれ。
みらいさんはベースに柔道がある、と記憶しているんだけど、
いい意味で柔道がみえないのでいいと思いました。
今後に期待しちゃう。ちゃんと強い選手になってほしい気持ちでいっぱいです。

○操&沙希様 vs らく&天満のどか
いつも思うんだけど、チャンピオンがそのチャンピオンの形式、
例えばシングル王者であれば、シングルマッチ。
タッグ王者であればタッグマッチの形で試合をするときに、
なんでそのタイトルがかからないんだろう?と。
まあ、団体から正式な認定が下りていない、っていう理由なんだろうけども。
それはおいといて。
らくさんがキャラを活かし始めているのが非常によかった。
非戦闘的な性格というか、おっとり?おっとりってなんだ?とにかくそういう。
敵から逃げ回る、というタブーではないけど、
試合でそんなことしちゃ駄目でしょが…っていうムーブを何故か納得というか、
「らくさん、逃げて!」っていう気持ちになるし、
ダメージを与えてないのに無理矢理おやすみエクスプレスを始めようとして、
沙希様が起き上がったところを「どごん!」とチョップをぶちかますの最高だった。
天満さまはオスカーロック的な技で沙希様を絞めようとして足が全然届かないのとか、
もうコーナーで待機しているときもいろいろおもしろくて好き。漫画すぎる。
試合は順当に終わったけど、
タッグタイトルに爆れつシスターズでの挑戦表明…
だけど、マジラビに挑戦した時はなんとなーく流れがよかったけど今回は唐突すぎる。
というかユキちゃーんの強さが見えて来ていないタイミングで、
理由も「おねえちゃんをばかにしないで」という棒読みで来られてもちょっとノれない。
その後、天満さまが沙希様の薔薇を食べたので全部持っていかれていたけども。

○才木玲佳&辰巳リカ vs 伊藤麻希&山下実優
才木玲佳さんの東女卒業マッチ。
さみしいわねぇ…W-1というちゃんとした団体に所属してしまって、
その団体にかなりのプッシュを受けている段階で、
東女で中途半端な立ち位置で試合をしているのはそれこそ中途半端になるのかも?
才木さんはプロレス的なフィジカルだけじゃなくてメンタルでも強い人間であり、
頭も文字通りいい人だったので、ちょっと東女を突き抜けてしまった感。
小橋さんの怪我がなければねぇ…もうちょっとちゃんとタッグ戦線にも残れただろうに。
この先はプロレスを辞めるわけではないし、W-1との関係も悪くはないだろうし、
単発でもいいし、団体抗争で軍団を引き連れてきてもいいし、
また東女で会えることを期待してます。
で、試合は伊藤&山下のチーム福岡が面白かった。
両方からキックと頭突きで挟み込むやつがめちゃくちゃでよかった。
このふたりは気が合わなそうで気が合う、喧嘩をするほど仲がいい、みたいなタイプなので、
れいたんの卒業でマッスルストライカーズもないし、
伊藤リスペクト軍団も実質ないし、ここが組んでしまえばいいのにね。
伊藤ちゃんにベルトを獲らせたい気持ちある。
リカさまは絶好調でヒップアタックが全部激突!尻も今日も硬かった!やったぜ!

○坂崎ユカ vs 渡辺未詩
東女が生んだ世界のサカザキと埼玉の渡辺さんの激突。
渡辺さんは自分の持っている以上の力を出さないと勝てないし、
真面目で、いつだって全力な渡辺さんだったら、
番狂わせも不可能ではない?って気持ちで観てました
(でもどこかでユカっちは絶対に負けないだろうな、っていう確信もありつつ)。
ジャイアントスイング、レーザービームとティアドロップという複数のパワー技があって、
それも見事に炸裂させたことはさせたんだけど、
ユカっちに返されてしまったのはもうなんか「そうか…」としか思えなくて。
逆にフィニッシュムーブである魔法少女スプラッシュを出さずに、、、
出さずに?出せずに?
まあ最上級の技ではない勝ち方でユカっちが勝利したことは、
トーナメントっておもしろいなと思わせてくれる熱い試合でした。
渡辺さん、超がんばった。よかった。
アプガプの中でも乃蒼さんが一歩前に出た?と思ったけど、
渡辺さんも負けてないな、と思いました。
天満さまに勝ったのも決して奇跡というか大金星ではないわよね。順当だった。
ユカっちは無敵感が少し綻んだかなー。どこかに穴はあるはず。

○瑞希 vs 中島翔子
このシングルは数年前の新木場クリスマスで、
確かカレー屋での抽選で組まれた10分一本勝負があって。
その時はみずぴょんすのフェイスロックがふと緩んだすきに翔子さんが丸め込みで勝って。
なんかその流れが個人的には納得してなくて(タップしたんじゃないか疑惑)、
さー、どっちが上かはっきりさせようじゃないの!って一戦。
どっちも推しメンではあるけれども、このトーナメントではみずぴょんすの応援。
といいつつ声が出せなかったけど。
どっちかに肩入れしたくなくて。
で、試合自体はもう名作だった。
翔子さんがしかけるパズルのような攻撃たちに、
それを瞬時に解き、いなし、逆にしかけていくみずぴょんす。
もうわけがわからないぐらいのいい試合でした。
翔子さんは新しい引き出しを積み上げていっているんだろうし、
みずぴょんすはまだ開けてない引き出しをヒトツずつ開けていっている印象。
まだ出来るんじゃないか?まだセーブしている部分があるんじゃないか?って思ってる。
それも美威死鬼軍との流れの中で、
沙希様が言っていた「セーブしてる」って言葉がひっかかっていて。
無意味にそういうこと言わないもんね。実際、そうなのかも?って期待感があります。
山下を超え、中島を超えた瑞希。その意味よ。

準決勝の抽選結果が、
まなせゆうなvs坂崎ユカ。
万喜なつみvs瑞希。
渡辺さんに苦戦したユカっちが同じくパワー系であり、
テクニック的にはその渡辺さんより数段上のまなせさんと対戦。
ユカっちの守備力と体力が試される準決勝と決勝。
万喜さんのスピード感は同レベルだと思うんだけど、
多少のテクニック的にはみずぴょんすのほうが上か。
元アクトレスガールズ対決になるか、
マジラビ対決になるか。
たぶん、そのどっちかだよなぁ。
最初の試合で全部がわかってしまうやつ。

陥落のタイミングの謎

2019/6/8
東京女子プロレス「東京プリンセスカップ」

○渡辺未詩&原宿ぽむ&舞海魅星 vs 桐生真弥&山下実優&うなぎひまわり
うな氏がここ最近お祭りをはじめましてね。
この試合は派手に山下祭を開催。
はじめ乗り気じゃない山下さんも結局最後のポーズを乗り気で参加。
嫌いじゃないくせに…
そして特別技を出すわけじゃなく、祭を開催して終わったのはシュールでよかった。
でもたぶん絶対に回を重ねると飽きるやつだこれ…
渡辺さんだけがトーナメント上位進出者なので、当然目立ったんだけども、
ジャイアントスイングで山下さんを回し、
その山下さんを立て続けにぽむ氏がラフォーレ原宿で回す流れはよかった。
しかしまあ、山下さんと渡辺さん以外はまだまだどたばたで心配になる…

○天満のどか vs らく vs 上福ゆき
この手の3WAYだと以前はパミさんが中心となってかき回してわちゃわちゃしたんだけど、
いま、試合中にお喋りするのってかみーゆぐらいで。
で、今回は「わたしレフリーする!」みたいな自由さ加減。
残りの二人に「ギバ!?ギバ!?」ってずーっと聞いてるのがおもしろすぎた。
そして三人がトーナメント敗戦者の集まりだと気が付いたときのしょんぼりする姿が可愛すぎる。
天満さまはいろいろわかってるのがおもしろくて、
おやすみエクスプレスでかみーゆを踏みつける時に、
ぎゅーって体重をかける姿がもうなんか漫画だった。
天満さまはフォルムからなにからもう漫画。いいと思います。

○中島翔子&愛野ユキ vs 白川未奈&乃蒼ヒカリ
圧倒的大怪獣中島翔子という試合。なんか圧巻だった。
乃蒼さんの動きがいくらよくなっているからとはいえ、
それはまわりが輝かせてくれていたからであって(もちろん乃蒼さんのよさもあるけど)、
翔子さんはもう自分で動き回ってぶりんぶりんに輝いている、ように見えるのだけれども。
努力って本当に大事なんだな。
東女って誰が教えているんだろうか。
でもそれってあくまでも技術的なコーチであって、
選手個々のモチベーションやらなにやらにかかわる叱咤とかはしてなさそう。
選手の自主性、というかなんというか。
翔子さんに勝ちたい、っていう人が本気で出て来て欲しいと思う今日この頃です。

○万喜なつみ vs 伊藤麻希
もうただの喧嘩でおもしろすぎました。
や、プロレスなんですけどね。
万喜さんの器用さのようなものが垣間見れてよかったです。
一回戦の乃蒼さんとのがっちり作りこんできたプロレスが出来て、
この試合のような、これも作りこんで来てるんだけど、泥臭いプロレスも出来る。
身体能力も高いし、性悪な女子プロムーブもあって気になってきました。
場外での乱闘も、
コーナー上でのどつきあいやリンク上で馬なりになって殴りあう様子、
勝負が決まったフォール合戦などなど、
このふたりの謎の手が合う感じや、
仲良しになれなそうでなれそうで絶対になれないだろうなって雰囲気がよかったです。
思っていた以上に名勝負だった。
そして伊藤ちゃんさんの最後のマイク…はつかわなかったけど、
叱咤激励の一言がアツい。

○まなせゆうな vs 辰巳リカ
大前提として辰巳リカ圧倒支持!なので絶対的応援だったのですが、
今現在のリカさまのポジションを考えると、
ちょっと怪我での離脱もあって、タイミング的に最上位グループではなくて。
(いまのところは、ね)
んで、現状を打破せねば!てっぺん目指して登りつめなくては!
でもどうやって!?そんなもん優勝すればええんや!という至極全うな気迫。
対するまなせゆうなさん。
スターダム~アクトレスガールズでは期待されつつも目が出ず、
東女に来てからも、タイトルマッチでの一瞬の輝きはあったのだけれども、
そこからいまひとつ打破できず、
先日のぽっちゃり女子プロレス(とガンプロ)でのひと暴れをきっかけに、
殻をヒトツ破ろうとしている感情。悩み。葛藤。
リカさまは「このトーナメントで一歩を踏み出したい!」というスタート地点で、
まなせさんは「ぽちゃじょで一歩を踏み出した!」というスタートを切り終えてる。
その勢いというか、タイミングが試合の結果につながった気がします。
たぶんそれはガンプロ内であったラリプロのときにラリアットを身につけた点がフィニッシュに出た。
ただフィニッシャーになったかかと落としをやさしく打ったのがまなせさんのやさしさ番長な一面。
それが今後吉と出るか凶と出るか…出るなら凶なんだよなぁ。
この先は勝負に徹して欲しい気持ち。
そして負けてしまったリカさまですが、
序盤から徹底しての足攻め。
もうそれしかない、というぐらいの足攻めが出続けて胸が熱くなりました。
リカさまのルナティックな部分が本当に尊くて、
コーナーを使った足四の字とか狂気しかなかった。
トーナメントは負けてしまったけど、まだまだドラゴン道は続くので応援し続けます。
怪我がなくて本当によかった。

○操&沙希様 vs 瑞希&坂崎ユカ
マジラビ陥落!
希有の名タッグであるマジラビがまさか負けるとは!
いつかは負ける時が来るとはいえ、詰めに詰めた敗戦だった。
ただ試合内容としてはあからさまな介入とかがあるわけでもなく、納得の展開だったので、
逆に純粋な悔しさとして残る感覚。
マジラビはユカっちの攻撃とみずぴょんすの防御のイメージで、
連携時にみずぴょんすが攻撃に回ることで破壊力を出していると思っていて。
展開の中でその防戦一方のみずぴょんすを彼氏感いっぱいのユカっちが助けに行く、と。
で、その彼氏感いっぱいのユカっちが助けに行けずに分断してされてしまったことが、
今回の敗戦につながってしまったのかな、と思いました。
美威死鬼軍は操さんが主に攻めて、沙希様がアシスト。
その操さんの攻めの部分がハイパー時代よりもよくなっているのが強さのポイントなのかな。
膝を怪我したことを逆手にとった、各種膝蹴りという武器。
それが相手にダメージを蓄積させやすいのは展開を持ってきやすかった。
ベルトだけじゃなく”純白の君”であるみずぴょんすを巡る攻防は、
流石に美威死鬼軍入りはなかったのでほっとしたようなそうでもないような。
や、ほっとしましたよね…うん。
わからないのは何故このタイミングでタッグタイトルマッチを行ったのか、ということ。
トーナメントの最中にその出場選手にタイトルマッチを挟ませるスケジュールってどうなんだろうか。
美威死鬼軍側はトーナメント出てないから、存在が浮いてしまうのはわかるし、
確かにトーナメントだけのストーリーではなく、タイトル戦があれば厚みはあるけど、
それでもマジラビのふたりにはトーナメントに集中させてあげたかった気持ち。
そして今後、美威死鬼軍のベルトを獲りに行くのはどのチームなんだろうか…うーん…

一番つよいやつを決めようじゃないの

2019/6/1
東京女子プロレス「東京プリンセスカップ」

○辰巳リカ vs 原宿ぽむ vs 桐生真弥
桐生さんの真面目な性格が表に出た、ってのは非常に面白かった。
3WAYにおいて…というかDDT系列において、
ズルい選手や悪い選手は数多くいて、それが振り回していくのはよくあったけども、
真面目な選手がいて、まわりを振り回すっていうのは新しいパターンのような。
そうでもないかな。
ぽむ氏は今回も試合に入り込めない役回り。
事前の「あたまをつかう!」という宣言がせっかくあったので、
もうちょっとなんかぽむ脳を使った面白いことが出来たようなそうでもないような。
難しいよね、そういうの。キャラとかあるだろうし。
試合自体はリカさまの当然の勝利よね!えっへん。

○操&沙希様 vs うなぎひまわり&天満のどか
うな氏が頑張ってた!
プロレス的な技は少な目だし、
気持ちを出してエルボーを打ち込むぐらいしかないのかもだけど、
それでも、その「気持ちを出す」っていうのが、
格上相手のプロレスの中では大事なのかもしれません…
なんか「お!がんばってる!」ってなるし。
プロレスってなんだろう。なんなんだろうか。
美威死鬼軍がちょっと浮いた存在になってしまっているのがもったいない。
せっかくの文豪元パミさんがからんでいるんだから、期待感は高いのに。
みずぴょんすを引き抜くストーリーをトーナメント中にまわすのであれば、
そのトーナメントに介入…まではいかないけど、
ちょっと様子を見に来る、ぐらいの動きがあってもよさそうだよなぁ。
みずぴょんすの闇堕ちは結構な注目度だと思うので。

○中島翔子&上福ゆき&渡辺未詩 vs 舞海魅星&万喜なつみ&乃蒼ヒカリ
このタッグマッチは地味におもしろかった。
かみーゆは完全に確変が来てるおもしろさ。
知らん顔で足をひっかけるムーブすき。
トーナメントの日程の妙で前哨戦的には組めなかったのが残念だけど、
中島~万喜のマッチアップが軽くあったのは見モノでした。
スピード感的には互角だけど、タイプが違うのでおもしろいなー、とは思いました。
が、いまいち手が合わない感じなのかしら…これから合っていくのかな。
渡辺さんは一回戦突破したんだからもっと爆発してもいい印象です。

○伊藤麻希 vs らく
やー、どうだ。らくさんよ。
試合前から感極まって涙を流してしまうのは致命的な展開。
伊藤ちゃんさんが本当に孤軍奮闘してなんとか試合にはなったけど、
らくさんはトーナメントにまだ出ちゃダメなレベルだったのかな、と。
その辺、どうなんだろう。
基本的な動きとかそういうのは出来るんだろうけど、
プロレスラーとしての、プロレス的な、表現力のようなそういうの。
アイドルレスラーであるとしても、もうちょっと考えて欲しいなぁ。
これでいいのかな、本当に。

○まなせゆうな vs 愛野ユキ
この試合もそう。
ユキちゃーんの成長が止まっている印象。いま、何が出来るんだろう。
まなせさんが頑張った。
まなせさんはこのトーナメントに並々ならぬ決意で臨んでいるのが伝わって来て、
プロレスラーとしての自分の立ち位置、
ひいては自分自身のアイデンティティのようなものを探し求めてる。
何事も求道心のようなものは必要だもんで、
ユキちゃーんにはそれがあるのか、ないのか。
ずーっとおねえちゃんの後ろについて回っているだけじゃ駄目じゃない?
逆におねえちゃんの足かせにもなってない?大丈夫?

○坂崎ユカ vs 白川未奈
白川さんはプロレスが好きというのが伝わってくるので、
いろいろ動きに関しては研究しているようだし、出来ている部分もある。
ただ自分の思う理想がたくさんありすぎて、
ひとつひとつに追いついてない印象。
要は技の失敗が目につくように思えました。
失敗は見栄えの問題もあるけど、怪我にもつながるので気をつけて頂きたい…
ユカっちはAEWを経験して、またひとつステージが上がった印象。
ただどんどんステージがあがっていっているので、まわりがついてこれるのか心配…
この試合も危うくさっきの2試合と同じで、
実力差がありすぎるように出来上がってしまった可能性は孕んでいたけども、
ユカっちのおかげでなんとかなったようなそうでもないような。
個々の実力差が大きくなって来てしまったなぁ。
みんなスタートは同じなんだろうけどな。
努力か…

○瑞希 vs 山下実優
一回戦屈指の好カード。
…とは謳われていたけれども、果たしてそうなったんだろうか。
山下さんがひたすら蹴り、みずぴょんすが耐える展開。
みずぴょんすの打たれ強さよ。
しかしこれプロレスかな…
蹴り主体で組み立てるプロレスもまあ、あるけど、
それでもなんかお互いに距離を取って、蹴り、踏みつけ、蹴る。
フィニッシュのキューティースペシャルは好きには好きだけど、
一撃必殺すぎて結末がなんともあっさりすぎた印象でした。
それでも、みずぴょんすが勝ったのは嬉しいし、
メインのシングルで勝ってマイクで大会を締めるっていうのも観られたし、
ただただ安心はしました。

一回戦全試合が終わって、
初日と二日目で試合の印象が大きく違ったのが残念。
組み合わせの妙というか、
日程調整の難しさというか。
トーナメント期間にタッグのタイトルマッチを挟む意味がわからない。
要素は詰め込んだ方がいいってことか。確かにたのしいけれども、だよ。
うーん。どうなるの…

女、又、力

2019/5/25
東京女子プロレス「東京プリンセスカップ開幕戦」

○白川未奈&らく&舞海魅星 vs 桐生真弥&まなせゆうな&原宿ぽむ
おやすみエクスプレス大喜利が今日もさくれつ。いいとおもいます!
相手チームが逆に出発しようとして次々に足をひっかけてつまずくのを見て、
いつごんぎつねが始まるんだろう?って思ってしまう病気だった。
ぽむ氏のふたつの技が今日はどっちも決まってて安心。
トーナメントに挑むらくさんの調子を確認する試金石的な試合と思っていたんだけど、
プレーンチョップ一本でどこまでいけるんだろう?と逆に面白くなってみました。
舞海さんは今日はおとなしかったわね…いきなり無双する感じではないのね。ふむ。

○沙希様&操 vs YUMI&瑞希
二試合目にコレって濃いなぁ、今日。
美威死鬼軍に狙われたみずぴょんすが、
事前のツイッターでのくそコラで水晶に閉じ込められていたのに歓喜勢。
マジラビが負けるのは絶対に見たくないんだけど、
みずぴょんすの闇堕ちもちょっとみたいわけで…
ストーリーとして動くのであれば、
ユカっちのいない今回がいいタイミングだったんだけどなぁ。
なにも起きずに拍子抜けではありました。
が、みずぴょんすの「きらい!」攻撃で、
沙希様がお凹みあそばされているのをみて萌えました。
YUMIさんは先発を買って出て、美威死鬼軍に向かって行った姿がよかったです。
いまはまだ積極的に前に突き進んでいけばおのずと道はひらけるんじゃないかしら。
そこまで運動神経はいいようにはみえないので、
量をこなしてプロレスに慣れる感じで。
ただ上背あるし、元気な娘さんっぽいのでいつか突き抜ける瞬間が来る気がする。来て。
操さんは「ハンドメイドが得意」のくだりとか、
どこかハイパーミサヲが抜け切れてない部分が愛嬌があっていいと思います。
みずぴょんすの「きらい」を「きれい」と言っていると沙希様に主張するくだりとか、
やー、ハイパーミサヲだなー、って思えてほっこりしました。

○山下実優&才木玲佳 vs 小橋マリカ&愛野ユキ
小橋さんが大学お受験のため休業。
その休業前のラストマッチ。
デビュー戦の相手だったり、タッグパートナーだったり、
それぞれの思い入れが詰まった試合。
才木さんが何を考えていたんだろう?ってのが気になっちゃって、
せっかくタッグタイトルも取れたのに怪我で返上しないといけなくなって
(怪我はしたくてしたわけじゃないからしかたのないことなんだけど)、
組んでるときはパートナーとして筋トレもやっていただろうし、
才木さんも気にかけていただろうし。
筋トレで「これだけあげた!」って喜んだりしてたもんね、小橋さん。
じゃあ、小橋さん復帰した後も怪我で休業する前と同じテンションで筋トレしてたのかな。
パートナーに戻れなかったんじゃなかろうか。
休業も決まっていたから気を抜いたよね、きっと。
気にかけていた才木さんとその意図を汲めなかった小橋さん、って図式があったような。
やー、そんなの当人同士しかわかんないけども。
それでも才木さんがフィニッシュを決めきれなかった心情を察するに、
なーんか思うところあったんだろうな、と思った次第。
小橋さんが受験が終わって帰った後、ちゃんとプロレスに打ち込む気持ちになるんだろうか。
答えは一年後に。

○辰巳リカ vs うなぎひまわり
トーナメント一回戦の出場者を、
うなぎ、ぽむ、桐生、YUMI、舞海の所謂はいすぺちゃん+1たちで投票制となったんだけど、
運営的には「実力で選んでください」とは言うものの、
それを、いま、このメンツでやる意味あるの?って。
実力的には同列にいると思っているので、結局は人気投票だったよなぁ…
本来であれば予選トーナメントなり、バトルロイヤルなりで決めるべきなんだけど、
運営がその責任を負いたくないがために(まあ決められないよね)、
観客側に丸投げしたみたいでもやもや。
選ばれたうな氏は選ばれなかったメンバーの衣装の一部を身につけて、
その気持ちを背負ったのは立派でした。流石。
で、試合自体はリカさまが世界観を出しまくってひっぱる展開。
うな氏は決めポーズありきの技なのでちょっと流れがもったりしちゃう。
ここは順当な結果で安心ぱぱ。

○渡辺未詩 vs 天満のどか
ここが波乱。
渡辺さんの序盤に繰り出したジャイアントスイングで空気を持って行った感。
天満さまの安定感(物理的な)と渡辺さんのパワーと若さ(のような初々しさのような)がぶつかって、
進歩を求めた渡辺さんが勝った、みたいな。
試合自体は天満さま優勢に進んで、渡辺さんが耐えてワンチャン狙い。
先のジャイアントスイングだけじゃなくて、
新しいフィニッシャーを用意していたのが説得力がありました。
あの技、いいなぁ。旋回しないF5みたいなの。
アプガプがプロレスラーとして一歩踏み出すきっかけとなったのが、
ここに来て渡辺さんでよかった気がします。まじめだもの、渡辺さん。
波乱とはいいつつも、結果としては納得。鳥肌立ちました。
そして天満さまが早々に敗退…
おねえさん後の求心力みたいなのが落ちてるのがなー。

○万喜なつみ vs 乃蒼ヒカリ
やー。いい試合だった。作りこんできた。
乃蒼さんが万喜さんに入れ込みすぎているのは気になりますが、
それでもタッグパートナー同士がいい師弟関係にあって、
序盤の攻防がもうそんな感じだったけど、
思いっきり試合をがっちり構築して魅せに来た印象。
かっちかち過ぎて好き嫌いはありそうだけど…
乃蒼さんにやりたいようにやらせて、万喜さんが安定して受け切った印象。
相手を引き立てることが出来るのはいいレスラーよなぁ。
ふたりにしかできない試合を魅せたのは立派でした。
ただ万喜さんベースなので往年の女子プロレスムーブが多くて、
東女のそれとはちょっと異なる感じはありました。
が、それでいいと思います。個性よね。

○中島翔子 vs 上福ゆき
組み合わせが発表されて、この試合がこの日のメインイベントである、とわかって、
翔子さんはチャンピオン様なのでまあ、わかる。メインイベンターだよ、そりゃ。
けど、かみーゆがメインはどうだ…?しかもシングルで。
そういう意見もあるだろうし、自分の中でも疑問符が一瞬出たんだけど、
ここ最近のかみーゆを観ていたらそんな疑問符なんですぐに消し飛んで、
もしかしたらすごい試合が見られるんじゃないか?という期待感しかなかった。
実際、めちゃくちゃいい試合だった。かみーゆが超かっこよかった!
かみーゆがデビューしてすぐぐらいのドロキで翔子さんが、
「かみふくちゃん、すごい努力してるよ」って嬉しそうに話してた印象が強くあって
(その話を聞いていたのでかみーゆがどんどんよくなっていくのが楽しみだったの)、
そんで、一発目のノーザンライトを返された後に翔子さんがちょっとニヤリと笑ったんだけど、
なんか嬉しいんだろうな、って。楽しいんだろうな、って思って、
ちょっと見ているほうも嬉しい気持ちに。
もちろん、いい試合になるにはふたりの協力というか、スイングというか、なんというか、
そういうのが必要で、
コミカルな部分もありつつ、ぴしーっとしまったいい試合でした。
こういうのがあるから東女をずーっと観続けるのがやめられない。
みんなが成長していって、いいレスラーになるの嬉しい。