2019/9/28
東京女子プロレス「フォールツアー’19~BEST REGARDS!~」
○白川未奈 vs うなぎひまわり
一応、どこぞかの団体のチャンピオンである白川さん。
メンツもあるはずなのでここでは負けられないよなぁ。
地位が人を創る、みたいなやつの典型的な形なのかも。
にしても、白川さんのプロレス好きが伝わってくるので嫌な感じはしないのが救い。
うな氏は東女のプロレス的な度合いが高くて非常にいいとは思うんだけど、
度合いが高すぎてテンプレになりがちなのがもったいない。
祭りもいいけど、なんかなー。あと一息なー。
それは他の選手(特にはいすぺちゃんたち)にも同じ気持ちなんだけども。
上が詰まってる。アプガプも含め。
○辰巳リカ vs らく vs YUMI
リカさまによる教育的3WAYマッチ。
嫌いじゃないです、わたし。
この試合形式だと暴れん坊になるのでむしろ好きです辰巳リカ。
らくさんとYUMIさんがナチュラルに協力体制になって総攻撃をかけるのはよかった。
途中の仲間割れの印象がちょっと弱かったかなぁ。
フィニッシュがダブルのドラゴンスリーパーじゃなくて、
立て続けのツイストオブフェイトだったのもぐっときました。
そういえばなんでツイストオブフェイトなんだろうか。
ドラゴン殺法ではないわよね。
でもカッター系は好きなのでいいと思います。
あとはらくさんのとんぱちぶりをもう少し見たかったなー。
最近結構好きなので。らくさん。
○伊藤麻希 vs 乃蒼ヒカリ
東女のアイドル頂上決戦!みたいなこの対戦。
狂気を孕んだ二人ではあるんだけど、種類としては異質なご両人。
陽の伊藤麻希と陰の乃蒼ヒカリ…って構図なのかしら。
伊藤ちゃんは内なるものは陰なんだろうけど、
プロレスのスタイル的には陽なんだよなー。感じ方なんだろうけど。
乃蒼さんが感情がそんなに表に出てこないので、
いまいちのスイングは感じませんでした。
伊藤ちゃんがひとり頑張っていた印象。
乃蒼さんのフィニッシャーがわかりにくいんだけど、裏投げがそう?
伊藤ちゃんに安定感が出てしまった。いい方向でもあるし悪い方向でもあるな。
○操&沙希様 vs 桐生真弥&上福ゆき
かみーゆなら、かみーゆならなんとかしてくれる!
そういう気分になってきました。
ここまでの東女の中で誰でもない新しいレスラー像としてかみーゆが成り立っている。気が。
さらに技ひとつで「いいもんみた!」みたいな気持ちにさせてくれるのは、
かみーゆのドロップキックが頂点なんじゃなかろうか。
他にあるかな…
かみーゆの沙希様(の中の人)に対する想い、みたいなのが根底にあって、
以前の美威死鬼軍見習いの時からの成長があるわけで。
見ている側に伝わっている以上にかみーゆの中で燃えてるものがある気がする。
沙希様とかみーゆのビッグブーツの蹴り合いでどよめいたのが凄かった!
ああいうどよめきってなかなか起きないよなぁ。
だもんで、今回の美威死鬼軍側の主役は操さんじゃなくて沙希様だといいなぁ。
で、桐生さんが東女には珍しい真面目キャラで、
かみーゆに突っ込みを入れているのが非常に自然でよい。
フィジカルだったり技術的なプロレスがまだ発展途上であるならば、
なんらかのキャラ付けは得策であって、
頭のいい、だったり、くそ真面目、だったりは他にいないのでいいと思いました。
○坂崎ユカ vs 鈴芽
期待の鈴芽さん。
たぶん、たぶんだけど、ユカっちの魔法少女時代の天真爛漫さと、
親であるところのリカさまの破天荒さを併せもった感じで育ったらいいのだろうか。
どうだろうか。
まわりからの期待値が高くて過保護すぎるきらいがあるのがちょっと気になる。
コーナートップからのダイブは確実に受ける側が受けてくれているので、
思いっきり飛ぶだけでいいし。
というか飛ぶだけで相当な覚悟だけど…
見た目とちょっと違って気が強くて思い切りがいいのは本人の持っているものなので、
技術が追い付いてきたらちょっとえらいことになる予感はします。
蜂モチーフらしくすばしっこさがあるので、
タイプとしてはやっぱりユカっちかなぁ。楽しみすぎる。
細いので怪我だけが心配です。
そのユカっち先輩は余裕がありすぎてそれが凄みにかわっているのが凄い。
いとも簡単に奇想天外な動きをするもんなぁ。
そして技術的な高さは東女の中でも群を抜いている。
あれはなんの動きなんだろうか。総合?
やー、すごい。天才。
○中島翔子 vs 舞海魅星
天才とは対極にある努力の人が翔子さんで。
気持ちの強さでは努力の人も負けてないよなー、という一戦。
鈴芽さんとはほぼ同期の舞海さんが相手。
こちらはパワーファイター。
かつて存在していたゆさんとはまた違うタイプのパワー型なんだけれども、
まだまだ粗削りでたぶん、たぶんだけど、まなせさんのような方向性なんだろうか。
柔道の下地があるっぽいけど、そこまであからさまに柔道してないし。
コーナー貼り付けのラリアットがあかねちんさんを彷彿とさせてなかなかグッときます。
翔子さんの腕の取り方はこちらは明らかにプロレスの腕の取り方のような気がして、
基本中の基本を磨いてきて武器にしているのはかっこいいなぁ、と思います。
こちらは余裕は感じないけど、
ひとつひとつを大切にする丁寧さが伝わってくる感じかな。
やー。すごい。努力ってすごい。
○まなせゆうな&天満のどか&愛野ユキ vs 原宿ぽむ&山下実優&瑞希
ベルトの力ってすごいなー、と思って。
このメンツの中でベルトがあるのがまなせさんだけ。
山下さんもみずぴょんすも無冠。
まなせさんが駄目とかそういうんじゃなくて(まなせさんはすき)、
プロレスってベルトを中心にストーリーがまわってるんだなー、と思いまして。ええ。
このベルトは前回のタイトルマッチがあのような結末になってしまって、
まなせさんはまだ一度も腰に巻いてないんだよね。
そりゃ巻けない気持ちもわからなくないんだけど、
どこか振り切ってしっかりとチャンピオン然として欲しい気持ちもある。
次期挑戦者に伊藤ちゃんさんが登場して、
「夢はなんだ?」とチャンピオンに聞いたときに、はっきりと答えられなかった。
ちょっとそれがショックというか、なんというか。
万喜さんのことを引きずらないで先を見据えていて欲しい。
チャンピオンがみる夢を我々も一緒に見たいじゃない。
それがまなせさんの夢だろうと、伊藤ちゃんさんの夢だろうと、
はっきりと道標として掲げて欲しい気持ちもありました。うーん。
いわくがついたままなのはよくないなぁ。
そしてこのベルトの格がまだちょっとつかめない…
山下さんやみずぴょんはそれよりも上の格にある。
つまりPOP側にある。ってことがこのカードはっきりした印象。
東女の山をPOPとこのベルトではっきり二分するわけじゃなくて、
三等分して上のふたつの山ってことか。うーん。
まあいろいろ楽しみではあります。