今何時?全員集合!

2019/11/3
DDT「Ultimate Party 2019~DDTグループ大集合!~」

○風戸大智&神野聖人&鷲田周平 vs 中村圭吾&松永智充&渡瀬瑞基
DDTグループ全員集合ということで、
怪我やなにやらで欠場中の選手以外の全員が試合をするとなると、
アンダーマッチにまわる選手も出てくるわけで。
ベテラン、中堅、新人がごっちゃになって試合をする(メンバー含め)なかなかの興味深さ。
風戸選手はBSMV3だとテンションぶっちぎって最高なんだけど、
世を忍ぶ仮の姿のままだと確かに地味なのかしら。
難しいなぁ、プロレス。
そして渡瀬くんもこの位置。入江くんがいたときはちょっと目立ってたのにね。

○乃蒼ヒカリ&YUMI&桐生真弥&鈴芽 vs 原宿ぽむ&らく&猫はるな&舞海魅星
東女の提供試合。
東女はみんながみんな個性の塊なので、
一歩抜け出せるのっていま難しくなっている気がする。
ここ最近は可愛いとかキャラだけじゃなくて、プロレス的な強さが必要に思えてて、
その展開の中でしっかりプロレスが出来るようにならないと駄目なんだろうな、と。
おもしろムーブだけじゃダメなんだよー、たぶん。

○平田一喜 vs ゴージャス松野 vs 大鷲透 vs 翔太 vs HARUKAZE vs 白川未奈 vs SAGAT vs 上福ゆき vs イス vs ヨシヒコ vs ポコたん
アイアンマンはビッグマッチ前にちょっとだけ盛り上がって、
こういうランブルマッチでたらいまわしにされている昨今。
試合開始前に無機物がチャンピオンになるのはお約束で、
「よっ!待ってました!」みたいな伝統芸能感ある。
イスとのプロレスはちょっと盛り上がりに欠けたけど、
かみーゆが華麗にポージングをキメてイスからフォールを奪い初戴冠したのは胸熱!
ヨシヒコがとりあえず出しておけばいいや、みたいな雑な扱いで残念。
DDTが文科系プロレスとして続けていくならヨシヒコみたいな細かい設定が必要なやつは、
どんどん継続して活かさないと駄目な気がするんだよなー。
イスもだけど、とりあえず…みたいなのってハリボテすぎてすぐに飽きられちゃうと思う。
あとは結局平田かー、みたいな終わり方もちょっと残念。
ベルトの特性を考えて意外性が本当に欲しい…

○木髙イサミ vs 高木三四郎
プラケース100個デスマッチ。
試合前にリング上に並べられてるのは壮観ではありました。
BASARAがDDTグループを抜ける、ということで、
大社長とイサミさんの思い出作りのような試合だったのでは。
プラケースがいい音をして壊れる!
飛び散り方が派手!
見た目ほど痛くない!(たぶん)という発明よね。
おじさんふたりが楽しかったならそれでいいやー、という優しい気持ち。
最後に盛り上げようとコーナーからダイブするイサミさんにグッときました。

○飯野雄貴&男色ディーノ&朱崇花&瑞希&トランザム★ヒロシ vs スーパー・ササダンゴ・マシン&まなせゆうな&黒潮”イケメン”二郎&大和ヒロシ&大石真翔
忘れられていた10人タッグの試合。
ユニットがほぼほぼ回ってない状況や、5人組が揃えられないので、
この試合はこういうビッグマッチでやらないとあまり意味がないのかも?
そしてスローモーションも油断していた隙に来たので最高でした。
特にそれにみずぴょんすが含まれている、っていうのがもうね。
スローでグーパンチ入れてる姿が可愛すぎて死ぬ。死なない。
今回は芸能人が含まれていないのでうまく流用出来たらいいのにねぇ。
しかしディーノチームのゲイ率の高さよ。
飯野くんがカミングアウトしてない状況はどうだー?って思うけど。
それはまた別のお話…

○坂口征夫&中津良太 vs 岩崎孝樹&勝村周一朗
○愛野ユキ&天満のどか vs 坂口征夫&中津良太
○伊藤麻希&クリス・ブルックス vs 愛野ユキ&天満のどか
○上野勇希&吉村直巳 vs 伊藤麻希&クリス・ブルックス
○吉村直巳&上野勇希 vs 納谷幸男&コーディ・ホール
ガントレットマッチ。
この試合形式の不公平さ加減がいまいちすっきりしないけども…
DDTって試合前の映像を、煽りVだけじゃなくて、
おもしろおかしく作っていたイメージが残ってるんだけど、
こういう順番決めをめぐる舞台裏のごちゃごちゃとか撮って流したらいいのにな、って。
もう駄目なのかもね。
で、みどころ的には征夫さんと勝村先生の激突があって。
前哨戦でなんかやり切っちゃったよね…
背後からのPKをキャッチして脚を取って極めるとか、
勝村先生がやったやつを両国で征夫さんがやり返したのとか超もやもや。
爆れつシスターズの登場はうれしかったけど、
征夫さんと中津くんの組がそれを単に茶化している間にリングアウトってどうだ。
それはどうだ。征夫さんにそれをやらせるのはどうだ。
オーバーザトップロープルールもなんか天満さまもぽこぽこ落ちてなかった?
ちゃんとやってよ…
あとは団体が推したいストーリーに沿った流れの展開でおしまい。
納谷コーディー組の塩加減が凄い。あれは凄い。

○石井慧介 vs 阿部史典
インディーJr.戦。
阿部ちゃんが跳ねそうで跳ねないのがもどかしい気持ち。
格闘技の意味としてのプロレスではなく、プロレスの意味としてのプロレスだったら、
阿部ちゃんは本当にトップクラスに好きだしおもしろい選手。
レスラーってどこか頭おかしいところがあったほうが魅力的よね。
あとお客さんのほうを(意識的な意味も含めて)見てプロレスをしているので、
観ていて引き込まれるし、応援したくなる。
確かに、石井慧介も頭はおかしいんだけども、種類が違う感じ…
なんか楽しそうじゃないんだよなぁ。
サイコパスっぽいのはいいんだけど、
ただ危険な技を出して自己満足で完結している印象です。むかしから。
ガンプロがこのベルトを持っている意味はあったんだけど、
石井選手はガンプロだけどガンプロじゃないからなぁ。むー。

○塚本拓海&ヤス・ウラノ&中野貴人 vs 島谷常寛&遠藤哲哉&マッド・ポーリー vs 大家健&今成夢人&ミス・モンゴル
ガンプロ勢の取ってつけたかのようなおまけ感が凄い。
まあ、それはいいとして…
全団体が参加してのこの大会で、ちょっとした詰め合わせ感が出るのは仕方のないことなんだけど、
BASARAとDDTのメンツはそれなりの実力者なので、
こういう大きな大会で6人タッグとなると薄まっちゃうのはもったいなかったなぁ。
しかし実力者が集まったからといっておもしろい試合になるかはまた別のおはなし…

○辰巳リカ&渡辺未詩 vs 操&沙希様
ついにホワイトドラゴン辰巳リカが戴冠!
これはめちゃくちゃうれしい。
現在の東女では山下、中島、坂崎に次いでのキャリアでまだ無冠だったので、
タッグとはいえ、ベルトが獲れたのは本当にうれしい気持ちです。
リカのおかげでビールが美味い。
が、しかし。この美軍のストーリーよ。
操さんが美軍入りしたきっかけがリカさんとのシングルで敗戦したこと(だけじゃないけど)。
だもんでその当事者であるリカさんが操さんの目を醒まさせる(?)役を追うのは超わかる。
そして散々「雑草!」と罵られてきた渡辺さんが見返すために反抗する、ってのもわかる。
組むのもまあわかるけど、その組むまでの過程がいきなりだったよなー、と。
そしてビッグマッチではあるけど東女の大会ではないので、
試合後にストーリーを展開させるマイクがなかったのは残念。
普段東女を観ない人がついてこれてたんだろうか…
プロレスにドラマ性があるのは大事だし、DDTグループの中でも今回一番ドラマ性があったのに。
とはいえ、後日この試合をみて感動した!って言ってくれた知人もいてうれしい。
泣いたって。もらい泣きしたって。
しかし「白昼夢」っていうチーム名は最高すぎて好き。
なに?この戴冠は夢なの?いつかは夢から醒めるものなの?
誰がみている夢なの?ハイパーミサヲ?
などなど中二病的妄想が捗って非常にいい。

○佐々木大輔&高尾蒼馬 vs 下村大樹&藤田ミノル vs FUMA&久保佑允 vs 彰人&勝俣瞬馬
タッグタイトルが4WAY。そしてハードコアマッチ。
佐々木大輔選手のいいところは、ちゃんとプロレス的なことを考えているところで、
このメンツでミさんをちゃんと評価して、意識していたところ。
DDTの中でいま一番DDTっぽさがあると思っているんだけど、
属性が陰なのでなかなか理解されないのが残念(もちろん理解している人も多いけど)。
で、やっぱりキモというかぐっときたポイントは、
ラダーを二基高らかにかけて、そこから飛ぶの!?飛ばないのー?と思わせつつ、
その上でフェイスロックを決めて勝負が決したところ。
意外性で期待を裏切りつつ、おもしろフィニッシュになったのはツボりました。
自称DDTでハードコアマッチといえば勝俣、みたいに言ってるけど、
レゴぐらいの話と…あとはラダーに高いところから落ちたか…
とにかく「それをできる」ぐらいで「魅せる」というところまでいかないのがにんともかんとも。
それでもすごいけどさー、自称で大きなことを言っちゃうのがさー。ね。
ミさんがそれほど目立たなかったのはさみしいところではある。はい。

○高梨将弘&関根龍一
ユニオンMAXのタイトルマッチ。
試合前から高梨さんが見据えているのはこのベルトじゃなくて、
ベルトを獲った後のイサミ戦。
単なる切符でしかないベルトではあるけれども、
それをさらっと獲ってしまうのは凄い。
バイプレイヤーである彼がバイプレイヤーである所以っていうのは、
やっぱり圧倒的なプロレスの巧さであって、
裏方がいざ表に回ると圧倒的に実力を発揮してきて素晴らしいものがある。
その実力だって、みんなが知っているものだったわけで、
BASARAにいよいよ高梨さんが攻め込んで来た!という高揚感が続くよね。
関根選手も決して悪い選手ではないし、好きなんだけど、
ここは高梨さんのために道をあけてくださいまし!

○坂崎ユカ vs 中島翔子
やー。名作だった。
ほぼ同時期に入団。芸人→プロレスのキャリアも似た境遇。
たたかうコメディアンズ→みらクりあんずのパートナーでもあるし、
シングルはもちろんタッグでもマジラビとツイモンでのライバルでもある。
まさにお互いに切磋琢磨してきたライバルであり、最高の仲間でもある…と。
そんなふたりが試合をしたら、試合内容以上にこぼれてくるものが多すぎました。
たぶん翔子さんの実力が伸びてきた時期にユカっちは翔子さんを越えようと思っただろうし、
ユカっちが海外にも進出しているのをみて翔子さんは絶対に負けたくない!って思っただろうし。
たぶんお互いがお互いを上だと思って、認めあって、
絶対に負けたくない!って思える人間が近くにいるのってそんな幸せなことはない。
そういうドラマと、団体最高峰のベルト戦。しかも両国というステージが、
我々にみせてくれたキラキラした最高の一戦でした。
もちろん、推しメンである翔子さんが負けてしまったのは悔しすぎるけども!
で、両国に一緒に行った東女初見のガールがこの一戦を超気に入ってくれて、
また東女を見に行きたい!って言ってくれたのがうれしい気持ちでいっぱいです。

○ケニー・オメガ&里歩 vs アントーニオ本多&山下実優
ケニーがDDTに!ケニーが日本で!
というのはもちろん胸熱ではあるのですが、
この試合に選ばれたのがアントンっていうのが本当に素晴らしいこと。
ごんぎつねや動き含めておもしろレスラーだと思われているアントンですが、
もちろんおもしろレスラーなんだけど、
きっちりとした熱い試合ができるレスラーっていうのはかなり周知。
ただ、DDT内外の立場として、
KO-Dのチャンピオンになるのような選手とは思われていないのも事実…
それでもなんでも!みている人のハートをゆさぶるのは!いつだってアントンだ!
だもんでいいもんみた感がよりハンパなかったです。
里歩さまと山下さんを比べてしまうと、
やっぱり立ち振る舞いや言動(特に前日の公開インタビューとかの)をとっても、
全然里歩さまのほうが何枚も上…
東女育ちとさくらえみ育ちの違いってのが大きい気がする。あとキャリア。
AEWに山下さんを呼ぶかどうかの査定試合でもあったと思うんだけど、
それに関しては十分に合格値をたたき出していたと思います。
今年は両国マッスルといい、両国DDTといい、
アントンの年だなぁ。すごいわ。

○HARASHIMA vs 竹下幸之介
メインにこんなに興味がないのははじめて。
竹下が勝ってもファンの支持を致命的に得ていないのでどっちらけだし、
HARASHIMAさんが勝っても世代交代が進んでいかない現状がみえて行き止まりだし。
フラッグシップタイトルの王者が入場するのに手拍子があんなにないって凄すぎる。
竹下幸之介という選手の技術が知識などが高レベルにあるのは重々承知なんだけど、
気持ち的に支持できないっていうのは致命的なんだよなぁ。
どうにかして修正できるもんなんだろうか。
一度外に出て経験値に厚みをつけたらどうかしらね。
今のままでは単純に井の中の蛙としか思えない。うーん。
たぶん彼だけの問題じゃないと思う。団体としてどうするか?だろうなー。
試合の流れで空気をビルドアップしていくんだろうけど、
結局のところ、大技を出して、耐えて。大技を出して、耐えて。
耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて…決着ってなるところで、
大技を出し始めるのがなんか安易なんだよなぁ。うーん。

試合数も多いし興行の時間としては長かったけど、
タイトルかかったのも多かったし、見たい選手も多かったので、
そんなにダレた感じではなかったです。
が、結局ケニーのための大会だったよなぁ。
ケニーのため、というかケニーを餌に使った大会。
でも楽しかったです。
チャンピオンが竹下幸之介じゃない間だったらDDTを見に行きたい気持ちに。