生まれた産みの苦しみ

2018/7/6
我闘雲舞「Gatoh-Move Japan Tour 365」

○チェリー vs 駿河メイ
さくらえみという人のすごいところが垣間見れた気が。
駿河メイちゃんという期待をかけている若い選手に対して、
いろいろな経験値を持ったチェリーさんというベテランをぶつける。
ただ、ここのストーリーが薄い。
そこで試合前の煽りで年齢差からくるおチェリーさんの体力の衰えを提示。
見る側に「5分経過」というワンポイントを提供するだけで、
試合の見どころと盛り上がりどころがはっきりと見えてくる。
実際に5分経過のアナウンスがされたときの盛り上がりがすごかったし。
ガトムという団体というよりも、さくらえみという人の意志が濃いのは素晴らしい。
そしてメイちゃんがすごい。
どうしても、どこかで、多少なりとも比較されるであろう「ことり」という存在とは異なるもので、
謎の悲壮感があるのがいい。なんでだろう。

○沙紀&ファサード vs 水森由菜&高梨将弘
市ヶ谷の照明(蛍光灯は抜かれていたけど)を壊してしまったあとのさくらさんの怖い顔がよかった。
あの会場がいかに狭く、狭いが故に女子プロ団体でしか存在しえないのがよくわかった。
逆にあの会場で常設をうってるのってすごいことなんだな。
市ヶ谷でプロレスを見るの、楽しいもんな。
ゆなもんは沙紀さんと組みたいのかファサードと組みたいのかどっちもなのか。
気持ちが空回りするほどテンションの高いのはなかなかぐっときます。
微妙なサイコパスな感じとパワー系な感じとが相まってもっと見たい選手のヒトリ。
ファサード選手はあの狭さには収まりきれないタイプで、
慣れない市ヶ谷っていうのもあって全部はわかりませんでした。
が、よくある日本にやってくる外国人にあるように、
わかりやすい上下を使ったレスラーな印象。リングで見てみたいな。
いつまでいるんだろうか。
沙紀さんはなんかばたばたしてる。そういうタイプ?

○里歩&バリヤンアッキ vs 紺乃美鶴&サワディー仮面
もう紺乃美鶴さんに夢中なわたくし。
たぶん美鶴さんはいろんなものになりたいんだと思う。
で、プロレスラーにとってその変身願望というのはプラスに働くと思う。
今回はヒーローになりたかった美鶴さん。
でもなれなかった。
試合後の座談会での里歩さんの「わたしのほうがヒーローっぽくなかったですか?」という言葉。
あれ、めちゃくちゃ愕然としたと思う。
ナニモノにもなれずにもがいているモノに立ちはだかるのは、
いつだって既にナニモノかになっている人で、
それをどうしても乗り越えられない自分に対して憤りを感じてしまう。
だからいろいろもがくしかないんだろうか。やるしかない。