初夢が正夢になるように

2020/1/4
東京女子プロレス「東京女子プロレス’20」

○鈴芽&猫はるな vs 汐凛セナ&桐生真弥
汐凛セナ選手のデビュー戦。
元々大日ファンということで、プロレス好きがプロレスラーになったパターン。
ファンからレスラーの人のイメージとして、
目で見ている情報を持っているからそれを自分の動きの参考に出来て、
わりと早くプロレスが出来るようになる気がしてて、
実際のセナさんの動きをみると、
出来ることは少ないしメリハリがない部分もあったけど、
他と遜色ない気がしました。気持ちも出てた。
鈴芽舞海汐凛の三人の世代はみんないいなぁ。
そして鈴芽さんの地力初勝利。
グラウンドのスリーパーでフィニッシュってちょっと意外というかなんというか。
猫さんと桐生さんは後ろからの追い上げが来はじめたのでなんとかせんと。

○中島翔子 vs ハイパーミサヲ
おかえり、ヒーロー。
文豪復活ということでいきなりの「敗者改名ラダーマッチ」。
名作の予感しかしない。
公認凶器の持ち込みが可で、パミさんは当然のように甲田代表。
翔子さんは怪獣のフィギュアいっぱい。あの量は凄いな。全部私物よね。
ベルトを落としてメキシコ遠征を経た翔子さん。
いまちょっとベルト戦線からは離れていて、
かといって東女屈指のテクニシャンだもんで、
後楽園大会ではシリアスでハード目な試合が続いていた気が。
そこで今回はこういうコミカルでめちゃくちゃな試合が用意されていて、
それを本当に楽しんでいるのが伝わってきた。
もう子供が自分の部屋に友達を呼んでわちゃわちゃと遊んでいるような楽しそうな翔子さん。
ぽいぽいアンギラスを投げつける姿は小学生かなんかのように見えて目を細めるばかり。
パミさんはこの試合のひとつ前は操としてシリアスな展開だったのに、
いきなりこのふり幅よ。負けて改名だし。
東女がちょっと忘れかけてた「文化系」っていう部分がどばっと復活した気がしてうれしい。
パミさん帰ってきてうれしい。

○赤井沙希 vs 上福ゆき
モデル対決。
長身でスタイルのいいふたりが並び立ったらもうリング上の見栄えが凄い。
もしこれが東女のメインイベントクラスにまで行けたらとんでもないことになるな、、
などと考えつつ観戦。
赤井さんもかみーゆも蹴りが主体。
で、実力差(というか経験値の差)からして、かみーゆがほぼほぼ蹴られる展開に。
どちらもレスリング技術のようなものはないのでどうしてもそうなるよなぁ。
ケツァールコアトルは観てみたかったのでそれでフィニッシュしたので満足。
でもまあ、蹴られても何度も立ち上がるかみーゆに胸は熱くなりましたが、、
かみーゆはここ最近は試合展開もいいし、技術もしっかりしてきたし、
キャラも立ってておもしろいので、
この試合をきっかけにしてシングル戦線で上のほうに行ってほしいなぁ。
具体的にはまずはIPのベルトかしら。

○アジャ・コング&らく&原宿ぽむ vs 舞海魅星&まなせゆうな&白川未奈
発表があったときにアジャコングは何故ブッキングされたか?
何故この試合が組まれたのか?と考えたりしまして。
ちょっと贅沢な使い方じゃない?
だもんで、誰かとシングルをやるはずだったのに、それが怪我で出来なくなって、
結果としてこの6人タッグなのでは?と思ったりしたんだけどまあそれはそれで。
で、
対戦相手の舞海さんには高い壁での経験値を、
まなせさんにはぽちゃじょのエースとしてのガチンコのぶつかり合いを、
白川さんは裏拳を巡るなんか技の継承的なアレを。
そういう目的はそれなりにあってのこの試合。いいと思います。
特に舞海さんにアジャコングの教育が特化された部分があって、
裏拳、バックドロップ、エルボードロップとほぼフルコースで体験できたのは、
絶対にプラスの経験だと思うし、そこまで出させたもの凄い気がする。
かたやらくぽ氏はおやすみエクスプレスにアジャコングを巻き込んだ功績よ。
「見てなかった。もういっかいやって?」の天丼展開はおもしろかった。
というかそこに巻き込まれた白川さんのコメディエンヌ属性の高さよ。
アジャコングがアイアンマンのベルトを持ってきたときに、
「チャンスー!」のテンションの上がり方は素晴らしい。
白川さんもだんだん親近感沸いてきた。いいと思います。

○Sareee vs 万喜なつみ
万喜さん、膝の重症からの復帰戦。
相手はSareeeさんってことで、関係性は不勉強なのでよくわかってなかったです。
仲良し、ってことよね。
そしてシングルがタイミングが悪くて何度も流れている、と。ふむ。
Sareeeさんは小柄な万喜さんに対して比較的重量感を感じました。
華もあるけど、技のひとつひとつの重さがある感じかしら。
そしてムーブがヘアホイップなどの女子プロレスムーブなので、
東京女子のプロレスが女子プロレスのそれとは異なっていて、
やっぱり独自かつ異質なんだな、ってのを改めて。
がちがちの女子プロレスって奇声のあげかたが苦手なのよね、、
しかし、怪我の箇所を考えたら復帰して即同じ動きができるのか?とか、
また同じ怪我をしてしまわないか?とはらはらしてしまいますが、
遜色なく動けていたような気がするので安心しました。
また万喜さんにIP渡すなり、まなせさんと再戦するなりいくらでもありそう。
そして早く入場曲を売るなりなんなりしてください!あれ好き。

○サンダー・ロサ vs 瑞希
前回のサンダーロサさんの試合、あまり覚えてない…
確認したらかみーゆとダンス対決みたいなことになってた人か。
さらにサンダーロサさんを調べてみたら、
過去にStardamで来日経験あり。Lucha Undergroundに出演。
ほほう、、それは実力者やね。
試合もパワーが結構あって、
みずぴょんすがあんなに押されるのって滅多にない。
というか「みずぴょんす負けるんだ!?」ってちょっとショッキングでした。
瑞希というレスラーのシングルでの格上げは確かに必要ではあるのと、
受けのよさ(なんでも受けられる?)と経験値があるので、
未知の強敵と対戦するには適任であるわけで。
前者については今回の敗戦からのリベンジストーリーは絶対にありそう。
ないにしても、フルパワーのみずぴょんすを見ることが出来るなら嬉しいなぁ。
純粋にいい試合でした。

○伊藤麻希 vs 乃蒼ヒカリ
結局、アイドルレスラーとしてどっちが個性的だったか?
みたいな結果だった気がします。
動きや表情すべてが伊藤ちゃんであった伊藤ちゃんさんが、
自分をやり切ったので勝った、みたいな。
前哨戦含めて試合やマイクでメッセージを発信し続けたのは伊藤ちゃんさんだし、
乃蒼さんは確かに成長もしているし、動きも非常にいいんだけど、
じゃあ、伊藤ちゃんさんを人間(アイドル)乃蒼ヒカリとして上回ったか?といえばそうでもない。
このベルトはプロレス的な強さ弱さじゃなくて、違うものの戦いなのでは?という着地点。
今回、アプガプがベルトに挑戦する流れがあるわけだけど、
乃蒼さんはこの先どうしたらいいんだろうかね。
ちゃんとマイクできるようになったらいいんだろうか。
万喜さん帰ってきちゃったからまたそのバックアップかな、、むずかしい。
そもそもアプガプはもっと自己主張していいとおもうの。
もっと破天荒にさー。ピーキーに加工した画像あげて満足してないでさー。
デビューしてアイドル活動しててリリースが「アッパーキック」の一枚しかないんだから、
それってアイドル活動してるの?って。ライブを数こなしているだけでは?
アイドル衣装だって、赤一色ってどうなの?個々の担当色あるんだから。
プロレスはたくさんやってるんだから、どっちかといえばプロレスラーよね?
、、などなど思ったり思わなかったり。うふふ。

○辰巳リカ&渡辺未詩 vs 愛野ユキ&天満のどか
白昼夢はいいぞ、、
正直なところ、年末の8人タッグの勢いが凄すぎて、
この試合はわりと手堅い展開になりました。
結局、渡辺さんが前哨戦で負けが込んでしまい、
それを取り返す大きな一勝!みたいな勝利でした。
ここまで出せなかったティアドロップも出せたもんね。
よかったねぇ。好きなの、ティアドロップ。
でも結局は渡辺未詩vs愛野ユキの因縁に決着をつけるストーリーが、
特に説明がないまま(あるにはあったけど前面に出ていたわけじゃない)、
その二人の間で決着が着いた印象は残りました。
タッグ戦なのにねぇ。
渡辺さんが天満さまを、ユキちゃんがリカさまを、な展開だったら、
また違ったいきれ度合いはあったと思うけど、でも、勝ちは勝ちだで!
爆れつシスターズはまたも敗戦。敗因はなんなんだろうかね。
個人的な気持ちとしては天満さまをそろそろ解放してあげたい。
IP取るのにちょうどいい人選だと思うんだけど。
あのエモいおねえさんに会いたい。
だもんで爆シスはお互い修行に出てまた組めばいいじゃない!
組んでてもいいけどユキちゃんのお守りはかわいそすぎる。

○坂崎ユカ vs 山下実優
ユカっちの前回の戴冠はゆさんから獲って、防衛ゼロでれいたんに負けた、と。
このふたりのタイトルマッチは初めてか、な?
山下さんの防衛ロードであったかも(2019年3月の福岡大会でやっていた模様)。
もちろん後楽園メインでのこのふたりのシングルも初めて。
今回は「東京女子プロレスとは?」という団体の威信をかけまくった一戦に感じました。
もちろんいままでの後楽園メインも東女最高位のタイトルマッチではあったけど。
序盤の長い場内戦は東女をわりとしっかり観ている自分的には「東女らしいな」と思ったけど、
観客の中にはそうは思わなかった人(ただ自分に酔ったヤジを飛ばす観客だったんかもだけど)、
もいて、それが印象的。
オリジナリティって受け入れられるものもあればそうじゃないものってもちろんあって、
受け入れられない人に合わせる必要は全然ない。
もっと独自性を貫いてほしい、とテーブルで階段を滑りおちる展開を痛快に感じました。
いいぞ、もっとやれ。
エースである山下さんに対して、
最近のユカっちは女帝感が漂っていて、なんか存在が怖い。
その怖さと身体能力が伴って、文句なしの強さがある。
山下さんの蹴りが再三頭に決まってはらはらしたけど、納得の防衛。
東女のレベルはとんでもないところまであがってて誇らしさすらあります。
坂崎中島戦とはまた違った最高峰レベルの試合に相違なかったです。
めちゃくちゃおもしろかった。

今回の大会は9試合あったけど、
体感的にはあっという間におわった。
それだけおもしろかった!ってことで満足度が凄いです。
東女内でレベルの違いが出てきて、実力がバラけ始めて来たけど、
上位に食い込む選手がこの先出てきたらイイナ!という気持ちでいっぱい。
万喜さんのところで線を引かれちゃったのがなー。
POPとIPの間は狭くて、IPとその下がちょっと広い。
タッグ戦線もシングル戦線も出尽くした感はあるし、
美威死鬼軍(というか沙希様)のストーリーもどうするの?ってのもあるし、
また今後の東女が楽しみでしかたがないです。うれしい。