GO!GO!まっする!

2020/1/27
まっする「まっする1」

○樋口和貞&納谷幸男 vs 翔太&今成夢人
マッスル坂井によってまた新しいデスマッチが発明されてしまった、、
ヘル・イン・ア・ブルーシートはありそうでなかったよなぁ。
背の順でチーム分け(チームS、M、L)をされた意味がさっそくしっかりここで回収。
透明人間ミステロンやスケスケジャネーカーの系譜に近い試合形式だったのかしら。
姿が見えていないヤバさよりも、リングが見えない事件性のほうが何故かどきどきする。
あとやっぱりブルーシートって異様な物体だよなぁ。
チームSに有利に働くこのルールであったこの試合。
観客の想像力に全てをゆだねるのではなくて、
そこに実況を加えることで見せるミスリードが素晴らしかったです。
翔太、今成のガンプロ陣のよさでもある、
「とりあえず声出して勢いで押し切ろう!」っていう気概の有効活用。
まっするにこのふたりがいるのはうれしいなー!

彰人&平田一喜 vs 渡瀬瑞基&上野勇希
チームM(身長170台。平均的チーム)同士のタッグマッチ。
対格差がない故に決め手を欠き、試合が長引く恐れがあるという理由で途中打ち切り。
試合時間を4分で終わらせるのが一流、という壮大な伏線
(この4分が何を意味するのかとっさにわからなかった。サイレンがなるのも伏線だったのね)。
退屈な試合、と評されはしたけれども、
個人的にはこの試合はめちゃくちゃおもしろかったです。
おもしろかったというか、興味深かったというか。
一番最初の彰人上野のマッチアップでのチェーンレスリングというか、
ロープに振ってドロップダウンしてトレアしてアープドラッグして、、みたいなの。
これ完コピして出来るようになりたい。
平田もいつもの踊りは封印して、ちゃんとやればできるし、
渡瀬もドロップキック中心に作っていく感じはオーソドックスでいいと思うし。
もうちょっとみたかったなー、という気持ちはありつつ、先の展開につづく。

○渡瀬瑞基&上野勇希 vs 平田一喜&彰人
ここで渡瀬がプロレスラーとしてもお笑い芸人としても中途半端、という正論が繰り出される。
周りのみんながわかっていても本人には直接は言えないよね…っていう代弁にも似た、
「だよねー」という空気。
渡瀬 is 中途半端が目の前に突き出されての、”笑い”がお題としてある試合に。
毒、マスクマン、動物。
この三つがチョイスされたその妙が深くて素晴らしく美しいオチ。
毒霧、マスク、ドラゴン、タイガー、ドク。
そして二人死んだの凄い。
彰人さんの正論すぎてめんどくさい感じとか最高だった。
素人に手を出すくだりもオープニングのVTRや序盤で含まれていたし、
渡瀬上野がクビになるのも場内が白けた雰囲気になるのも(後々から)よかった。
というか、こういうプロレス大喜利みたいなの好きです。
動物枠でスワンダイブ!すごい!

○サウスリバー南川&竹下幸之介 vs 大吉昌&勝俣瞬馬
海外プロレス事情からロシア、中国をからめつつ、
AEWの(というかケニーの。AEWではやってない)ミックスドマッチの風潮から、
素人+プロレスラーのミックスドマッチというこじつけ。
システマ(これ知らなかった)vs中国武術。
ファイナンシャルプランナーの大吉さん、めっちゃ応援するよね…
システマは痛みを感じない、というのが特徴らしく(本当?)、
痛みが伝わるプロレス形式としてのデスマッチが取り込まれ、
リングに撒かれたレゴの上へのボディプレスなど、
素人へのプロレスが続き、それに対してのリアクション芸人のリアクションがあって。
ユーティリティプレイヤーである大吉さん(というか趙雲子龍先生)がストーリーを構築。
弱者としてのリアクションの素晴らしさと、覚醒後の強者としてのキレっぷりよ。
粘着テープでコーナーに縛られた竹下の助けを求める声に呼応したのが、
なんと、まさかのダムネーション枠、遠藤哲哉(!)。
まずダムネから来たの!?という驚きと、
竹下の助けを求める声に答えたの!?という驚き。
いろんな意味で超ざわざわした!
そして、てつや?それも伏線?(ユウキザロック氏はずーっと内藤哲也のテーマで入場してたので)
エクスタシーあったわー。すごい。

○プロテインタイガー(渡瀬瑞基&上野勇希) vs デンター&システマ(竹下幸之介&サウスリバー南川)
諸般の事情によりまっするをクビになってしまった渡瀬と上野。
マッスル/まっするは誰かを救済し、人生を変えるのがテーマ(のようなことを言ってなかったっけか)。
で、渡瀬を救済するための漫才対決が突然スタート。
さっきのミックスドマッチの流れが活きてくるのか…おお。
「Cygamesの親会社の子会社presents」ってのはM-1が「Cygames presents」だからなのね
(あとから知りました。最初からM-1につながるのが示唆されてたのね)。
正直なところ、
漫才とか全くみないのでよくわからないけど(でもお芝居は観る)、
上野くんの演技力が群を抜いてた。
すごいな。さすが座長。忘れてた。
ネタ的にもプロテインタイガーのほうがおもしろかった気がします。
たまご→いくら、粉もん→プロテイン。
てのりタイガーの漫才はみたトキないのでわからないけど、
普通の漫才を初めてやった…ってどういうことなんだろうか。
いつもはしているプロレスを題材にしなかった、ってことか。ふむ。
でもなんか結局、一番あわあわしていたのは渡瀬くんだったねぇ。
プレッシャーもあっただろうに、、そりゃ男泣きするよなぁ。
それにしても、なにをするにも大切なのは産まれ持ってのセンスだと思ってて、
プロレスもセンスがなければ大成しないだろうし、
漫才もセンスがなければ成功しないだろうし。
最後の挨拶での「そういうとこだぞ、、」な部分がある限りはなー、って。
これで運命が変わらないとただのまっする1のイチ出演者で終わることもあるわけで。
どうなっていくかは自分次第なんだろうな。
これは自分にも言えることだけども。

やー、まっする凄かった。
極度に演劇的でありプロレス的であり。
演劇的っていうのは「お芝居」という意味ではなくて、
なんというんだろうか…劇場型のプロレスというか。
プロレスラーの人生としてのストーリーが、
ひとつの興行としてのストーリーに巻き込まれて、
最初から最後まで隠して仕掛けられた罠(伏線)が、
ある瞬間からほぼ全部回収されてぱちっとハマる快感があった。
これはお芝居を観にいったあとの心地よさに似ている。すごい。
ただサブカルによくある、
「事前の元知識があればもっと楽しめるだろうに」という部分について。
今回はユウキザロック氏が何者であるか、という部分や、
そのまま漫才、M-1に関する知識などなど、
そういう下地が自分にはなかったのをちょっと悔やむ感じです。
あれを知っていればここをもっと楽しめたのに!ってのはあるなー。
人生の選択肢の幅を広げなければだ。
でも、めちゃくちゃおもしろかったので、
この先も出来るだけ観にいきたい気持ちでいっぱい。