見えない中に見えてきた師弟関係

2018/8/26
BLACK OUT presents KING OF DDT 2018 FINAL ROUND

○岩崎孝樹 vs 島谷常寛
ダムネ入り後のノッブがだいぶ頑張ってる。
元DNA勢の個性がいまいちなところや、
文化系プロレス枠の後継者が見当たらない中、
意外とがっちりプロレスが出来ること、
ナチュラルにコミカルなことになっていることなどなど、いいと思います。
岩崎くんはガンプロで本当によかったの?ってたぶんずーっと思い続けるはず。
頑張ってほしいけど、どう頑張れるんだろう。

○平田一喜&高木三四郎&大鷲透 vs 飯野雄貴&彰人&ゴージャス松野&赤井沙希
T2ひーラストマッチということで、
いつもの定型マッチを続ける中でひとつひとつが際立つ印象に。
「あー。こういうのあったなー」というわりとスルーしていたムーブがはっきりと見えました。
思い出ってこうやって縫い付けられていくんだなー、というやつ。
対戦相手の組み合わせが「なんでこのひとたち?人数も合わないし」と何故?の嵐だったんだけど、
試合展開で納得。彰人のパラパラあったなー、そういえば。
というわけでT2ひー、お疲れ様でした。
あと飯野くんはいつカミングアウトするんだろう。

○遠藤哲哉 vs MAO
やっぱりこの組み合わせになったか…という準決勝。
予定調和がすぎるぜ。
この試合で思ったのが、遠藤の試合運びが佐々木に似てきたな、ということ。
相手の技を受け切って、耐えて、そこから勝つというプロレスの流れが出来てきた印象。
そればっかりすぎると試合の展開がみえてげんなりはするけど、
相手のよさを引き出すことが出来るレスラーっていうのはいいレスラーよね。
逆にいうとMAOではまだまだ試合の展開が作れなくて、遠藤が作った、ってことか。
ふむふむ。

○佐々木大輔 vs HARASHIMA
HARASHIMAさんは去年も丸め込みであっさり負けてるのよね。
しかも遠藤に。
だから二年連続で準決勝はダムネに負けたのか。
ループものはなあ。
説得力なく負けるにはこういう一瞬の隙をついた…的な結果しかなくて、
もうプロレスの強さ云々じゃなくて、ストーリーありきなのが興ざめではある。
でもどの団体でもそうか…ストーリーあるよね。
それがおもしろいかおもしろくないかは別として。

○高尾蒼馬&マッド・ポーリー vs 高梨将弘&KUDO vs バラモンシュウ&バラモンケイ vs 石井慧介&マイク・ベイリー
バラモン兄弟が来るともうバラモン兄弟の試合で楽しい。
楽しい、というのはだいぶ震源地から離れているところからみているから。
墨汁をポーちゃんが吹くのはいいわね。
ポーちゃんはもっと評価されてもいいと思うんだけど…
試合はまあ、今日はダムネデーだから。

○男色ディーノ&大石真翔&スーパー・ササダンゴ・マシン vs 渡瀬瑞基&入江茂弘&ジェイソン”ザ・ギフト”キンケイド
ディーノがKO-Dを獲った、という展開はわりと好きな流れ。
ただ肩の怪我が本当なのか嘘なのか、という疑問符が浮かんでいるのはどうだ…
こうして入江が試合展開関係なくディーノを懲らしめるのが目的になって、
その方向性が「肩を壊す」という流れになると、肩の怪我は嘘なのでは?と見えてしまう。
嘘は嘘でいいけどさ、嘘と気がつかれない流れにして欲しいなぁ。
でも、見ている側にわかりやすく見せるのも必要で、
結果として、場内が静まり返ってもそれでいいのであれば、いいと思う。
好き嫌いありそうだな、このストーリー。
あとキンケイドがこの試合がラストだったみたいなんだけど、
そのアナウンスがないのはどういうことなの。
結局、ガンプロでやったシングルが一番よかった。
あれをもっとたくさんの人に見てほしかった。
また来ないかなー。近年のDDT参戦の外国人レスラーでトップクラスに好き。

○藤波辰爾&アントーニオ本多&坂口征夫 vs 伊橋剛太&樋口和貞&上野勇希
大ベテランが出場すると伝統芸能を見ることが出来るのはありがたやありがたや…という気持ち。
ドラゴンスクリュー大好きなので好き。ドラゴンだし。
昭和のレスラーっていうのは上背とか厚みとか身体の大きさが全然違う。すごい。
藤波辰爾って元々はJr.階級の選手だったわけだけど、
いまのJr.サイズとは大違いなのね。
プロレスラーっていうのはバケモノじみたイメージがあって、
いまのわりと一般人っぽいのは平成の流れなのかなんなのか。
昭和のプロレスってなんか別物なんだろうな。と思いました。

○佐々木大輔 vs 遠藤哲哉
準決勝で感じた遠藤の受けのプロレスが、
決勝ではそのまま佐々木の受けのプロレスに変換した形。
DDTにおけるユニットの意味、ってよくわからないけど、
イメージとしては師弟関係みたいなのがあって、
技術の引継ぎみたいなのが行われているんだろうな、と。
その中で、まだ師匠越えはさせないぞ、という会社としての意思を感じました。
同ユニットなので綺麗なスイング。
それ故のいい試合でした。めでたしめでたし。

この段階でディーノと佐々木の両国メイン。
ちょっとありえないな…
ポイントはアメリカで里村が”失った”と言っている赤いいつどこか。