年間最大に不足していたもの

2018/10/21
DDT「両国ピーターパン2018~秋のプロレス文化祭~」

○島谷常寛 vs 5代目タイガーマスク(自称) vs 軍団ひとり vs マイケル・ウルフ vs モンスター・ハロウィン vs 星誕期 vs 今成夢人 vs 翔太 vs 伊橋剛太 vs ゴージャス松野
出オチの皆様方が頑張ってた!
まともなレスラーがノッブと翔太だけなのがアンダーマッチらしくてよかったです。
今成さんが両国で試合をしてポイズンが大音量で響いたのは痛快でしたね。
結局同じようなことをALLDOINでやるんだよね…

○坂崎ユカ&瑞希&中島翔子 vs 上福ゆき&山下実優&白川未奈
白川さんがなんぼのもんじゃい!という気持ちで見ていましたが、
そこそこプロレスが出来ていたのでちょっとだけ期待してもいい気がしてきました。
変なプッシュされないといいけども…
このメンツにかみーゆが混ざっているってのはなんだかすごくて、
エントランスのランウェイ加減と、
ドロップキック、ビッグブーツ、フェイマサーが大箱ばえするのがよかったです。
試合…というかマジラビあんずの3人が組んでしまうともうずるすぎて、
縦横無尽な動きはこの大会随一だったと思います。贔屓目抜きで。
唯一のマイナス…ではないか。気になったのは、
みずぴょんすのフライングボディアタックとユカっちの落下の違いが気になりました。
飛翔と自由落下。

○遠藤哲哉&高尾蒼馬&マッド・ポーリー vs 平田一喜&大鷲透&上野勇希
何故かタイトルマッチが少ない今大会。
その少ないうちのひとつ6人タッグがオープニングマッチ。
ベルトの価値を上げる!と獲得するチームが常に息巻く中、
結局、この程度のベルト…ってなっちゃうのかなぁ。
ユニット抗争を見直した方がいいと思う。
遠藤と上野ってこの先のエース候補だと思うから大切に扱って欲しいなぁ。
そしてディザスターボックス再結成の興奮はどこへやら…なT2ひ~風味よ。

○マイク・ベイリー&アントーニオ本多 vs 渡瀬瑞基&ジェイソン”ザ・ギフト”キンケイド
○奥田啓介&タノムサク鳥羽 vs アントーニオ本多&マイク・ベイリー
○中澤マイケル&松永智充 vs タノムサク鳥羽&奥田啓介
○KUDO&高梨将弘 vs 中澤マイケル&松永智充
○高梨将弘&KUDO vs 梅田公太&樋口和貞
この寄せ集めタッグの試合の意味とは?と高梨選手だけが疑問を呈していて、
確かに正式なタッグチームもいるにはいるけど、
とりあえず試合を組んでみました、みたいな感覚は否めない感じ。
ぬるぬるブラザーズの腕にローションを塗っての
「めっちゃ滑るよ!」のネタにつきあった奥田選手の懐の深さよ。
そのあたりで好感度がどんどこあがっていく奥田選手。いいと思います。
あとはすーっと梅ちゃんの復帰戦(だよね?)だったり、
キンケイドの日本最後の試合(だよね?)だったり、
しれっと流されたのが残念なネタが満載でもったいない限り。
試合は酒呑童子の連携の中でKUDOさんがぽいっと捨てられたのがよかったです。

○里村明衣子&カサンドラ宮城 vs 伊藤麻希&赤井沙希
伊藤ちゃんのための試合だった印象。贔屓目込みで。
気持ちだけじゃどうにもならないほどの格の違いを見せつけられて、
それでも立ち向かっていく姿を、東女を観ていない人はどう思って観ていたんだろうか。
プロレスの技術としてはレベルが低いけども、
立ち上がる姿がメッセージ、というのが彼女のいいところなんだけど…
自分は伊藤リスペクト軍団の一員なのでぐっときましたが。はてさて。
「世界一かわいいのはー?」と里村さん相手にやったってのはある種の金字塔。
で、その「世界一かわいいのはー?」をやり返したカサンドラがまたすごい。
仙女のふたりの攻撃はDDT側のふたりの動きより一歩早くて、
テンポが合ってなかった(仙女側がワンテンポ遅らせてた)のが気になって、
団体が違うとこうもギアが合わないのか…と少し切なくなりました。
里村さんは横綱過ぎて、伊藤ちゃんの逆エビに同じ技で返して、
単なるSTFで勝った(フィニッシュホールドを出すまでもなかった)のが考えどころ。
基礎的なレベルが違いすぎる。
プロレスが違うのかな。目指すところも違うのかな。
だったら仕方がないことだけども…

○エル・リンダマン&T-Hawk&トアン・イーナン vs 飯野雄貴&彰人&勝俣瞬馬
で、これまた外敵との対戦だけど、
この試合も、もう体つきからして異なるもので、
DDTのプロレスってなんだろう?って考えさせられました…
終始StrongHeartsの試合だった。
いいところあったかな。
両国で教育的な試合が組まれちゃうのか。そうなのか…
たとえStrongHeartsがヒールだとしても、介入があるとしても、
それに一矢報いることが出来たんだろうか。
完敗に思えた一戦。

○大畠美咲&大石真翔 vs ジョーイ・ライアン&ローラ・ジェームス
大畠選手は初見だったので、イメージがつかみづらかったけど、
結局はジョーイ&ローラの掌の上でプロレスをし、
ご祝儀的に勝ったのかな?という印象。
ちんこ投げ、まんこ投げ、おっぱいスープレックス、ちんこスープレックスと大放出。
なんとなく賑々しくめでたい雰囲気で終了。
ジョーイはたまにみると楽しくていいわね。

○アンドレザ・ジャイアントパンダ vs スーパー・ササダンゴ・マシン
やー、すごかった。これを観に来た!という感じでおなかいっぱいに。
パンダにパンダを被せていくのは想像もしていなかった…
さすがのササダンゴでした。
あれはもう「デカい!」というのを観て感じるしかないもんなぁ。
あと空気が抜けてまた膨らんでいく感じのONちゃん感ね。
とにかくこれは生で観られてよかったです。

○MAO vs 高木三四郎
とにかくベッドインかおりさんが登場したのが嬉しかったです。
いちファンから両国に立つまでに至った立志伝みたいな感動がありました。
あとやっぱり珍さまの登場は嬉しい気持ち。
欲を言えばエントランスをもっと頭からしっかりみたかった。
時間がなかったのはわかるけども。
アンドレザさんのアクシデントはなかなかのおもしろさで、
ああいう偶然起きるハプニングが多いのがDDTの魅力でもあるのかも。
衣装ケースが安全だけど派手に割れて見栄えがいいのも発明だなー。
しかしKO-Dタッグを差し置いてこの試合をやる価値はあったかというと疑問。
こういうハチャメチャなのは後楽園でエニウェアでやってくれた方が客との密着度が高かったのでは。

○入江茂弘&石井慧介 vs 坂口征夫&HARASHIMA
入江くん壮行試合。
この試合のためにHARASHIMAさんのタイトルマッチがなくなったのかと思うと、
不思議な気持ちはあるけど、
両国で送り出してあげたい、っていう団体の気持ちもわかる。
だからこれでいいのだ。
ハイライトとしては試合前のチームドリフ勢揃い。
ダムネ、ガンプロ、退団と道は分かれてしまったけれども、
ドリフ解散後もその関係性が継続されていて、最後に勢揃いを見せてくれたのはよかった。
試合自体はなんといっても征夫さんの散りっぷりの美しさ。
過去にHARASHIMAさんも同じ散り方をして漢気あったけど、
それに比類するぐらいの美しさだった。いいもんみた。

○CIMA vs 竹下幸之介
実質メインのようなレベルのこの試合。
壮大な教育マッチ。
体格の差を受けるための徹底した一点集中。
そして試合を構築するための一点集中。
CIMA選手の試合運びがプロレスのお手本のような展開で美しかったです
(でもそれはたぶん武藤の足攻め一点集中のプロレスが好きだからかもだけど)。
チームとしての介入もALLOUT勢の浮足立った感じも全て持っていかれていたのかも。
これはKO-Dをかけて試合が出来ない…こういうスペシャルシングルマッチが美しかったかも。
竹下政権が長く続いて、無敵感があったけど、
ベルトを落としてからの路線は好きだし、多少の好感度はあったけど、
今回の敗戦から這い上がっていくのはいいストーリー。
そして試合後のCIMA選手のマイクの圧巻さ加減たるや…
外敵なのに一瞬にして両国全体が歓迎ムードだった。
なにからなにまでキャリアの差なのか…な。
ありがとうStrongHeartsという感謝の気持ち。

○佐々木大輔 vs 男色ディーノ
やー。問題作だったー。
ディーノが両国メインというだけあって、
完全にディーノの、DDTの試合だった。
賛否両論両方の気持ち…
ここまでまともなプロレスはセミの竹下CIMA戦とその前のタッグで、
メインだもんでさらに熱いプロレスを期待していた自分と、
DDTとして、文化系プロレスとして振り切ってほしい自分との闘いがあって、
どちらかというと前者が勝ってしまった気持ちで観ていました。
でも、ちんちん出したのはさすがの一言。
問題は煽りVから突然来たRest In Peaceのくだりで
(それまでにあったっけ?話がマジ卍で動くからわかんない)、
入場がそれぞれHHHとUndertakerのオマージュ。
DDTがなにかのオマージュをするのは今に始まったことではないけども、
WWEのこのネタをひっぱってくるには古すぎるし…
で、Undertakerが棺桶マッチに敗れたあとって、
キャラチェンジ(アメリカンバッドアス)が行われたんじゃなかったっけ?と。
CA傘下になってディーノの男色キャラが議論の対象ってのは、
この大会の直前になってなんとなーく話が流れて来てて、
男色キャラ封印との引き換えに両国メインが花道として与えられて、
この試合を持って男色ディーノは終了なんじゃなかろうか。
そうおもうと妙なディーノ推しの流れは腑に落ちるし、
棺桶の意味もRIPの意味も筋が通る。
そうなると、このあとの元男色ディーノ復活後のDDTは茨の道のような気がするんだけども…
さてさて。

長い長い両国大会が終わったけども、
満足度ともやもや度が半々ぐらい。
どっちかというともやもやかな。
メインの試合とタイトルマッチの少なさがもやもやの原因。
年間最大のビッグマッチで全てのベルトが賭けられないのはいかがなものか。
おそらくサイバーエージェント的な事情があって、
両国とその次のマジ卍の出演者(Extream級とアイアンマン)兼ね合いがあって、
ネット中継の取れ高をあげないといけなかったんだろうな。
どうなんだろう、それ。
ちょっとこの先のDDTの観戦を考える両国大会でした。どっとはらい。